恋文
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色あせた 紫陽花の花
ほこりっぽい 夕方の通り
熱気がこもる
暗くなる前がいい
雲が薄墨のように 流れて 山並みと重なっている
風の音を 聞いている
雨になる 直前の空
鳥が ひらひらと 飛んでいった
暗い部屋に入る
カーテンの向こうに 透けている 町の明かり
ぼやけている 雨の夜
みどりが くすんでいる
熱気の残ったままの よどんだ空気
月もない 夜の空の淀み
音も積み重なる
いつか 雨があがっている
湿った道路を 行き交う車の音がする
なめらかに 黒い夜
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