夜の熱気がほどけて白い月が天のまんなか
思い出は遠くなるほどに静かかの地の夏の川原や林の小道を思う
眠れない夜も深い眠りのなかにいる誰かと出会っている記憶をたずさえて朝の声をきく
燠火のような夕日とともに溶ける一日
山が重なり道は丘に続き川が流れ草原は茂りそんなところにいたい
いちご色の空がビルの間からのぞいている小鳥が巣に帰ってゆく
もつれた夜にからまって眠りにおもむく