髪をおろす背中にかかるむずがゆさ
もう見慣れた町並みだけれどふと感じる異物に詰まる
槿が咲いていたたくさんの場所で出逢った
音を聴く雑音であっても一日の終わりに
夕焼けが消えて稜線も消えて夜の一部になる
動物のかたちの雲が流れてゆく青い森のなか
万華鏡をのぞくようにくるくる変わる音のるつぼのにせみが啼いている