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2004年06月01日(火) ■ |
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The Homeward Bounders(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)@6/14章 |
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●読書中:The Homeward Bounders(Diana Wynne Jones) / US版@6/14章
おもしろい! この本、DWJの本で一番好きかも・・・と、ジョーンズさんの本を読むといつも思うことをまた思った。 で、先日の続きの内容・・・この話、怖い。「彼ら(They)」によって異世界へ流された12歳のジェーミーは、そのまま自分の世界を探して、世界から世界へ次々と渡って流されていくことになる。何百もの世界を渡って、言語も習慣も違う国へ流されて・・・放浪者になってしまったジェーミーの時空を越えた旅を、彼の一人称で追っている。訪れた世界については、そのうち書き出してリストにしたいな。まる1章を使って詳しく描かれる世界もあれば、ほんの1行で終わっているところもあるけど・・・とにかく、数がとても多いのが印象的。よくこんなに思いつくな。 無数の世界を次々と渡っていくにつれて、ジェーミーと同じ境遇の少女が同行者になったり、「彼ら(They)」の謎や、世界と世界が繋がって動いている仕組みのようなものが、徐々に見えてくるというわけだ。
タイトルの意味を調べてみる。 "bound" ; 境界(線)、境界線内の土地(リーダーズ英和辞典) "homeward-bound" ; 帰途についた,帰宅途中の(プログレッシブ英和中辞典第3版) <船が>帰途についた、本国に向かっている(ジーニアス英和大辞典) "homeward-bounder" ; ≪ニュージーランドの英語で≫(英本国に帰れるほどの)大金になる金鉱、金鉱発見(ジーニアス英和大辞典)
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2004年05月31日(月) ■ |
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5月のまとめ |
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●アマゾンから到着 その他2冊¥1750 『雨柳堂夢咄 其ノ十』(波津彬子) 『中国の鳥』(波津彬子) 波津彬子の新刊コミックス2冊。
●5月のまとめ ≫買った本 洋書 3冊 ¥ 748 (+ギフト券¥3676分) 和書 2冊 ¥1,610 その他 ¥2,200 *その他=雑誌、マンガ -------------------------- 計 8冊 ¥4,558
≫読んだ本 洋書 7冊 1,534 p 和書 2冊 1,104 p -------------------------- 計 9冊 2,638 p *5月に読んだ本のリストはこちら
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2004年05月30日(日) ■ |
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未来少女アリス(ジェフ・ヌーン) |
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●読了:Automated Alice(Jeff Noon)
≫未来少女アリス(ジェフ・ヌーン)のPB 英国のSF作家ジェフ・ヌーンが描く3作目のアリス、"未来の国のアリス"。 アリスはマンチェスター、Didsburyにある大叔母さんの家へ遊びに来ています。マンチェスターは雨ばかり降るところで、アリスは自分によく似た人形のCeliaを抱きしめながらソファに沈み込んで、外を眺めたり、ロンドン動物園の動物たちのジグソーパズルをして暇をつぶします。が、ジグソーパズルはピースがいくつか欠けているようで、いくらやっても完成しません。 部屋の鳥籠から逃げたオウムのホイッパーウィル(Whippoorwill)を追って、大時計の扉を開けて中に飛び込んだアリスは、そのまま落下してどんどん下へ、下へ、下へ・・・。 「ドスン!」と落ちたアリスがやってきたところは、1998年の未来。そこは動物と人間が合わさったような奇妙な生き物たちでいっぱいの不思議な世界。等身大になった「双子」のCeliaと連れだって、アリスはオウムのホイッパーウィルを追いかけます。なくしたジグソーパズルのピースを探している途中で、ジグソーパズル連続殺人事件(Jigsaw Muder)に巻き込まれるアリス。アリスが午後2時の書取りの時間に間に合うように過去へ帰るには、一体どうすれば?
う〜ん? かなり趣味に走った話だと思った。原作からのパロディよりも、著者の趣味と思しき部分がとにかく強烈。シロアリやヘビが画面をところ狭しとうじゃうじゃ動き回り、ネコ娘や蜘蛛少年がバラバラ死体になって発見されたのを、犬のおまわりさんが取り調べ、アリスは死体と一緒に発見されたジグソーパズルの持ち主だというだけで容疑者にされてしまうという・・・なんとも奇妙で奇怪な未来世界。この辺りの好みが分かれそうではあるけど、アリスのパロディとしては原作を上手く真似ていたり、言葉遊びでぐるぐるするところなど、なかなか上手くておもしろいと思った。アリスが現実のアリスの本名(アリス・リデル)を名乗る場面があったり、アンチェスター(マンチェスターの裏世界の一つ。死人が行く世界)でアリスが年老いたミスター・ドジソン(ルイス・キャロル)と再会するシーンがあったり、細かい楽しみもいっぱい。この本は日本語にするのは難しいと思うけど、翻訳版の面白さは多分に「訳の出来」にかかってくるだろうな、と。
●買った本 和書1冊¥1260 『東京 : にっぽんの旅』¥1200 ガイドブック、昭文社「にっぽんの旅」の東京版。名所旧跡とかが載ってる観光客目線のガイドブックが1冊欲しくて、新発売で目に付いた本を買ってみた。フルカラーで読み物としても面白そうだったのと、巻頭の江戸古地図がいいなと思って。
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2004年05月28日(金) ■ |
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The Homeward Bounders(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)@2/14章 |
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●読書中:The Homeward Bounders(Diana Wynne Jones) / US版@2/14章
久しぶりにダイアナ・ウィン・ジョーンズの未訳本を読みはじめてみる。これは『図説ファンタジー百科事典』では『故郷へ向かう人々』というタイトルで紹介されている本で(参考)、主人公の生きる現実世界=誰かのゲームの世界だった、という話みたい。う〜ん、いいね。最初っからつかみバッチリ!
Chapter One Have you heard of the Flying Dutchman? No? Nor of the Wandering Jew? Well, it doesn't matter. I'll tell you about them in the right place; and about Helen and Joris, Adam and Konstam, and Vanessa, the sister Adam wanted to sell as a slave. They were all Homeward Bounders like me. And I'll tell about Them too, who made us that way. ≫つづきを読む
「さまよえるオランダ人」って聞いたことある? ない? それじゃあ「さすらいのユダヤ人」は? ああ、まぁ別にいいんだ。そのことはまたいつか相応しい時に話すことにしよう。それからヘレンとジョリス、アダムとコンスタムと、アダムが奴隷として売りたがっていた姉妹のヴァネッサについて。彼らはみんな、僕と同じように『故郷へ向かう人々』なんだ。僕たちをそういう風にさせた「彼ら」のことも話すよ。 見てわかるように、なんとこの本は一人称だ! 珍しーっ! 主人公の少年はジェーミー・ハミルトン、13歳(と、2ページ目で自己紹介している)。ゲームの世界に入るというテーマはHexwoodでも出てきたけど、The Homeward Boundersでは主人公にとっての現実世界がイコール、高次の存在であるらしい「彼ら(They)」がプレイするゲームの世界だった、という設定みたい。 ある日、ちょっとしたキッカケがあって、ふとした事からジェーミーは「彼ら」によって、不要になった駒として世界からはじき出されてしまう。こんな感じで。
「不確定要因は要らぬ。お前はゲーム(Play)から追放された。境界(The Bounds)へ行くのは自由だが、他の世界のゲームに侵入することは許されない。もしも自分の家へ帰ることができれば、通常の方法で再びゲームに参加するのはかまわない」 怖っ!
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