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2004年08月25日(水) ■ |
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探偵伯爵と僕(森博嗣)読了 |
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●読了:『探偵伯爵と僕』ミステリーランド(森博嗣)
≫感想はこちら 夏休み直前、新太は公園で出会った、夏というのに黒いスーツ姿の探偵伯爵と友達になった。奇矯な言動をとるアールと名のる探偵に新太は興味津々だ。そんな新太の親友ハリィが夏祭りの夜に、その数日後には、さらに新太の親友ガマが行方不明に。彼らは新太とともに秘密基地を作った仲間だった。二つの事件に共通するのは残されたトランプ。そしてついに新太に忍びよる犯人の影!
なかなかおもしろかった。 これは、またもや夏休みの話だ! ミステリーランドでは夏休みによく事件が起こるらしい。「子供の頃の思い出=夏休み」とインプットされてる作家が多いのかな。 主人公の馬場新太(小学生)の友達2人が行方不明になり、新太が探偵伯爵とともに事件の謎を解こうとするミステリー。ミステリーランドの他の作品と違って、本書は本当に「事件」があるのが印象的だった。誘拐や殺人事件が主人公の目の前で実際におきてしまう、この容赦のなさが森博嗣氏らしいとか? 実際に小学生に感想を聞いてみたいな。あと、どこから見ても「児童書」のこの本、森博嗣のファンの方の評価はどうなんでしょう。
≪講談社ミステリーランドの"夏休み本"≫ ★=好きな本 くらのかみ(小野不由美)★ 虹果て村の秘密(有栖川有栖)★ ぼくと未来屋の夏休み(はやみねかおる) 黄金蝶ひとり(太田忠司) 探偵伯爵と僕(森博嗣) ≫感想はこちらから
▲トリビアの泉 今日のMFTは、芝刈り機が芝を刈る音だけのCDがある ≫「Suburbia Volume 1」ジェフ・マースランド(2000年、ニュージーランド)
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2004年08月24日(火) ■ |
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象と耳鳴り(恩田陸)@曜変天目の夜 |
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●読書中:『象と耳鳴り』祥伝社文庫(恩田陸) ミステリ界“奇蹟”の一冊 「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄(せきねたかお)が立ち寄った喫茶店。上品な婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった……。表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、鮮やかな手さばきで解き明かす論理の芳醇なる結晶。幻惑と恍惚の本格推理コレクション! 目次:曜変天目の夜 新・D坂の殺人事件 給水塔 象と耳鳴り 海にゐるのは人魚ではない ニューメキシコの月 誰かに聞いた話 廃園 待合室の冒険 机上の論理 往復書簡 魔術師
≪曜変天目(ようへんてんもく)の夜≫ ―きょうは、ようてんへんもくのよるだ。 語り手の関根多佳雄が、曜変天目の茶碗を見に美術展へ行ったことから昔の記憶が蘇り、10年前に「病死」した友人・酒寄順一郎の死の真相を推理する話。彼の死は、本当は自殺ではなかったか・・・? * 曜変天目, 窯変
作者が世田谷の美術館へ、曜変天目の茶碗を見に行った経験がベースになっているのだそうな。妻と娘に囲まれた現在の「ごく普通のおじさん」が、死んだ旧友のことを思い出している・・・という、まぁどうってことない短編。昔の記憶と現在が入り交じった文章で、語り手の内面をそのまま文章にしたみたいな感じ。
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2004年08月23日(月) ■ |
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Predator's Gold(Philip Reeve)@9/35章 |
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●読書中:Predator's Gold(Philip Reeve) / US版@9/35章
*表紙はHC、タイトルはPBへ *"Hungry City Chronicles"2巻。1巻は【Mortal Engines】 【8/7】の続き。1章は北方を主な活動場所とする古いTraction City(エンジンで動く可動式の町)のひとつ、アンカレッジの若き女侯爵フレイアちゃん(16歳?)の話だった。2章からは前作の主人公だった2人トムとヘスターの話になり、6章でアンカレッジに合流する。
2章。空に浮かんだ飛行艇乗りと商人たちの町エア・ヘヴンに滞在中のトムとヘスター。 前作からは2年以上の時が流れており、トムとヘスターは恋人同士を通り越して、もうすっかり「夫婦」。2人がエア・ヘヴンを離れようとした時、ねぐらである飛行機ジェニー・ハニヴァー号の前に見知らぬ男が立っているのを見つける。彼は歴史家のペニーロイヤル教授(Pennyroyal)と名乗り、外国へ行きたいのでジェニー・ハニヴァー号に乗せて欲しいと言う。ヘスターは嫌がるが、同じ歴史家であるトムはペニーロイヤル教授に興味を覚え、教授と共に3人でエア・ヘヴンを出発する。 ところが、ペニーロイヤル教授はエア・ヘヴンに来るまでに乗っていた他の飛行機に払うべき運賃を踏み倒していたらしく、さらに教授が乗った次の飛行機が、よりによって(あの有名な)ジェニー・ハニヴァー号だったこともあって、追っ手がかかってしまう。 追っ手に撃墜されて、雪の荒野に落ちてしまったジェニー・ハニヴァー号。ケガをした教授を抱えて、トムとヘスターが困っていた時、ビーコンを発していないTraction Cityに命を救われる。それがアンカレッジ、16歳(?)の女侯爵の治める、50人に満たない住人を抱えたゴースト・タウンだった。
さてさて、面白くなってきたぞ。トムとヘスターがちゃんと成長してて嬉しいな。前巻の終り方から予想はしていたけど、ちゃんと2人で助け合って生きてきたようだし。この時代にも戸籍とか結婚届なんてあるのか? 2巻に入ってからのヘスターは相変わらず容姿について悩んだりしてて、純粋なのは変わらないのだけど、なんだか「いつママになっても大丈夫!」みたいな妙な迫力を感じてしまうんですが(笑) よいよい。 アンカレッジの女侯爵フレイア(Freya)ちゃん。箱入り娘すぎて自分の町の現状が全然見てないみたいだね。でもヘスターとトムと出会ったから、触発されたら面白いことになるかな。ペニーロイヤル教授はねー。とっても胡散臭いけど、能力はあるんじゃないかと思う。話の流れから言って教授の「死の大陸(現・北アメリカ大陸)に緑の大地を見た」という話は本当なんだろうし。
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