白い原稿用紙

DiaryINDEX過去未来


2002年06月23日(日) お手洗いは我慢しないで

夜があけるまでに
コミックス用校正を終わらせて送り出し予定。

青焼き段階での修正は
画面の汚れや、写植の打間違いのチェックで、
直したい箇所に赤ペンで修正をいれます。

でも
絵の方に赤を入れたくなって困ります。

あれだけ見直したのに〜〜ん。

そういえば、昔も
青焼きになってからでっかいベタ忘れを見つけて
泣いたっけ…と思い出にひたってしまったりします。
ほぼ一ページの大きさのアップの
髪の毛のベタ忘れでしたっけ。
本に載った時も 腰を抜かしながら
(よく抜ける腰だこと)
そういえば、ここのベタの途中で
我慢が出来なくなって おトイレに行ったんだったわ、
と思い出しました。

なのにコミックス修正の時も
やっぱりそこは修正を忘れたのでした。。。なぜ…。

今もコミックスを見るたび
ベタ塗りの途中で おトイレにいくもんじゃない、
と肝に命じておりますけど
だからすぐ 膀胱炎になるのよねえ。。。

さて
ちゃんとおトイレに行って
朝までもう一息っ!!ファイト〜〜!!


2002年06月22日(土) やほい原稿は娘か息子か

…というお話ですが。

あたくし的にも「息子」のはずだと思いつつ
なぜ「娘」と表記するかといえば。

どういうわけか
作者のあたくしが 作品にとって
「母親」というより「父親」のような気に
なってしまうからなんですね。これが。

母親が娘を嫁に出す時は
それほど淋しい思いはしないことが多いそうです。
結婚しても娘は娘。
やがて自分と同じように母になり
自分の苦労もわかってくれるし。
やがては母の分身にようになっていくわけよ。

父親が娘を嫁に出す時の方が
淋しさ倍増なんですね。多分。
自分とは違う人間、性別。
どこまでいっても自分の分身にはなりえない。
一人前に育てて 嫁に出すのは嬉しいが
これで他の男のモノかと思うと…
ってな複雑な気持ちで つい
「辛かったらいつでも帰って来い」とか言ってしまう。
(ちなみにあたくしは父親にそんな事
言われた覚えはないですけど(^^;)…
あ、誰も聞いてないわね)

母親の立場で息子が結婚するのは
もうちょっと なんというか
複雑すぎるものがありそうでしょ。
よほどの人格で無い限り
死ぬまで嫁と息子を取り合うようなハメに。

父親と立場で息子が結婚するのは
もっとさばさばしてるような気がしますのね。

こういう考え方の元、
原稿を編集部にお渡しした時、
「娘を嫁に出した父親ってこういう気持ちなんでしょうねぇ」
としみじみ思ってしまうのでございますのよん。

ひとさまにもらって頂けるまでに
立派に育てたぞ、という満足感と
でもほんとに立派に育っているのか?という不安と
辛い事があったら いつでも帰って来い、という
未練たらしい気持ちと。
漫画原稿にとっての『辛い事』って
どういうことなのか知りませんけど。

自分の作品に対するスタンスは
まな娘を見守る まともな父親ぐらいが
ちょうどいい。
という気がいたします。

それでつい、「娘」と言い、
「嫁に出す」と言ってしまうんですね。

「いい編集部にもらわれて
読者にも大事にしてもらえよ」
という父の切なる願いから。

あ、今わかったわ。
「原稿にとっての辛い事」

誰にも面白いと思ってもらえないこと....

きゃああああ
それは父にとっても辛すぎる〜〜〜

いい子に育てるために
こんなとこで日記描いてないで
教育してきます。。。。

...教育っていうより調教だったりして。。。


2002年06月21日(金) 前科持ちのたわごと

今日 午前中に
コミックスの青焼きが届いて 校正中です。

※用語解説 青焼き
印刷用のフイルムから感光紙に印刷したもの。
一部だけ刷るコピーのようなもので
本印刷する前に 
これで間違いとかをチェックします。
印刷が青いのです。
明るいとこで
ちゃんと眼鏡をして見ないと見えません(^^;)
 はるか昔の青焼き校正の時、
せっかく貼りこんだ網トーンが全部すっとんでいて、
「もう少し濃く、トーンが出るように印刷して下さい」
とお願いしたところ、今度は真っ黒になって
「もう直しは間に合いません」
と言われた悲しい思い出が。
こんなに真っ黒になるぐらいなら
トーンが飛んでた方がましだったかも..
でもそれはあまりにも究極の洗濯。。ジャブジャブ。
いえ、選択。
中間でお願いしたい。
それ以来、あまり細かい事は言わないように
気をつけておりますが。。。


そういうわけで
原稿自体はまだ進んでませんが
もはやアシちゃん方はスタンバイ状態。

昨日は日が高く登るまで
ひとり宴会状態だったので 
夜まで寝ておりました。
が、
昼頃 お電話が。
お久しぶりの編集さんからでした。

同人誌の再録についてのお話しだったんですけど、
ページ数が合わずに お流れになりました。

なにしろ 御存じの方は御存じのように
あたくしの同人作品は
40ページ以下のものがほとんどありません。
アンソロジーとして載せて頂くには
だいたいどこも32ページぐらいが天井です。
たくさんの作品を載せるために です。
気を遣いながら
「ページを縮める、
ということは出来ませんでしょうか」
と聞いて来て下さいましたが、
正直に 無理ですとお答えいたしました。

なにしろ麗奴のコミックスの時、
「ページが多すぎるので縮めて下さい」との
御要望に
できると思って「は〜〜い」と呑気に答え、
後で 泣かんばかりに
「やっぱり縮まりません。縮めなければいけないなら
コミックスは出して頂かなくてけっこうです」
と編集さんを困らせた前科持ちのあたくし。。。

出来もしない事を 出来ると言っては
よけい編集さんには御迷惑。

今回の編集さんは
あたくしの同人誌はかなり持っていて下さっていて
縮まりそうはない、というのは
すぐに理解して下さいました。
ただ あたくしってば
起き抜けでねぼけたまま電話してたので
失礼な言い方をして無いといいんだけど...
(起き抜けと言うより また続きを寝ましたけど)

我ながら わがままだなあ とは思いますけど
漫画家のこういうわがままは
気まぐれで言っているのではなく、
命がけで言っているのでございます。
編集部が気を悪くなされば 
次の仕事など来ません。
不完全だと思える作品を載せるくらいなら
仕事がなくなってもいい と
覚悟を決めなければ 言えたもんじゃないのよ。

現に 意見の相違で
いくつも仕事を無くして来ましたわ。
食うに困っても 
それを後悔したことはありませんとも。

そのかわり
編集部の都合にあわせられる所は
そりゃもう全力で御協力いたします。
(…ってとりあえず言われた〆切り守れ、あたくし)

意見の合う編集さんにとっては
あたくしはかなり優等生な漫画描きなはずですが
そうでないところには
ものすごいわがままで 生意気で恐いやつだと
思われております。
(あたくしは決してもとから小さな声ではありませんが
興奮すると一段と大声になります。
それを押さえようとすると 今度は声が震えて
聞いてる方は よけい恐い事になるそうです。
赤くなって怒っている人より
青くなって怒っている人の方がアブナイ
という原理ですね)

気の合う編集さんと
気の合わない編集さん。
両者の比率がどれくらいかは
あたくしが恐いので 考えたくないわ。

今現在、わがままが通っているのは
ひとえに
おつき合いして下さる編集さん達が
心広く、こちらの意見を聞き入れて下さるからです。

この感謝をどう表したらいいかしら。
・・って とりあえず
締め切りを遅らせない事よね。よねよね。


2002年06月20日(木) 酔っぱらい日記

丸一日かけて
まだタイトルページ一枚が出来ていない
というていたらく…

この日記を見てて気がついたけど
今回のネームに十日近くもかかったのね?

次の原作付きは
原作がしっかりしているので 
心配はないのだけれど
三男のネームに十日もかかっていた日にゃあ
アウト。

で、一日かかって
タイトルページ一枚できなかったあたくしが
何してるかって
只今 ヤケ酒のひとり宴会中。

どうもやっぱり この
朝 寝る生活がいけないのよ、 
わかってるのよ。
いろいろ 雑音は多いけど 
ちゃんとそれなりの朝に起きて
日中 仕事した方が絶対進むのよ。
それなりの朝、ってのは
せめて午前中 ってことですけど。
今は午前中にお布団に入る生活だものねえ。

このところ 数々の夜昼逆転のための努力は
全部失敗してるし。

ヤクザな漫画描きの中でも
特にヤクザなあたくしが
人並みにお日さまの光を浴びて暮らそうというのが
そもそもずうずうしかったかしらん。

いっそお部屋の窓とか、全部ふさいで
年中真っ暗やみなら いっそ
今が昼だとか 夜だとか気にしなくてすむかしら。

あらでもそうすると お洗濯はいつすれば…?
あ、乾燥機とか買えばいいのね。

けけけけけ。

・・・・すみません。
ひとり宴会で
ビール1リットル超えると壊れます、
あたくし。
(友達と飲んでる時より酔いが早いのん)
ちなみに 今、朝の七時過ぎ。。。。

これからお風呂に入って寝るんですけど
なんかだすっかり
オハラショウスケさんな気分。。。。。

今にシンショウつぶすわね、あたくし...


2002年06月19日(水) 体力増強計画

ハッ ハッ フー とか
ヒッ ヒッ ハー とか
言いながらようやく 一人目出産。

長女、と言い続けるのもなんだかシャクなので
やはり長男、と言いたいあたくし。
次のは女性誌だから 次女、でいいんだけど。

ま、そんな細かいこだわりはどうでもいいわね。

本人、ひーひー言ってるようですが
漫画家仲間達のネーム時の苦労を聞いていると
あたくしの難産など
難産のうちに入りません。

とにかくネームをなんとか仕上げて
編集さんにファックス、
OKを頂いた後 どっと疲れてちょっと寝たら
薄ら風邪をひいていたらしく
汗がどかどかと。
なんだ〜 このところの調子の悪さは
そのせいだったのね。

すぐ絵にかかるつもりだったけど
とりあえず 栄養補給。

お寿司とコロッケと納豆。。
まるであり合わせのようなメニューですけど
違うのよ。
わざわざ買い出しに行って来たのよ。

ネームの間は 頭が働かなくなるといけないので
ほとんど食事をしませんの。
栄養補助食品で 気をつけてますけど。
ここ数日、ふと「食べたいな〜〜」思っていたものを
脈絡なく買って来たら こういうメニューに…。

漫画家は たいてい仕事中
食べ過ぎるか 食べ無さ過ぎるか
どちらかに片寄りがちなんですけど、
以前お会いした「食べないタイプ」の漫画家さん、
お仕事終わって なんだか調子が悪いので
お医者さまに行った所、

「栄養失調です」

と宣告されたそうです。

週間連載なさっていたので
そりゃもう 年中、仕事中なわけですし、
さぞかしお食べにならなかったのでしょう。
この国の この時代に それだけ働いて稼いでいて
「栄養失調」...悲しいお話しね。

このまま次のネームをやっておこうか
と思っていたけど
食事をしない生活があまり長いとなんなので
絵に入る事にいたします。

なんだか…
今以上の修羅場に展開する可能性の予感が
ほのかにいたしますし……。
体力 つけておこうっと。

ただ座っているだけのためにも
筋肉は必要だそうですし、
筋肉も増強しておかないといけないわね。

でも足首の筋肉はもういらないわ〜〜。。


2002年06月17日(月) 生きてます

あたくしは 生きてますわよ〜〜!

ただ 驚異的に集中力がもたなくて
ネームが思うように進まないのは
ワールドカップのせい…ばかりではないです。

だいたいはできているのに
細かいところのつなぎがしっくり来ません。

日々、日記に描きたいネタは
いやん というほどありますが
それを文章にしてる暇とアタマがあったら
ネームを練れ、あたくし。という事態です。

いえ、日記をかくのにアタマは
ほとんど使っておりませんが。
なにぶん容量がめっちゃ少ないものですから。

とりあえず
元気に生きてる証拠の近況報告でございました。


2002年06月14日(金) ネーム踏ん張り中です。

夕べ
真夜中だというのに
担当さんに 今後の展開の事で御相談メールを。

夜中だったので
「他の編集さんとも相談するので
お返事は明日になるかも」と言いつつ
その夜のうちにお返事下さり、
ちょっとネームの軌道修正など。

エロス中心で描いているのに
話が走り出してしまうと
エッチシーンを入れるのが難しくなります。
いかにエッチシーンを減らさずに
話を先にすすめるか....
そこに全力を注ぐわけですけど。

昨日、ネームに行き詰まって
つい気分転換(逃避行動とも呼ぶ)に
ハリーポッターのDVD などうっかり見てしまい
すっかりアタマが健全になっちゃったわ。
あたくしを知る友人達が 口々に予言していた通り
ハーマイオニーちゃんにずっぽりラブ!
ああいう生意気な女の子にめちゃ弱いのよ あたくし。

う〜〜んドーラが描きたくなったわ。
あら
不健全に戻ったわ。よかった。

ハーマイオニーというキャラは
子供の頃の自分そのものだ、と
作者が言っていたのをテレビで見ました。
「生意気で厭な子だった」という意味で
おっしゃっていましたが、激可愛いです。

いいなあ〜〜と思いました。

あたくしが 自分の子供の頃そのものの
キャラを描いたとして...
(ドーラは違いますわよ、念のため)
読者ちゃんに愛されるようなキャラには
絶対ならない自信があるわ!ええ!

おとなになった今でも
子自分(子供の頃の自分、略)のような子供に会ったら
どう扱っていいかわかんないわ。

嬉しくても嬉しい顔をしない。
悲しくてもそういう顔をしない。
内面は臆病なくせに気が強くて
弱味を人に見られるのが すごく嫌い。
たとえ それが家族でも。
困った時にはにやにや笑う、という
嫌われる日本人の見本のような子自分。
口数は少ないと言うより ほとんどなく
自分の気持ちを言葉に出す事はないに等しかったわ。
その鬱憤をはらすかのように
日記とも呼べないような文の羅列や
子供のお遊び程度の漫画を描いていたのね。
(正真正銘 由緒正しき 子供のお遊びなんですけど)

おとなになってようやく
子自分には見えなかったいろんなものが見えて来たわ。

なにより 大好きな友人たち。
素直に喜び、怒り、泣き、
今どう言う気持ちなのか ちゃんと伝えてくれる人たち。
どうして この友人がこんなに好きなのかしらんと
考えてたら
共通項は ちゃんと感情を見せてくれる、
という所だった。

とりあえず、嬉しきゃ笑おう、
という基本から見習って
口数が少なかった、と言っても 今や誰ひとり
信じてくれないような、口から生まれた口女に。

子自分心にこのままじゃいけないと 方向転換したら
そのまま全力疾走で 
突き当たりの壁に激突してしまった って感じ?

いやもう、子自分は
誰と友達になっても自分とだけは友達になりたくないと
思っていたものだった。

ようやく 自分がもうひとりいたら
友達になってやってもいい、と思えるようになったのは
二十歳は はるか彼方にぶっちぎった頃だったわ。

いつくになっても 人間、
なんとか成長していけるもののようです。

死ぬ時には
自分とぜひ親友になりたい!
と思える人間になっていたいものだわ。 

あら、それって かなり手おくれ?

さて
手後れにならないうちにお仕事に戻らないと。


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