昨日遅れた 仕事ノルマを取り戻すべく
朝もはよからシャカリキにお仕事……
するはずが、はっと気づけばもう日曜日。
明日には着くように
コミックスのサイン本を送りださなければ。
そういうわけで
午前中は ひとりサイン会状態。
いつもながら
表紙の裏というのは とても描きづらいものですわ。
扉絵に描いた方が楽なんだけど、
サインには軽く絵を入れるので、
真っ白な表紙裏にしかスペースがないのよ。
ようやく仕事に戻っても
いまいち調子があがらず、
だんなが食料の買い出しに行くと言うのに
ノコノコついて行ってしまいました。
漫画描きが疲れるのは 動いていない疲れなので
疲れたら動くのが基本よね。
ド修羅場には そんなこともいっていられないけど。
食料暢達はだんなにまかせて
あたくしがかかえて帰って来たのは、
大枚はたいて(あたくしにしては)買った
コーヒーの樹。
収穫して飲むのよ。
嘘よ。
収穫どころか
いつまで生きていられるのか このコーヒーちゃん。
どんな植物も枯らしてみせる事のできる
このあたくしに目をつけられたのが運のつきね。
隣にあったココヤシの樹ってのにも心惹かれたんだけど
緑の葉が多かったのでコーヒーにしたの。
この仕事が終わったら
園芸の本を掘り出して
育て方の研究をするつもりなので
なんとかそれまで生きていてちょうだいね。
2年前に買ったポトスが
なんと奇跡的にまだ生きているので
ポトスの小鉢も3つほど追加で買って来ました。
さすがのあたくしでも
ポトスほど丈夫なら枯らさずにすむらしいんだけど、
たぶん、
緑の指をお持ちの方に育てられていたら
この3〜4倍には育っていたと思われます。
紙の上の息子たちを育てるのに必死で
なかなか目の前の緑ちゃんまで手がまわりません。
なら、買うなよと言われそうだけど、
やっぱり人並みに
植物を見て 心なごませたいのよね。
特に仕事中。
そんなわけで
このコーヒーの樹が無事に育つかドッキドキ。
2002年07月27日(土) |
キスケ(を)大走査線 |
昨日丸1日
三にゃん坊のキスケが帰って来ませんでした。
どうせこのところ、全然
家に帰って来ない不良息子なんだけれど
丸1日 帰って来ない時は
必ず 何かやらかしているのよ…
おかしな怪我をして帰ってくるのよ。
異常に人懐っこいし、
どこか別宅があるとも疑っているあたくし。
とうとう別宅を本宅に決めたんじゃないかしらと
あきらめ半分に思ってみちゃったり。
猫は 犬以上に「飼い主を選ぶ」とか言われてるし。
あんまり選ばれる自信ないし。
昨日1日、何度も探しに出たけどいない。
ウチの猫達はみんな、外では
名前を大声で呼ばなくても
チッチッチッと舌を鳴らせば
飛んでくるように習慣付けてあります。
そしてそれは夜中の一時。
あちこちで舌を鳴らして呼んでみる…
どこからともなく必死で答えるキスケの声が……。
昼間は雑音が多すぎて、
小さな舌打ちくらいでは聞こえなかったのが
夜中寝静まって、ようやく呼ぶ声がキスケに届いた様子。
何度も呼んで位置を確認した所
どうやらウチの裏手にある広い敷地の修道院の中の
幼稚園の中の、さらに
たくさんある建物や物置きの中のどこか……。
猫達は、
その敷地にはしょっちゅう遊びに行っているけれど、
どうやら建物に忍び込んだはいいけど、
そのまま閉じ込められてしまったという所かしら。
あたくしは敷地に入ったことがなく、
中がどうなっているのか 全然知らないの。
救出しようにも
夜中の一時に、幼稚園に人がいるわけがないし、
いたとしても熟睡中、叩き起こすわけには参りません。
塀を乗り越えるのは簡単だけど それは犯罪。
仮に乗り越えたとしても(乗り越えるな)
全部の建物の窓ガラスを片端から割るわけにはいかないわ。
相手が人間なら、
一晩中声をかけて励ましてやるところだけど
脳みそが小さな猫の事だし、
声をかけ続けると
今すぐ助けに来てくれると
余計な期待を抱かせてしまいそう。
今晩のところはあきらめて寝るようにと
心の中で言い聞かせ(言い聞かせて無い)
朝を待ちました。
園児が来る前に、と幼稚園にまず電話。
……出ないわ。早すぎたか。
夜中の静けさとはやはり違って、
聞こえないのか 寝こけているのか
舌を鳴らして呼んでも 返事は帰ってこず。
しばらく待つと、敷地内で音がしたので
もう電話ははぶいて直接出動。
考えてみれば、今日は幼稚園はお休みでしたわ。
工事の人と、日直の先生がいらしていました。
この御時世だし、
以前にも 怪しい人が入った事があるらしく
大きな門はオートロックでかなり厳重でしっかりした
幼稚園です。
(塀を乗り越えるのも、けっこう登らなければ無理です。
簡単と言いましたが、ひと様にはお勧めできません)
「うちの猫が…」
とマヌケこの上ない説明を
先生にも、工事のお兄さんにも披露して
敷地内を探させて頂きました。
舌打ち程度では聞こえないので
大声で名前を連呼。
キスケ〜〜!キスケ〜〜〜!!
もし幼稚園がお休みじゃなくて園児がいたら、
ツノの生えたヒヨコを探していると思われても仕方ないわね。
なんてアブないオバさんなのかしら。
「ああ、こんなに厳重にしても怪しいヒトが入って来た」と
嘆かれなかったかしら、先生や、シスター。。。。
ようやく答える声がして
どこに居たかといえば、
めったに使わない、用具入れと化している
広い体育館のすみっこのフラフープの束の後ろの
跳び箱の裏。
そこで固まっていて、
呼ぶ声には大声で答えるものの、いっこうに出て来ない。
黄色いしっぽだけがはみ出して見えてました。
「雀のかくれんぼ」かいっ。
フラフープをどかして 跳び箱を動かし、
顔を見たところで ようやく
情けない声はいきなり甘え声に豹変して
いそいそと出てまいりました。
建物に入れてくれて、一緒に探してくださったシスターが
「さすが飼い主さんね」と。
い、いちおう「飼い主」として
認識はしてくれていたのね、キスケ。
別宅があるかどうかはともかくとして。
その建物は、普段は使っていないので
たまに空気を入れ替えるために窓をあけるだけだそうです。
昨日か、おとといに開けた、とシスターがおっしゃっていました。
その時に入り込んで、逃げそびれた、と。
あたくしは
キスケがうちに来た時からとても頭のいい子だと
信じていました。
いろいろと、他の猫には出来ないとこができていたし。
でもだんなはこの子は馬鹿だと言っておりました、つねづね。
今日からだんなの説に1票 入れたいと思いました、あたくし。
お姉ちゃんたち、2匹は
こんなバカはやらかしたことはありません。
キスケを片手に抱いたまま、
動かした用具を戻そうとした所、
大きな音がして
固まって居たはずのキスケは 突然氷解、
「さすがの飼い主」のはずのあたくしを
蹴倒した上、置き去りにして逃走しやがりました。
まあ、家はすぐ塀を越えた裏手。
ためしに呼んでみた所
塀の向こうから答える声が……。
シスターに平謝りの上 お礼を言い、
もし何か粗相をしているようなら御連絡を、と
申し上げましたが
「それより無事でよかったわ」と
おっしゃって下さいました。
蹴られて血だらけの腕をかかえて
家に帰った所、
階段から降りて来つつ、
何事も無かったかのような顔で
キスケは「おかえりなさ〜い」と言いましたとさ。
この おバカは当分、外出禁止の刑です。
残り少なかった猫トイレの砂を買い出しに行き、
10キロの砂と、ついでに24缶の猫缶をかかえて
帰った時には
「プールで泳いで来たのか?」とだんなに聞かれるほど
汗だらだらのくたくたでしたわ。
キスケをののしりながら仕事に戻ろうと
原稿をかかえた時、
そばにあったコーヒーをかっとばしたあたくしも
キスケにお似合いの おバカな飼い主ね。。。。
ちなにに 原稿は無事でしたが
あたくしのジーパンはコーヒーまみれ〜〜。
ちゃくちゃくと遅れて行くお仕事。
あ、でも大丈夫ですよ〜
御心配なさらないで。
締め切りには間に合わせますから、編集さん。
千と千尋の神隠しを見てしまったわ……。
見てしまった、と言うのは、
発売日に買っていたんだけれど、
仕事が終わるまでは……と
けなげにも封印していたはずなのよ〜〜。
我慢できなかったのよ〜〜
ああ、これがかの、『ハクのおにぎり』なのね〜〜
とか感動しながら。
食べたくない、という千尋に
「元気が出るおまじないがかけてあるから」
とおにぎりを差し出すシーンで思い出した事が…。
もうかなり昔になるけど、
あたくしのまわりには、
ネームが出来なくてのたうちまわる漫画家が
とても多うございます。
…あたくしのまわりには限らないらしいけど。
小学館の学年誌で
とてもかわいい魔女のお話しを
連載していた友人がおりました。
それは毎回、小学生が喜びそうなおまじないを
盛り込まなくてはいけなくて
それが 普通にネームをやるのに加えて
とても大変そうでしたわ。
他に、ショート漫画を連載している友人がおりました。
毎回ネームがすんなり通らなくて、
ハタで見ていても どうしようかと思うくらい
大変そうでした。
漫画家を続けて行く事さえ 辛そうだったくらい。
そのショートの友人がいつものように苦しんでいる時、
魔女の友人から
差し入れの荷物が届いたそうです。
それは、魔女ちゃんの手作りのお惣菜だったり、
ショートちゃんが好きそうな小物だったり。
その中に
かわいいシャープペンシルが入っていて、
こう 手紙が添えられていたそうです。
「このシャープには
ネームができるおまじないがかけてあるの。
次のネームはすいすいできるわよ」(意訳)
ちょ、「ちょっといい話」じゃありませんか?
(友人達よ、勝手に公表するのを許してね)
ショートちゃんはその時
「漫画家やっててよかった」と
心から思ったそうです。
ショートちゃんのその時の感激ぐあいは
他人であるあたくしにはわかるはずもないけど
あたくしなりにそのお話しには
ほんわかしちゃったのよね。
ネームに苦しんでる魔女ちゃんだからこそ出来た
やさしい心遣いだわ、と。
だったらそのシャープ、自分で使え、などと
野暮なつっこみはないことにして。
ほんとに ほんの少し、
誰かのやさしさに触れられた時
それで元気が出て救われる時があるのよ。
せっぱつまった時ほど、
敏感にそういう優しさを見つけ出せるのね。
見つけ出したというより、送られて来たんだけど。
送る人を間違えれば 鼻で笑われたかもしれない事。
ハクのおにぎりと
魔女ちゃんのシャープには
とても立派に おまじないがかかっていたと思うわ。
それでその後、
ショートちゃんが、すいすいネームができたかどうかは
忘れちゃったけど、
少なくとも また没をくらっても
へこたれないだけの元気は 充電できていたはずです。
さて あたくしは只今
ネームを手直ししながらの下描き作業中。
残念ながら あたくしは
そのシャープを持っていないので
自力でなんとかしたいと思いますっ!
編集部からコミックスの箱が届きました。
中を開けたら
○色に惨然と輝いておりました。
(現物を見るまで知りたく無い人のために伏せ字)
午後になって
モノクロページの1ページ目が
縮小率を間違えて、ちょっと上が出てしまったと
丁寧なお詫びのお電話が。
お仕事がちょっと遅れこんでいるため、
まだ中を確認していなかったので
慌てて確認いたしましたけど、
醜く端っこが出ちゃっているわけではなくて
綺麗に切れているので
それほど気にならないかと。
そういえば 昔、
とってもいいかげんな雑誌があって
断ち切りが断ち切られず、
端っこが全部出ちゃったことがありました。
その後しばらく恐怖症になって
断ち切りも全部、枠線で囲っていた事があったけど
こんどは他の雑誌で、
印刷屋さんが混乱するので止めて下さいと
言われましたっけ。
……確かに。。
ふつう、B4の紙に描いて、
左右、それぞれ約1,5センチ、
上下 それぞれ約2,5センチくらいは
印刷には出ません。
昔々 お手伝いに行った先の
少女漫画家さんのところで
紙一杯に、
全部きっちり描きこまないと気がすまない、
という方がいらっしゃったわ。
印刷に出ない所まで こまごまと
背景まで描きこまないといけないので
なんて面倒な事を…と思っておりました。
だって左右で3センチ
上下で5センチ分も
絶対に印刷には出ないのに描きこんでらっしゃるわけで。
その余分なトーンの量だってバカになりません。
でも ほんとに、出版社によっては
コミックスになったときに
断ち切りが 断ち切られずに出てしまう、
なんてことが けっこうあったのよね。
そういうことを防ぐためには
いい方法なのかもしれないわ。
でもちょっと構図が狂うわ。。。
そういう あたくしもけっこう、
印刷に出ない所まで
描きこんでしまうことがあります。
全身を描いていて、
ちょっと足の先だの、手の先だの 肘だの 膝だのが
はみだしてしまった時。
つい気になって先まで描いてしまいます。
どうせ印刷には出ないので、
描いてもしょうがないんだけど
やっぱり気になるのよ〜〜〜。
だったら最初から はみ出さない大きさで描けば…
と思われるでしょうが、
そうすると人物が小さくなり過ぎて
表情が生きて来ないと気になったりいたしますのよ。
端から見たら
あほらしいようなこだわりは
たぶんどの漫画描きさんも
持っているものなはずです。
今回のコミックスは
トーンが飛んでしまうような事も無く、
綺麗に印刷されております。
発売日、本屋さんで
読者の皆様にお会いするのを
この息子もわくわくと待っている事でしょう。
2002年07月23日(火) |
うっかり2連発な一日 |
穴蔵宣言をしたはずなのに、
うっかり
お昼ご飯など食べに出かけてしまいました。
なにがうっかりなんだか、
とにかく とってもおいしかったので
ヨシとします。
編集さんからメールがあり、
星の館4巻目「囚われ人の行き先」が
出来たので、送って下さるとのこと。
実は。
表紙を一色でシリーズにしている
このコミックスの、
今回の色が何色なのか
あたくしもまだ知りません。
星の館のシリーズのキャラには
それぞれイメージカラーを決めています。
マスターが紫
澄也が赤
薫が緑
嘯龍が青紫
結城が赤茶
飛葉が若草色
飛華が金に近い黄土色
七坂が銀に近い灰色
あら、弘史がないわ。。。。
ひどい(我ながら)
まあ、それはどうでもいいとして、
今回、表紙に使ったキャラのイメージカラーでは
編集さんが考えていらした色と違う、というので
何色にしたのか
聞いていなかったのん。
明日か、あさってに届く
宅急便の箱を開けた時
中身が何色に染まっているのか
とっても楽しみです。
「楽しみにしていて下さい
とっても目立つ本です」と編集さん。
黄色?黄色なのかしら??
その本が来たら
サインをして編集部に送り返します。
(もちろん、頂く分は抜いて)
夏のコミケで販売するためのサイン本です。
このコミックスを買ってやろう、と言う方で
コミケに出動予定の方がいらしたら
一水社のブースでサイン本を買ってやって下さいまし。
サイン本がたくさん余ってしまうのは
なんだかとっても哀し恥ずかしいでございます。
ど、どうせいつも余っていると思いますけどもん。
ひとつ よろしくお願いします。
ぎょえ〜〜〜〜〜〜〜。
とか言ってたら うっかり見ちゃった〜〜〜
光彩書房のサイトでええええ
自分のコミックスの色をををををを〜〜〜〜
……こら〜確かにすごいです。。。。。
天気が良すぎて どうにも集中できず、
カーテンを締め切って
穴蔵にいるような気分を盛り上げてお仕事してました。
穴蔵漫画。
それでも集中できず、
だんなが買い出しに行くと言うので
ホイホイとついて行ったり。
帰ってから そのまま勢いに乗って
(乗ったのは『調子』かもしれないわ)
お庭の草むしり。
だってすごいんですもの、うちのお庭。
ドクダミが咲き乱れて。
お出かけから帰って来た猫達が
もれなくドクダミ臭いのよ。
ざっと草をむしって水を巻き、
ついでにそばに寄って来た愛猫の毛もむしり、
お部屋に戻って
あつ〜〜〜い日本茶で一服したところ
「人間の身体にこんなに水があるのかしら?」というほど
みごとな汗がこんこんとわき出てくるじゃありませんか。
お風呂で汗を流して
ようやくお仕事にもどりましたが……。
もちろん、草なんかむしってる場合じゃありませんのよ。
明日はどんなに天気がよくっても
絶対 朝からカーテンを締め切って
穴蔵状態を死守したいと思います。
昼間起きてる、健康的な状態と言うのは
あたくしのような漫画を描く人種には向きませんわね。
…健全漫画を描いてる時も そうだったけど、
健全じゃないと倍率ドン!
2002年07月18日(木) |
明日までには生まれるはず… |
只今 三男出産中。
頭が見えて来たくらいの所だったり。
次男を婿入りさせたあと
ネームを考えていたらそのまま寝入ってしまい
なんと16時間ほど ぶっ続けで寝てしまいましたわ。
「せっかく このところ朝、起きる健全な生活だったのに、
徹夜のせいでまたひっくりかえってしまうわ…」
という心配をよそに
ひと回り寝こけたおかげで
無事に、朝 起きる生活のままでした。
めでたしめでたし。
(ネームの時間が削られてちょっとめでたくない…)
夕方に編集さんから
明日の打ち合わせが大丈夫かどうかの確認のお電話。
一階で食事中だったので
ヒンズースクワットで鍛えた足で二階に駆け上がり
切れる寸前に間に合いました。
「す。すみません。
下で焼そば 食べていたもので…」
と言わなくていいメニューまで披露してしまったところ、
編集さんったら笑いながら
「冷凍食品ですか?」
いや〜〜ん
見てたのね〜〜〜〜。昨日の日記〜〜〜。
実は冷凍焼そばだけじゃなく
冷凍ポテトと冷凍鳥のからあげも…