友人夫婦のお引越しのお手伝いに
だんな ともども出動してきました。
が。
お引越しで 古いお家のカギの引き渡しと
お仕事の漫画原稿の引き渡しが 同日だった友人夫婦。
〆切りを抱えているのは 奥さまの方。
なので
夫ふたりは 古いお家の引っ越しの片づけ。
妻ふたりとプラスアシちゃんは
新しいお家の段ボールのあいだで原稿制作。
「おじいさん(達)は山へ芝刈りに
おばあさん(達)は川へ洗濯に」という状況でしたわ。
〆切り抱えた妻は 気心知れた長い友人。
さらに その時来てくれたアシちゃんは
あたくしもお願いしている、いつもの雪豹ちゃん。
せっぱつまった修羅場とは思えない呑気な空気の中、
先生である友人を さっさと寝かし付け
雪豹ちゃんと共に、せっせと原稿を仕上げて
主人の目覚めも待たず、
とっとと始発で帰って来てしまったあたくし(^^;)
もちろん、気心知れた友人な上、
その彼女がとてもおおらかな性格なので
(アバウト、とも言うわね)
指示もなしに 原稿を仕上げてしまうという
荒技ができるのであり、
ふつうは夫婦といえど、
漫画描き同士でこういう無茶はいたしませんわよ。
ところで この友人のお家は
小さな子供がいる上、
夫婦ともタバコをお吸いになりません。
…ので 喫煙の時は外に出て吸うわけですけど
うっかり ライターを忘れてしまいましたのよ。
だんなが持っていたので 一緒に吸っているうちは
不便はないんですけど
なにしろ おじいさんは山へ芝刈りに行ってしまう。
火がないのよ。
引越し中のタバコをすわない家庭で
ライターやマッチが出てくるわけもないし。
川で 途方にくれたおばあさんは
お台所のガスレンジで火を付けてから
外に飛び出すという暴挙に出ました。
でも一刻も早く外に出なければ(タバコを吸わない人にとっては
ちょっとの匂いも臭いものですから)
というあせりも手伝ってレンジの火で 前髪を焦がしちゃったん。
2回ほど。
そうまでして吸いたいかと聞かれれば
徹夜の仕事をタバコなしで乗り切るのは
喫煙者には なかなかに出来ない事なのでございますのよ。
そうまでして吸いたい
という答えですわ。
とっととお家に帰って
グースカ寝て居たところ
友人夫婦から
「無事に原稿と家のカギの引き渡しが終わったよ〜〜ん」
というメールが。
やれやれ
今回もなんとか乗り切れましたわね。
前髪 焦がしたかいがあったわ(勝手に焦がしたんだけど)
この友人夫婦には あたくし達夫婦も
いろいろ助けてもらっていて
共に修羅場を乗り越えて来た 戦友みたいなものですの。
次の戦場は 我が家のお引越しなのかしら。
どきどき。
コミックスの色稿が届いてチェック。
どひ〜〜〜〜〜。。。。。
なにも文句はございません。
……自分のイラスト以外は。。。。
か。描き直したい。
よくあることなんだけれど
カラーの場合、
あんまりまじまじと モニタをにらんでいるせいでなのか
しまいには 自分がなにを描いているのか
それがどういう絵なのか
わからなくなっちゃうのです。
ひどい〜〜ん。
誰?これ?
なんなの 一成の性悪なこのお顔。
確かに、いつもとは違う表情を描こうと
努力した覚えはありますけれど
こういう顔が描きたかったわけではないように思います。
サイトにもすでにアップしてあって
充分に 変なお顔なんだけど
それは画質を落としてあるせいにしてました。
高画質になったら 一段とひどい事に。。
なぜ出力見本の時に気がつかなかったのか
永遠のなぞだわ。
哀しいけれど
これは本屋に出回ってしまうのね。
皆様 ひらにお願い申し上げます。
早々に お買い上げの上
この本をアナタのお部屋の奥深く
隠してやって下さい。
あら、なんてタチの悪い宣伝かしら。。
自分が思い描いていた絵とは全然違う 出来だけど
これはこれで こういう絵なんだと 自分をだましつつ、
はやく気を取り直したいところですわ。
でも 本が出来て 上がって来たら
気持ちも新たに また落ち込むのね。とほほ。
先日 TVで「深層心理」について
取り上げているのを見ました。
ところで この手の深層心理テストでいつも思うの。
絵を描いて
その絵から深層心理を読み取る という方法ですけど
漫画家 および絵描きさんたちにも
そのテストは有効なのでしょうかしらと。
だって まず
「構図が……」とか考えてしまうわけなのよ。
枝ぶりは 立派な方がかっこいいとか
幹は それなりに美しく描こうとか
いろんな見栄えを重視しちゃうのよ。
でも ちょっとやってみて
なるほど、こういう絵描きとしての美意識も
深層心理が表れているものなのか と
ちょっと納得してしまったりはしたんですけれども。
たとえば、
A4の紙に一本の樹を描いて下さい、という問題に
あたくしは(実際には描いておりませんけど)
紙を横にして 広い大地に
左側に樹が立っていて
枝がたくさんあって、葉も豊かに茂っている、
というのを想像しましたの。
どうも 紙は縦にして描く方の方が多いらしいわ。
あたくし的には とっても意外。
で、その他の事は忘れちゃったんだけど
「左側」に描く人は
過去にこだわる人だそうですの。
あたくしはただ 構図的に
左に樹が立っていて、右側に広い空間がある、
というのが 絶対に美しい、とか思ったんだけど。
だんなは
「いや、樹は右側寄りにあるべきだ」と。
そうなのね
絵描きの美意識だと思っていたものにも
これだけ違いがあるのなら
絵描きが
自分の美意識に従って描いた一枚の絵にも
深層心理が読み取れるものなのかもしれないわ。
絵描きにも 絵によるテストは有効なのかも。
と、結論が出たら
ここで 別の問題が起こってきちゃったじゃありませんか。
つまり、
漫画描きは 自分の漫画の 一コマ一コマに
自分の深層心理をさらけ出しているのでしょうかしらっ?
そりゃあ、
漫画を描く という行為は
もう 自分の履歴書と日々の日記と頭の中の妄想とを
公衆の面前に差し出す行為だという覚悟はありましたとも。
ものを描く、ということは 恥をかく、と同義語だと。
でもまさか
自分でも気づいていないような深層心理まで
さらけ出してしまうものだとしたらっ
そういう専門家の方から見たら
あたくしの漫画は とっても恥ずかしいものが
ところ狭しと 舞い踊っているのではっ?
……………………
専門家じゃない方が見ても
十二分に恥ずかしかったわね。
あたくしの漫画。
いやんなオチ。
猫にとって最高の環境で、
人間のあたくしにとっても住み慣れた
このお家を 出なければいけない事態を考えると
なんだか 気力がわかない今日この頃。
それでなくても このところ 引きこもりがちで
内向的この上ない状態なのに
お引っ越しなんて
外交的この上ない行事がこなせるかしらん。
法律上は、大家さんが売りたいとおっしゃっても
住み続ける権利はあるわけですけど、
法律を盾に 大家さんと喧嘩してまで
居座りたくはないですわねえ。
人間関係は大事な事ですので
お互い 気持ちよくおつき合いしたいものですし。
でもめんどくさいわ〜。
だれ〜〜〜っとやる気のないあたくし。
そうも言っていられないだんなが
ネットであちこち探しておられます。
で、第一条件は とにかく『ペット可』なわけですけど。
ひと昔前と違って 最近は 不動産屋さんも
ペットと暮らせるお家も
いろいろ取り扱って下さるようになりました。
とっても助かるわ。
ちょっと前は、「猫が……」と口走っただけで
「都会で暮らそうってのに、贅沢言ってんじゃないよ」と
門前払いをくらいまくっておりましたから。
ペットと暮らせるマンションとかも
建てて下さるようになりましたし。高いですけど。
で、その中に こういうものがありました
『ペットの面接あり』
ペットの面接!?
ちょびが落ちるんですけど。確実に。
他の2匹はともかく。
きっと、あまり吠える犬はダメとか
しつけの悪い猫はダメとか 選別するんでしょうけど
しつけ以前の問題、彼女の野生の血にかけて
ちょびは落ちますわ。
人間と暮らす基本がなっていませんもの。
この自他共に認める(いえ、自、のほうはわかりませんけど)
世界でトップクラスに凶暴な飼い猫は。
あれこれ お家を物色するのは
それなりに楽しい作業でありますけれど
実際のお引っ越しとなると
やはりめんどくさそうでございます。
ございますけど、今は何も考えず
やるべき事をやらねばっ。
確定申告。
(まだやってないんかいっ、と我ながらつっこみ)
お仕事も一段落で
すぐにも怒濤の確定申告書類作り……
のはずが
どういうわけだか映画館に居たあたくし。
5日付けの日記ですが、4日のお話しです。
二つの塔
見て来てしまいました。
イカス。
イカスわ お爺さま!
こんなイカス爺がいていいものかしら。
爺といっても、魔法使いという種族は
あの世界につかわされた時から
爺の姿だそうですので
あのおふたりの機敏な動きも
ほんとは若いからかも。違うかも。
もうレゴラスが素敵すぎるのは言うにおよばず
さらに
前にもまして 爺に首ったけですわ。
サルマンの活躍が少なかったのが
不満と言えば不満ですけど。
ガンダルフってば あんなに機敏なくせに
よぼよぼ爺のふりをして
レゴラスにエスコートしてもらうシーンなど
もう
どうしてくれましょう。
まだ見てらっしゃらない方に
ネタバレにならないように
このへんでやめておきますけど。
いえ、でもネタバレもなにも
話がすごい勢いで走り去るため
原作を読んでいない事には
なかなか話が見えません。
見えなくてもシーンシーンの素敵さは
見ておかないと後悔する素晴らしさ。
あの映画は
「指輪物語」という壮大なお話のための
「動く挿し絵」だとあたくしは思いました。
あたくしは
ファンタジーが大好きで
漫画を描き始めた頃から
それを描くのが夢でしたけれども
未だにその夢はかなっておりません。
今 描いているものも
もうひとつの意味での
ファンタジーでありますけれど(^^;)
最新の技術と熱い情熱とで造り上げた
剣と魔法のファンタジーの原点というべき
この壮大な物語の映画を
あたくしが生きている時代に
よくぞ作って下さいました。
嬉しい。
感謝を捧げたくなる映画はもうひとつあるわ。
「千と千尋の神隠し」
これはもう語り出すときりがないので
またいずれ
熱い思いをはきださせて頂きます。
い、言っておきますが、
ロードオブザリングに惚れたのは
レゴラスがいたからではなく
(爺達がいたからでもなく)
千と千尋の神隠しにほれたのは
ハクがいたからではありませんわよ。
ありませんけど
大変大きな要素ではあるわね。
魅力的なお話に
魅力的なキャラがいるのは必然なのよ。
今日は余韻を楽しみながら眠りにつきますわ。
レゴラスの夢を見たいところだけど
ガンダルフの夢を見ちゃうかも。
ようやく なんとか やっとこさ
コミックス用の修正が上がりました。
どうもバタバタ忙しかった期間の原稿らしく
修正の膨大さに我ながらびっくりよ。
ああ、この頃
とってもドタバタしていたのね、とりマイアさん、
とか思わず他人行儀になっちゃうくらいだったことある。。。
編集さんとお話ししていて
今日が3月3日だったとようやく理解して
走って帰って
とるものもとりあえず
トップページをひな祭り仕様にアップ。
その後ようやく、締め切り前の断食を打ち切って
お仕事終了後 恒例のおすしなどいただきましたわ。
もちろんビールと共に。
でも 徹夜の仕事明けは
カラダとアタマが興奮したままなので
すんなり眠りにはつけないのでした。
これも恒例ですけど。
このあと なにをドタバタするかといえば
確定申告なのでした(TT)
それが終わったら
次のアニマのネームに入るのでした。
おかしいわね。
アニマだけの仕事量なのにこのドタバタ加減はいったい?
いつになったら
心置きなく お人形にかまえるのかしら。
いえ、かまってると言えば
年中かまっているんですけど。
(年中というには歴史が浅いですけど)
原稿描きのモデルならともかく
なんの関係もない原稿修正の時にも
お仕事机のまわりの手のとどくところに
お人形が並んでいるのはなぜかしらん。
お仕事上がりのトーンの整理と一緒に
ドールの身繕いもしているのはどうしてかしらん。
こうやって置いておくと
お人形の鼻の頭がうすらぼんやりと汚れてくるのは
なんでなのかしらん。
(ホコリですわね それは多分)
お仕事明けのお人形の身繕い、というのは
お顔を拭いてあげる事が含まれております。
静電気で乱れてしまう髪の毛のために
静電気防止のスプレーも買いましたわ。
はっ。
それより
自分の身繕いもしないとっ。
鼻の頭が黒いくらいじゃすまないわっっ。
仕事明けの自分の姿は
この世の鏡という鏡を
滅びの山の火口に捨てに行く旅をしたくなるほどよ。
旅の仲間はもちろん
他の仕事明けの漫画家仲間ね。
でも仕事明けの漫画家だけで
この世の中の鏡全部を かつげるかしら。
それに仕事中でも 仕事明けでも
きちんと身繕いしているような
漫画家の風上にもおけないようなお人は
仲間からはずさなきゃいけないし。
…………
なんかちょっと あたくし
壊れてるっぽいかしら?
はっ。
そうよそうよ。
ロードオブザリングも早く見たいのよ。
とりあえず
壊れた頭を修復するためにも
寝た方がいいかもしれないわね。
もし 明日早起きできたら
行っちゃうかもしれないわ。
指輪を捨てに旅する仲間達を見に。
2003年02月24日(月) |
明日は腰が痛いかも? |
今日は……と言っても
日記を書く時間が0時を越えちゃってるので
ほんとは昨日なんだけど、
久しぶりにライブに行って来ました。
EPICレコードの25周年記念ライブ。
80年代に活躍したアーティストが大集合と言う
豪華なライブでしたの。
あたくしと友人のお目当ては
バービーボ−イズ。
出演アーティストは
大江千里・大沢誉志幸・小比類巻かほる・佐野元春
鈴木聖美・鈴木雅之・TM NETWORK・THE MODS
渡辺美里 ・佐野元春
それに後から
我がバービーボ−イズの出演が決まったわけなので
チケット取るのが大変でした。
あたくしが朝の10時から電話をかけまくり
友人がチケットぴあに直接並び……
そんな事はまあいいわ。
とにかく現場に行けたのだから。
(ちなみに手柄は友人の方)
でもほんとに
「現場に行けた」だけが取り柄だったわ。
あの広い代々木体育館のステージから
一番遠い北2階席のはじっこ。
舞台のアーティスト達は
消しゴミのカスに手足が生えたくらいの大きさ。
それにこれだけアーティストがいると
ファンが分散いたします。
アリーナ席の方々はもちろん
最初からオールスタンディングでしたけど
北の端の辺境の地では
立つのもなにやら気恥ずかしく
皆様、座っておとなしく鑑賞しておりました。
が、
やっぱりお目当てのアーティストが舞台に上がると
まるで点呼でもしてるかのように
ぽこん ぽこん と立ち上がるのです。
その方のファンが。
この北の辺境でも。
するってぇとね、
「バービーが出て来た時、
あたくしは立ち上がるべきかどうか」
という大問題もまた 立ち上がって来ちゃうのよ。
小声で同行のMゆみちゃんに
「……立つ?」と聞いたら
「皆が立ったらね」とお返事。
気恥ずかしいのもあるけれど
皆が座っていらっしゃる中でぽつんと立ち上がったら
後ろの方に御迷惑、という心遣いでございますのよ。
なにしろ 人の頭ひとつで
舞台が丸ごと見えなくなってしまう遠さですからね。
でも
でもよ。
バービーのファンが少ないと思われたらいやじゃないの
というのがファン心理というものよ。
思い悩んでいるうちにバービーが舞台に……
迷惑だったら座れば良いわ、
とにかくファンの点呼なんだから立つわ!
とばかりに立ち上がったところ、
なんと
ほとんどの方が立ち上がったではありませんか!
この北の辺境でも!!
立つ人が多くて
ファンであろうとなかろうと
立たなきゃ舞台が見えなかったのも確かですけど。
嬉しい。
という正直なファン心理。
広い体育館の中で
寒がりのあたくしはコートを着たままでしたが
さすがにこの時はコートを脱ぎ捨てて
汗をかかせていただきましたわ。
そういえば
始めてのバービーのライブの時。
暑いかも知れないとミニスカートだったんですけど
ライブが終わった時には
その厚手のミニスカートが
自分の汗と他人の汗とでびしょびしょ。
会場を出て絞ってみたら
じゃばじゃばと音を立てて
水分が落ちて行きましたっけ。
着替えはなかったから そのまま帰ったけどん。
なんてことも思い出しながら
ほんとは3曲で終わる所、
アンコールに答えて4曲歌って下さって
満ち足りた気分で帰りました。
もちろん他のアーティストも
充分に楽しませて頂きました。
古いアーティストの復活ライブが
このところ流行りのようですわね。
あたくしは基本的に
昔を懐かしむ趣味はないのですの。
現在の事で精一杯で充分楽しんでおりますから。
でもやっぱり
当時 大好きだった人たちの
『今』を見たい。
あたくしが時を過ごして来たように
その人たちも時を過ごして来て
今 どういうふうに充実しているかを見たいわ。
どのアーティスト達も
ああ、音楽が大好きなのね、と思わせてくれる
トークや音。
「好き」のエネルギーが一杯のライブでしたわ。
ほんとはワンフェスも行きたかったのだけれど
バービーのライブは
この先 ないかもしれませんから
最優先 ということで。
たいへん満足いたしましたので
また明日から
あたくしの「好き」のエネルギーを
コミックスの手直しにぶつけたいと思います。
ええ、思う存分。
(決して 仕事をさぼってライブに行った
言い訳ではありません)