白い原稿用紙

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2003年07月08日(火) 世にも情けないお願い

星の館 最終巻コミックス「奴隷達の条件」
9月20日発行予定に決定だそうです。

細かい事を決めなければいけないのだけれど
今、スケジュールが狂ってパニック状態なのん。
頭が変化についていけない〜〜。

というわけで
今 頭が弱いので、(いつもですけど)
「足が三本ついている」とか「手が左右反対」とか
そのテの御助言、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
コミックス用の描き直し締め切りは
8月20日頃までですのよ。

……なんて情けないお願いかしら おほほ。

昨日の日記以降の御指摘を受けて
気をつけて見てみたら
あるわあるわ。ざらざらと(TT)

どうも うつぶせになった時
足の親指を外側に描いてしまうらしいとか
後ろ手になった時
手の左右が混乱するとか
ある程度の法則がわかったので
自分でも注意して直す所存でございますが。

それにしても 別紙にデッサン何度もとって
さらにそれをトレースして
ペンを入れるまで
何度その絵を描き直し、
見ているかわからないくらいなのに
それでも間違いに気が付かないあたくしって
どうなのかしら。
人として。
(絵描きとしてはとっくに終わってる気が)

ちなみにラフ画の段階で
ばっちり間違いまくっているので
デッサン集「最終出口」も
とっても愉快な事になっておりますわ。とほほ。

---漫画を読んでいる間は
その後ろに作者の影など感じずに
物語にひたって欲しい---

というあたくしの願いもむなしく
これほどまでに
作者のトンマさ具合を前面に押し出してしまっては
100年の恋もさめそうね〜 とほほほほほ。

長く漫画を描き続けていながら
こんなスットコドッコイな法則に
やっと気がつくなんて
人生はあなどれないわね。
いつになっても とっても新鮮。

でもちょっと いやんな新鮮。


2003年07月07日(月) 告白。

ネットの情報に激しく遅れをとる事 一ヶ月。

ようやくラフ画プレゼントのお知らせペーパーを
制作 発送いたしました。

……ネット環境にない方の為のものなので
ここで報告してもなんの意味もないのよね。
おばかちゃんだわ。あたくし。

思えば「やりますよ〜」と
予告を打ったのが2年ほど前でしょうか。
いまさらペーパーが来ても
なんのことやらわからなくなるくらい
遠い昔の事かも。
きっと何通かはお引っ越しとかで
戻って来てしまうに違いないわ。とほほ。

コピー機も只今故障中なので
だんなが持ってる予備の小さなコピー機で
一枚一枚手指し。
なんだか……
とっても懐かしいわ、この作業。
遠い昔 若かりし頃の同人活動を
しみじみと思い出しましたわ。

最近までやっていた時のは
ペーパーも印刷所にお願いして
一気に千枚とか 随分 ラクしていたわ。

手作り感覚の じみ〜な同人活動が
またいつか できる時が来るかしら。

とりあえず、
仕事がひと段楽したら、
このところの原稿流出事件がいいきっかけなので
過去の仕事の洗い出しをしたいと思っていますのよ。

洗い出し、とか言わなきゃならないくらい
大変そうな作業です。

なにしろ 却って来ていない原稿はあるわ、
載った雑誌は捨てちゃっているわ、
(全部とっておいたら
押し入れがいくつあっても足りないのよ)
どこの出版社のどんな雑誌の
何月号に載ったかなんて
アリバイ証明が難しすぎるわ……。

投稿時代から、
デビューしてしばらくの間は
1作 上がるたびに
全部 記録をとっていたものだけど
忙しくなると
そんなメモさえ取る手間が惜しい時があるのよ。
終わった後はシカバネ同然。

気が遠くなりそうな作業だけど
いい具合に引っ越しの予定もあるし、
整理がてら押し入れをひっかきまわして
原稿の虫干しなどいたしちゃおうかしら。

始める頃には秋になっていそうな気もするけど。


ところで。
今日来たお問い合わせのお手紙のひとつに
恐ろしい事実が書かれていたのよ。
恐ろしがるのはあたくしだけだけど。

「漫画の中の一成に指が6本あります」

いやああああああ〜〜〜〜〜〜〜。
恐ろしいっっ。

思えば以前、
一枚イラストで
両方とも右手を描いちゃったこともあったわ。
後ろに手をひねっていたんだけど
良く見たら親指が逆に付いていたという……。

あたくし的には
こういう世にも恥ずかしい事実は
さっさと公表して
一緒に笑い飛ばして頂く事で昇華させていますのよ。
ひとりで抱え込むと、夜、お布団に入るたび
恥ずかしさのあまり
枕につっぷしてわめく事になりますから。

問題のシーン。
気が付いた方もいらっしゃるでしょうが、
サディステックボーイ一巻、
115ページの最後のコマ。

指摘して下さった読者ちゃんの
「こういうシーンだけに情けない」
というキャプションの通り、
真底情けないシーンでの間違いですのよ、おほほ。

あああ〜
でも覚えているのよ、このシーン。
言い訳を許してもらえるなら言わせて。

はじめはちゃんと5本だったはずなのよ。
でも仕上げの時
人さし指が伸びているのを忘れて 見落とし、
「大変!指が4本しかないわっ」
とばかりに
小指側に1本描き足したのよ。
小指だけに爪を描き忘れているのがその証拠。

……
なんだか 言い訳にも証拠にも
なっていないような気がするわね。

…………まあいいわ。

さ。
公表したから さっぱりしたわ。
禊はすんだ って感じかしら。
でも今後、
読者ちゃんがコミックスを読み返してくれるたび、
このシーンで情けない思いをするかと思うと……。

ごめん遊ばせ〜〜〜〜〜〜〜。


2003年06月28日(土) 消えた掲示板

お知らせした
生原稿店頭販売の報告BBSですけれど
報告ログが ごっそり消えているようです。
どういう事故なのかわかりません。

漫画家の方々も
あちらこちらで動いていますが
動いているのは漫画家側だけでは
ないのかもしれませんね。

ネット上で
あまり手の内を明かしてしまう情報を流すのは
得策ではないかもしれませんし、
下手をすると
弁護士さんや、捜査して下さっている方の足を
引っ張ってしまう事にもなるかもしれません。

漫画家側の動きが
あちら(どちらかわかりませんが)の筒抜け
という状態を
少し心配しております。

私は部外者なので
ほとんど情報らしい情報は持っていないのですけれど
気を付けて
口を慎もうと思っております。

解決の糸口は
どこに逃げてしまったんでしょう〜?


2003年06月26日(木) 善意と好意の掲示板

おそらく
すごい勢いで漫画家同士の連絡網が飛び交っているわ。

漫画家には
ごく一部に共同体が存在するけれど
労働組合のようなものはないし
事実上 作るのは不可能に近いのですのよ。
フリーの世界は漫画家に限らずそうではないかしら。

それでも知り合いや友だち
今 皆がなんとか連絡を取ろうとしています。
被害者の人たちに。

井出先生の掲示板に
(ほんとの意味での)善意の方々が作って下さった
掲示板の報告がありました。
今現在 店頭に出ている生原稿の情報です。

http://www.e-pala.com/bbs2/mkkao/mkkao.cgi?mandara
漫画家のみなさ〜ん。
この好意に甘えて気を付けてチェックをいたしましょう。

キャリアの長い漫画家ほど
過去の原稿は山のようにあるので
それをチェックするのは簡単じゃありませんのよ。
いろんな所で描いている
フリーの漫画家も簡単じゃないの。
返してもらってない原稿が
あちこちに散らばってるから。

「長期戦になりそうだね」
と言うささやきが聞こえます。

実はこの長期戦というのに
漫画家はとても弱いものなのよ。

一旦 仕事の修羅場に入ったら
他の事はいっさいぶっとんでしまうからです。
実際
睡眠 食事は言うにおよばず、
トイレに行く暇すらなくて
膀胱炎が蔓延してしまうような業種なのですもの。

同じ理由で
「急を要する戦い」にも弱いんですの。
仕事中に「昔の原稿をチェックしろ」と言われても
トイレに行く暇すら以下同文。

昔の原稿がどんなに大切でも
今生まれようとしている子を放り出すのは無理です。

こうして解決の時期を逃してしまったトラブルが
きっと今までたくさんあったと思うわ。

現に今回の被害者漫画家さんの中でも
今現在、トイレに行く暇がなくて
まったく動けない人がいるのです。

もうトイレの話はいいかしら。

あたくしも
ネームを仕上げなければいけません。
このネームと言うのもまた動いてはいけない時期。
外界を一切シャットアウトして
妄想の世界にどっぷりダイビングするように
自分を追い詰めなければいけないので。

つくづく
動きが鈍くなる業種です。

こういう時
上に貼った掲示板のような
読者さんたちの好意をいただける事は
本当に嬉しい事です。
その気持ちだけでも頑張れる漫画家が
たくさんいると思います。

ありがとうございます!


2003年06月25日(水) 不思議の専門店

渡辺やよい先生のサイトの日記にて
すでに売られてしまった生原稿のリストが
発表されています。
「日々是無事」です。
http://www02.so-net.ne.jp/~yayoi/

このリストを見ただけでも
これだけの原稿が持ち込まれて
不審に思わない『専門店』があるのですね。
たくさんの漫画家の原稿
それがひとつの出版社のもの。
それでもおかしいともおもわない『専門店』
知らなかったと言張れる
「善意の第三者」である『専門店』

大島やすいち先生の奥様のサイトの日記「ひとり言」でも
詳しい経緯が書かれています。
なくなった原稿が売られていたかどうかがわからないため
一段と動きがとれなくなっているそうです。
なにか情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら
メールなどで教えてあげて下さい。
http://www.k-reiko.jp/

漫画関係でない多くの方に
生原稿が漫画家にとってどういうものか
説明するのは ほんとうに難しいですのよ。
確かに よく子供に例えますが、誤解も呼びやすいです。
なんなくわかって下さる方もいらっしゃいますが
どうしてもピンとこない方も。

多くの人がわかりやすいのは
ひとつは
「原稿がある限り、いつかまた本になって
その原稿が利益を生む可能性がある」財産としての理解。
もうひとつは
「日本が世界に誇れる文化のひとつ」という
文化的価値としての理解。

世の中が認める名作であれば
上の二つでわかりやすいと思いますが、
はずれてしまったら?

どこの誰も認めない作品の生原稿には
価値がないと言われて終わっちゃうのかしら?

今回に限らず、
名のある漫画家も 名もない漫画家も
実は同じ思いで
原稿が帰ってくるように願っているんだと思います。

たとえば
なくなったお母さんが大事にしていた
形見の品。
ある人の形見は安物のブローチで
ある人の形見は高価なダイヤのブローチ。
確かに金銭的価値は違います。

けれど 
どちらの人にとっても
この世でただひとつの
かけがえのない物であるという思いは
同じものだと思うの。

ダイヤの形見ブローチを持っている人も
それが「ダイヤ」だから大事なのではないのです。

その人にとって
お金ではかれない価値があるもの、
というのが この世にはありますわよね。

今回
まんだらけの社長が目安箱でおっしゃっていた
「松本零士先生方式」というのがなんなのか
気になっていましたが
ひとつ これかしらと思う情報がありました。
http://www.ag.wakwak.com/~lay/aniota/

松本零士先生は ご自分でオークションに出向き
ご自分の原稿を落札されたり
落札者と直接交渉なさったりしたそうです。

それが 日本の漫画文化を担っている
「漫画専門古書店」のおやじ……じゃなくて、
あるじが
「漫画家の皆さんは感情的になっているから
受け入れられないでしょうね」とおっしゃる
『一番良い方法』なのでしょうか。

感情的じゃない人まで
感情的になっちゃいそうな気がするのは
あたくしの気のせいでしょうか?

もしそれがダイヤのブローチなら
売り値も高価になるでしょう。
その高額の品物を落とすだけの財力がないなら
諦めろ、と。
安物だったとしても
その値段すら払えないような身分だったら
それも諦めろ、と。

「作者本人が返して欲しいと言ったものは
お返ししています」とおっしゃっていましたが
売り値で買ってもらう事を 返す とは
普通言いません、社長。
それは 売る と言うのよ。
もし 買い取りした値段を作者に払ってもらうのなら
まだ「返した」という言葉は使えます。

あたくしは 今
かけがえのない形見を取られてしまった立場の
漫画家としての気持ち と
今回の被害にあわれた先生方のファンとして
その作品群をもう見られないのかと言うくやしさ と
ふたつの理由でアタマに来ているので
とっても疲れます。

御本人たちの疲労もいかばかりかと思います。



2003年06月23日(月) 事実はいくつ

何かトラブルがあって
当事者達の言い分がすれ違う時
ほんとに 真実を知るのは難しいものなのね、
といつも痛感いたしますわね。

まんだらけの社長さんが
コメントを更新なさいました。
http://www.mandarake.co.jp/boss/
目安箱です。

ある大きな漫画家さんの団体と
その会員さんの生原稿が持ち込まれた時は
連絡するというお約束を取り交わしたとのことですが。

その事は聞き及んでおりました。
そして、一度も連絡はなかったということが
今回の被害者大島やすいち先生の奥様
川島れいこ先生の公式サイトの日記にて
書かれております。
あたくしが聞いたのも「連絡は一度もなかった」
というものでした。
でもそれは伝聞で、
部外者のあたくしに真偽はわかりません。

連絡がちゃんと行き届いていなかったのでしょうか?

たったふたりの人間でさえ
争う時にはそれぞれの事実があります。
人間と言うモノは不思議なモノですわねえ。
同じ言葉を聞いても 受け取り方が違うのですから。
どちらも嘘をついていなくても
事実が2つあるのです。
あらん 不思議。

でも社長!(いやん、どっかの国のポン引きみたい)
ひとつだけつっこませて下さい。

何度もしつこく返して下さいと編集部にお願いしても
返してもらえなかった漫画家さん達、
まだ再録したいから、もう少し預からせて下さいと
仕事上の事として懇願され、信じた漫画家さん達も
ひっくるめて
「漫画家の怠慢」

大きな漫画家団体と約束をかわし、
たった一度、連絡がうまくいかなかったため
その約束をお流れにしてしまった社長は
怠慢ではないのですね?


まんだらけに商品を持ち込まれるお客さまのほとんどが
善意のお客さまです、
そのお客さまに迷惑をかけたくありませんとおっしゃる
社長のお気持ち、よくわかります。

原稿を返してくれと言っも
「もう少し預からせて下さい」とおっしゃる
出版社のほとんどが善意の出版社です。
その出版社に喧嘩を売りたくない
漫画家の気持ちは察しては頂けませぬか。

あたくしは端くれとは言え漫画家なので
つい漫画家の立場からモノを言ってしまいます。

物事を公平に見るのは
ほんとうに並みの人間には難しい事ですわよね。

けれどたとえば
泥棒に入られて
「カギをかけなかったやつが悪い」
と言うのは
泥棒に入られた被害者が反省を込めて
自分を納得させるために使う言葉であって
加害者や第三者がそれを言うのは筋が違います。
悪いのは泥棒です。

以前、あたくしが友人と暮らしていた時
お風呂へ行って、家に帰って来たら
知らない酔っ払いがこたつでくつろいでいました。
いつでも友人やそのまた友だちが出入りしていた
その頃
あたくしはうっかり顔を忘れてしまった知り合いかと
お名前を聞いたけれど
(そうとう間抜けな話だとその時も今も思います)
わけのわからない事を叫んでいるだけなので
交番に走って おまわりさんにお願いしました。
すぐに飛んで来て連行して下さいましたが
その時、
「私がカギをかけていなかったのが悪いんです、
ごめんなさい」とあやまりました。
おまわりさんは
「カギをかけていたかいなかったかは問題じゃない
人に家に勝手に上がり込むのが悪いんだよ」
とおっしゃって下さいました。
これからはかけたほうがいいけど、
悪い事をしたのは あなたじゃない、
間違えないで と何度も。
ちなみにその酔っ払いはどこかのお家と間違えたようで
「訴えないであげてくれないかな」という
優しいおまわりさんの言葉に従って
厳重注意で帰って頂きました。

自業自得という意見もございましょうが
その言葉は
最初に悪い事をした人間が
ひどいめにあう時に使う言葉で
ちょっとマヌケな人にぶつけるには
語彙がきつすぎます。
確かにあたくしはぶつけられてもいたしかたないほど
間が抜けているとは思いますけど。

一方的に
ものすごくひどい事をして来た人と
和解しようとした時
「水に流しましょう」と
そのイカレポンチがおっしゃったら
殴り倒したくなるのを
思いとどまれるかどうか自信がありません。

あらん。
なんだか問題がだんだんずれていくかしら。


ところで今回の件
編集さん方の間にも
静かに波紋を投げかけているようです。

原稿返却の件で電話をした編集部の方に
「生原稿は本来漫画家のものなんだから
コミックスになったらすぐ返してもらうようにしなさい」
と優しく説教されちゃった漫画家がおります。

うちのだんなですけど。

小さな事からこつこつと。
あたくしも未返却の原稿を追い掛けようと思います。
ある程度の立場と度胸のある漫画家なら
今がチャンスだと思います。
こういう事件があったから、と説明して
理解して下さる編集さんになら 言えます。

あたくしは立場はないけど度胸だけでやってきました。
こういう話題をいつまでもサイトに書く漫画家として
うるさい奴と敬遠される覚悟も
決めた上で書いています。
たいした立場がないからできる事でもあります(^^;)

何かが出来そうな漫画家が
できる事をやっていく、
ということで
何も言えない漫画家さんを
これから守れる事になるかもしれません。

なるといいな。


2003年06月22日(日) ヲタク心につけこまないで

まずお詫びを。

このサイトは
見ての通りのおきら〜〜くな遊び場で
世の中どんなにせちがらくても
ここにいらして下さった時は
のんびりなごんで頂きたいと思っていたのに
なごめない話題が続いてしまう事に。

ごめんなさいまし。

これは
読者の皆様へのSOSです。
業界や法律のいろいろな事情はあっても
一番強いのは
漫画を愛して、買って読んで下さる
読者ちゃん達の力だとあたくしは考えています。

とりあえず今 たったひとつ、

「漫画の生原稿の所有権は漫画家のもの」

という認識を
皆様に常識的に知って頂く事が出来たら 
と思います。
読者の為に書く色紙やサインは
もちろん
正当にそれを手にしたその方のものですが。

今 問題になっている
古書店「まんだらけ」の社長さんが
今回の問題に 公式にコメントを出されました。
http://www.mandarake.co.jp/boss/

このページの目安箱です
社長さんとしても
出向いていらした弁護士さんの態度に
同じ人間同士として
お腹立ちの部分もおありでしょうが
すっきりと受け入れられない主張が
あちらこちらにあります。

かいつまんで気になった箇所を要約すると
「原稿の流出は漫画家の怠慢」
「そんなに大事な原稿ならなぜ出版社に預けたままなのか
信頼して預けたと言うのなら どうされても文句は言えない」

文句ぐらい言わせて下さい。

「作家さんが直接言ってくれればお返しするし
今までもそうして来ました」
との事です。

そうはおっしゃっていますが
あたくしは渡辺やよいさんの日記で
直接言って どのような対応をされたかを
読んでおります。
大家の弘兼憲史先生が弁護士を差し向けると
そのおっしゃりようですか
とつっこみました。
モニタに向かってつっこんでも
しょうがないんですけれど(TT)

「漫画家は 先生、先生と呼ばれ続けて
感覚がどうにかなってしまっている」
とおっしゃいますが。

今回の件でいろいろ情報を聞きましたが
こういう生原稿の所有権をはっきりさせようと
動いた方達はいらっしゃるのです。
でもどれも壁にぶちあたってしまったのは
やはりいろいろな事情。
立場的に意見を言える大家であれば
忙しさのあまり 話がこじれると仕事に差し障り
長くかかわっていられなくなります。

意見を言えるほどの強い立場でない作家なら
仕事づきあいを切られて終わりです。

出版社も それでなくても忙しいのです。
今までの慣例以上の手間のかかる事を
わざわざやりたいと思わないでしょう。
その事情もわかるから
漫画家の方が身を引いて来た事情もあるのです。
まんだらけ社長のおっしゃるように
感覚がどうかしてしまったわけではないと思います。

そういう編集部と漫画家との
信頼関係でなりたってきた部分を
この事件はたたき壊したのです。
正式に文書にしないのが悪いというむきもございましょうし
できればそれが一番なのですが
どんな仕事にも たとえ契約書になくても
仕事上の信頼関係というものはあると思います。

漫画家 という仕事は
基本が一匹狼的です。
群れてもうまく行かないと言う言い伝えもあります。
立場に不満があるのなら
文句が言えるくらい売れればいい。
それが掟。
それぞれが自分の立場を自分で守るしかないのです。
その厳しい掟を胸に
どの漫画家も頑張っているのです。

でも最低限
漫画家の上下関係なく
漫画原稿がその漫画家のものであるという事ぐらい
認められてもバチはあたらないかと思います。
現に大半の常識的な編集さんは
そのことを御存じでそれなりの対応をして下さるのです。

ひとにぎりの困ったちゃんのために
たくさんのマトモな人たちが困ってしまうのです。
漫画家だけでありません。
たくさんの良識的な編集さんも困るのです。


友人の漫画家と
この件について一緒に怒っていた時。
「でもでも 宮崎駿さんの原画が目の前で売っていたら
きっと買っちゃう!」
と友人(^^;)
「そんでもって御本人にタダで返して
ハクの色紙を描いてもらうのっ」
コラコラ ヲイヲイ。
ああ、でも その案 素敵
と思ってしまったあたくしもリッパなオタク。

スタジオジブリでも
宮崎さんの原画が盗まれ、
『某古本マンガ専門店』で売られていたという事実が 
ジブリ公式サイトの日記に書かれています。
抗議しても「持ち込んだ人の情報がなくなった」と言う事で
うやむやにされたとお怒りでした。
原画の行方はいまだにわからないそうです。

友人はまた怒る。
「ひどいっ!
皆 盗みに入りたいのを我慢してるのにっっ!」
友よ。
そんなに我慢してたのね。
エラいわ。そのまま自制心を保ってね。

いえ でも 盗みは論外として
目の前で大好きな作家さんの原稿が売っていたら
あたくしだって我慢できるかしら。

オタク心につけ込まないで下さい。
誘惑に負けたオタクがいるために
オタク全部が悪く思われたらたまりません。

実際
冗談でも言わないとやってられないくらい
頭に血が登っちゃったりするのですのよ、
この事件。



オタク文化を担って来たリーダーとしての誇りをお持ちだと
公式サイトの文章「まんだらけ魂」から感じられます。
さすが まんだらけだ と思える
模範となる態度を見たいのです。


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