
白く透き通った細い腕
膝の骨の形がわかる足
憂いを帯びた表情
そういうのが
ときどき欲しくなる
苦しいとき、それが外に表れないのは幸せだ
でもときには
表れて欲しいような気もする
青い空を見てると
心臓がはじけそうになる

人が多くても、少なくても、
高いビルの谷間でも、平原の中でも、
昼でも夜でも、
沢山の灯りが見えるときでも、
真っ暗闇の中でも、
なにも考えず
流れ行く風景を見ながら
ぼんやりしていると
やっぱりかなしくなってしまう
いつか穏やかに眠れればいいね

生物の先生は、まるで恋人のことを語るように
蜂とか蜘蛛とかのことを
詳細に、いとしげに、何時間も語れるのでした。
わたしが情熱を持って何時間も語れることって、
何かな。
やりたいこと、やらなきゃいけないことが増えすぎると
いつも何も考えられなくなってしまう。
ハングアップしたコンピュータみたいに。
だから、
今週はたくさん自分のために時間を取ってあげよう。
出張先ではおいしいものを食べに行こう。
できたら服とか靴を買いに行こう。
雑誌を見ながら、行きたいところを探そう。
夜寝る前は、腹筋をして夏に備えよう。
したら、ちゃんと仕事も進んで、
大丈夫って思えるはず。

電気を消してしまうと、冷たい横穴はまるで霊廟のようであった。
この孤独な気分。
遠く遠く続いていく穴の奥は懐中電灯の光も通らぬ漆黒で、
それが奇妙にやさしく見えて、くらくらした。
予感も、名残もなく、
ただおそろしいぐらいに、一人だった。
自分の仕事と、みんなでする仕事と、
プライベートの時間のバランスって難しい。
いつかあふれ出してしまいそう。
傷などほうっておけばいい。
もっと強い腕になればいい。

研究室の教授の誕生日だったので、
今日はお祝いパーティーでした。
プレゼントを渡したり、
ケーキを用意したり、
照れさせたりって、
好き。
だけど大切なひとであればあるほど
何をあげたらいいのかわからなくて混乱してしまう。

誰の引力も受けず
疾走して世界の果てまで行きたい
いつだって自分の鼓動で加速する
これだけ速ければばかなことも考えない
飛び去る白線を見ていれば
おだやかな気持ちになるでしょう?

どこか遠くに行きたい、と
そればかり口癖で
どこにでも行けばいいのに
動けないのね