たしかに季節は夏になって、
わたしは毎日陶酔したようにぼうっとしながら
夏だ、夏だ、と
何度も確認するように心の中でつぶやいている
はげしい光の中で消えてしまいそうだ
こんなことを高校生の頃も思っていた
同じことをいまも思っているのに
鏡を見ると
おとなっぽくなった自分がいて
すこしさみしい
7月末。
小学校でも
中学校でも
高校でも
大学学部生のときでも
いつでもこの時期は期末試験の季節だった。
今年もまた
7月は試験勉強。
遠くで蝉の声。
クーラーの音が響いている。
夕方になってもまだ
鴨川には素足を水に浸して涼をとる人が大勢いた。
そんな夏の夕暮。
旅に出たくて
遠くに行きたくて
今日も夢を見ている。
ノック、ノック
言葉がうまく出てこないから
そっと叩くよ
後輩たちがもうすぐ入試なので
その面接練習や願書を見たりしている。
後輩ってなんてかわいいんだろう、
でもなんて賢いんだろう。
わたしもしっかりしよう。
暑い中をふらふら歩いたせいか
完全に夏ばてになってしまって
朝から眠たい、だるい、眠たい、眠たい…。
それでもクーラーのきいた部屋で日がなうつらうつらとしながら
外のハレーションをおこす様子を眺めていると
なんだか自然に口元がうっすらと笑んでしまう。
じりじりと熱が肌にはいりこんできて
少し歩いただけで眩暈がした。
コントラストの激しい風景
人も少ない午後
ペットボトルの水滴
クーラーの音
青空
夏はいつも切ない