硬い何かに手が触れて
よくみればそれはわたしの骨だった
とってもうれしいことがあったはずなのに
風邪で朦朧としていたので
なんだか記憶がきらきらといい色に光っているのが見えるだけで
よく思い出せない
だけどたしかに幸せな何かが
あったような
守りたい人がいて
強くなりたくて
そして優しくなりたくて
白亜の壁に光が反射して
ハレーションの午後
貝殻のこすれるカラカラという音がしたような気がした
ここではないどこかで
休暇がほしいけれど
ほっとけないものが沢山あるから
そしてそれらが大切だから
ここにいるよ
明日は晴れるかな
晴れたら笑ってね
喋り続けるその子の目を見つめて
しーっ、と指を立てた。
喋り続けていると魔法が解けてしまうから
口を閉じたほうがいいよ。
うす青い光の部屋だった。
明け方、そんな夢を見た。
夕日に照らされて腕がつやつやと光っていた。
明日試験が終わったら、夏休み。
好きに毎日研究をして過ごしていいなんて
なんて幸せなんだろう。