いっこぐらい自分に買えばよかった,と言いつつ
あげたそばから開けてもらって味見をするのでした
目を閉じないと
しんでしまうよ
どこを見ているの
ねえ
白い部屋に
朝日が差し込んできて
ひっそりとわたしは目覚める
そっと紅茶を淹れる
時間をかけて体をほぐして
出かける支度をする
今日も街は寒いのかな
冬はいつか終わるのかな
それは突然やってくる
歩いているとき
紅茶を飲んでいるとき
勉強をしているとき
ふいに言葉を思い出す
ことだまというけれど
悪気ない本音が
いつまでも棘のように
胸の奥をひっかく
息苦しいほどの淋しさで
わたしは動けなくなる
夢に見たくない
目覚めるときはいつも
笑って
いたい
ああ
体の中に
風が吹いているよ
ずっと
一つ仕事が終わって
少しほっとした
明日からはまた別の仕事
昼も夜も部屋のなかにずっといるので
時々冬であることを忘れてしまう
夜、部屋に帰ると
南の国からもってかえってきた
海のにおいがするよ
ぎゅっとなる