活字中毒のワタシの日記

2005年08月12日(金) 高野和明『13階段』講談社★★★★☆

13階段
13階段
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高野 和明
講談社 (2004/08)
売り上げランキング: 14,553
おすすめ度の平均: 4.54
4 「うまくできた」作品
4 興奮正統派
4 幾数十人目かの問題意識先行型


出版社/著者からの内容紹介
宮部みゆき氏絶賛!!!
手強い商売仇を送り出してしまったものです。(本書解説より)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

…というわけで、読んでみました。
おもしろかったです。夢中で読みました。
二日かかりましたが、案の定夢で続きを見ました。(バイクででかけようとしてるのにヘルメットがな〜い、とおたおたするというのどかな?夢)

著者の言葉として、「少しでも楽しんでいただければ」とありますが、めっちゃ楽しませていただきました。
予測はことごとくはずされたし。(いつものことですが)

裁判の経過や刑までの手続きなどややこしい描写もあるのに、絵としてすんなり浮かぶし、登場人物にも厚み深みが感じられて感情移入できる。
横山秀夫さんとはずいぶんな違いです。(すみませんこの方のはちと苦手で)

傷害致死で服役した三上の背負うことになる、家族までも苦しめる現実。
刑務官として死刑囚の処刑に立ち会い、「殺人をおかした」と思い詰める南郷。
「正義が見たい」とできるかぎりの協力をする、まさにその死刑判決を書いた検察官。

そして、殺意を抱くある者。
逃げ仰せると思う者。
心がすでに死んでいる者。

勝手な読者の思い込みをこれでもかと覆してくれるストーリーの面白さ。
救いがあるようなないような。
著者の視点に感じる人間へのあたたかさ。
読み終えた時、あのヒトへの減刑嘆願書に署名したいと思いました。

この人の他の著書も、そして他の江戸川乱歩賞も読んでみたい!と思いました。
さっそく予約だわ。




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2005年08月10日(水) 多島 斗志之『クリスマス黙示録』★★★☆☆

クリスマス黙示録
クリスマス黙示録
多島 斗志之
新潮社 (1996/10)

内容(「BOOK」データベースより)
「パール・ハーバー」の記憶をいやでも呼び覚まされる12月のワシントンDC。
はじまりは、ある不幸な交通事故だった―。被害者の母である現職警察官は、加害者の日本人留学生カオリ・オザキへの復讐を誓い、姿を消す。
そして、日系FBI特別捜査官タミ・スギムラら警察当局と暗殺者との一大攻防戦の幕が切って落とされた!日米両国の狭間で翻弄される三人の女性の運命は。

ホラーです。
ミステリーでもあるのかな?あ、サスペンスか。
ドキドキしながら最後まで読み進めました。
最初、慣れるまでがちと読みにくかったですがストーリーの面白さでぐいぐいとひきこまれました。

イエロー・キャブと言われてもしかたないお気楽ブランド日本人留学生カオリ。
からかわれ逃げようとしてひき殺してしまった青年の母は、現職の警察官だった。
カオリの父は有力者。そのため国外脱出のために安全を期して護衛についたのが日系FBI捜査官のタミ。
この3人に、反日感情を抱いたアメリカ人、表と裏の顔を使い分ける上司、自分の頭で考え真実に迫っていく捜査官。
浅はかな私は筆者の用意した落とし穴に何度もひっかかりました。

でも、最後の方、自爆は怪しいと思ったよ。
その根拠が「ページ数がまだ余ってる」というのが情けないけど。

この夏、暑さを忘れるにはおすすめの一冊です。

クリスマス黙示録



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2005年08月08日(月) 蓮池 透『奪還 第二章』★★★★☆

奪還 第二章
奪還 第二章
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蓮池 透
新潮社 (2005/02/19)
売り上げランキング: 64,624
おすすめ度の平均: 4
4 著者は常に「防波堤」となって
4 拉致被害者の新たな苦悩


奪還―引き裂かれた二十四年』に続く闘いの記録です。

「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」事務局長としての苦悩、拉致被害者の家族(も被害者だが)としての苦悩、一社会人として、家族の一員として、彼が背負うことになった荷はあまりにも重い。

まだ残された人がいるということもあり、北朝鮮を刺激する真実を吐き出せない被害者。
やっと暮らせるささやかな毎日に「税金使って」と水をさす心ない人々。
それゆえに小さく、静かに、沈黙するかのように暮らさざるを得ない被害者。

こんなおかしなことがあっていいはずがない。

多様な立場の人が集まった家族会。
そこにもきしみが生じている。
まだ帰ってこない家族を待つ人、拉致被害認定も受けていない人、死亡と通告されてしまった人(私はあの情報はウソだと思っていますが)にとっては、蓮池さんは「一抜け」した人に見えてしまうのも無理はないでしょう。
そしてそれはある意味事実だし、喜びでもある。(現状復帰は当たり前で喜びとかいう問題じゃないという考えもあるのですが)
でも、拉致問題はまだ全然解決していない。
解決の目処もたっていない。
そこで蓮池さん自身もつらい思いをしている。

政治の空白で解決への時間も空白になってしまうことも許されない。
なのに。
なぜ動かないのか。日本政府は。
なぜ切り捨てて平気なのか。
そしてダニのごとく使える時だけ利用しようとする政治家がいるのか。(選挙の宣伝にしようとまた今度の選挙でも使おうとするのだろうか)

一人でも多く、この悲劇を解決しなくてはと思うことが必要だろう。
はやく、関係者の方々を心身共に自由にしてあげたい。
こんな忌まわしい事件から解放してあげたい。

自分も当事者だったかもしれないのだから。




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