| 2005年09月03日(土) |
久郷 ポンナレット『色のない空―虐殺と差別を超えて』★★★★☆ |
 『色のない空―虐殺と差別を超えて』 久郷 ポンナレット 春秋社 (2001/04)
無知を、恥じた。
手に取り、「色のない空、ってなんだろう?」と思いつつ読み進んだ。 そして私にも見えた(ような気がした)、色のない空。
カンボジアのポル・ポトによる政府に寄る自国民の強制労働、家族の分離、暴力、殺害、偏見、差別を生き抜いて日本に渡った女性の記録。
首都プノンペンで不自由ない豊かな暮らしをしていた10歳の少女が、突然その幸せを奪われた。
知識階級の父を奪われ(おそらく虐殺)、強制移住(といっても住まいもなく)させられ、家族と別れさせられ、いわれない差別を受け、母や妹を失いながらも生き延び、重なった幸運、善意によって「内戦のない」日本にくることができた。
今は夫とやさしいこどもたちと暮らす社会活動も活発な主婦だけれど、日本国籍をとるいきさつ、日本にきてからの外国人差別など、彼女の困難は続いた。
知らなくて、ごめんなさい。と思った。 私が幸せに、能天気にくらしてた少女時代に、こんな暮らしをしていた人がいたなんて。 しかもそれを全然知らなかったなんて。
私も彼女の言う、偏見を持った日本人の一人。 カンボジアといえば、地雷、ポル・ポト、アンコール・ワット。 あまりにも無関心だったことが恥ずかしい。
もう少し知りたい。
私も彼女のようなまっすぐさ、あたたかさ(カンボジア人の国民性だろうか。登場する親類他の人々が日本人の私には信じがたいほど親切だ。一方で虫けら以下に扱ったのも、ポル・ポト時代の事実)をすこしでも身につけたい。 あやかりたい。
久々に著者に手紙を書きたい衝動が起きた一冊だった。 「今は幸せ」とおっしゃる著者だけど、「もっともっと幸せになってください」と伝えたい。
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