| 2005年09月25日(日) |
角田 光代『対岸の彼女』★★★☆☆ |
角田 光代 文藝春秋 (2004/11/09) 売り上げランキング: 1,530
おすすめ度の平均:   よかった!  これぞ女流。 (長文失礼)  お勧めです
この本を読んで、思わずシンクを磨き立てたくなりました。 まぁプロほどの、小夜子さんほどのこだわりは持てないけれど。 おかげできれいになりました。
角田光代さんの本は初めて。 他のも是非読んでみよう!と思いました。
おんなともだち。
私も、いいともだちが欲しいと思う。 いいともだちでありたいと思う。
でも、出会うことも、その友情を大切にし続けることも、けっこう難しい。
あまり理解のない夫と嫌みな姑、自分のように内気で他のこどもとあそべない娘。 (うちの娘と名前も年も一緒なので、妙な感じがしました。まぁうちのは、知らないおじいちゃんにまで抱っこしてとせまっていく対称的な娘ですが) このままじゃよくない、仕事をすればきっと変わる、と職を探し始める小夜子。
採用してくれたのは、旅行会社を経営する葵。 ふたりは同じ大学の出身だった。
掃除のプロとして働き始める小夜子。 働き始めたら何もかもうまく回りだす、なんてことはなく、非協力的な夫への静かな反感が募っていく。
誰とでも明るく打ち解ける葵には、実は新聞沙汰になった、痛ましい過去があった。
いじめ、転校、母の妄想、親友。 親友との夏のアルバイト。帰りたくないと泣く連れに、大人しい、真面目な高校生の葵がとった行動は。
その後の葵の体験が、現在につながっていく。
小夜子の葛藤と、はるか昔の葵と親友ナナコとの日々とが平行して語られていく。
どちらも気になってしかたがない。 どうか、ハッピーエンドに向かって、と願いながら読み進んだ。
小夜子は問う。 なんのために年を重ねるのだろうと。
ご飯を作り、夫と子どもの世話をして、片付け、掃除をして、買い物をして、風呂の用意をして、ご飯を作り、片付け、眠る。 疲れて、眠って、その繰り返しならば、どういう意味があるのだろう。
そして、勇気を出して、ファミリーサポートセンターに申し込み、老夫婦の張り切り様を見て気づくのだ。
「なぜ私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。」(P282)
わかるなぁ、と思った。
主婦してコドモ育てて働きだして、育児ノイローゼにも鬱にも不眠症にもなって、いじめにもあって、一人旅もしできたから、小夜子の気持ち、葵の気持ち、ナナコの気持ち、小夜子の母の気持ちがわかるような気がするのかなぁ。
ラスト、姑と夫にぴしっと言うべきことは言う!という態度をとれるようになった小夜子に乾杯。 全国の「小夜子さん」、がんばろうね。
いつかきっと対岸の彼女に出会えるから。
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