| 2006年02月01日(水) |
メグ ローゾフ『わたしは生きていける』★★★☆☆ |
 『わたしは生きていける』 メグ ローゾフ Meg Rosoff 小原 亜美 理論社 (2005/04)
『世界を涙で包み込んだ愛と癒しの物語』 『ガーディアン賞・プリンツ賞受賞の超話題作!』
過酷そうなタイトルと、例によって大仰な宣伝に興味を抱いて、読んでみました。
泣かせられるもんなら、泣かせてって。
そういえば、最近は泣ける本、というのが人気らしいですね。 みんな泣いてカタルシスとしたい?
ニューヨークで暮らすデイジー。
やせっぽっちで摂食障害と診断され、精神科医の間を転々としてきた。
義母と父、その子どもにはじきとばされるようにして、『ずるがしこい女妖怪の冷酷なきまぐれのために』厄介払いされたデイジーはイギリスの叔母のところへひきとられることになる。
そこで出会った風変わりないとこたち。 彼らとの田舎での暮らしに少しずつ、慣れて閉ざしていた心をひらいていくデイジー。
そして、突然始まった戦争。
何もかも突然。
叔母との別れ。 いとこたちとの別れ。 家との別れ。 昨日まで一緒にいた少年が射殺される。 助けようとした男性も撃たれ、遺骸をひきとることもできない。 報復。 応酬。 逃亡。 飢え。
無力な少女であるかどうかはまったく考慮されない、戦争の現実。
ストーリーの中盤から、ひきつけられるようにして読んだ。 泣きはしなかったけど、心に響いたところがいくつかあった。
「自分でも意外だったけど。 どんな戦争にもひと筋の希望はある。」(p223)
「彼が自分にしたことは見ただろう。まるで苦しみたりないとでもいうみたいに。じゅうぶん罰を受けていないとでもいうみたいに……なにに対する罰だっていうんだ。ぼくが思うに、きっと、行きていることに対してなんだ」(P265)
居場所がなかったデイジーが、最後に見つけた自分が生きていける場所。
どこにでも希望はある。
そんなことをぼんやりと思った。
平和な暮らしができることは、本当に幸せだ。 もっと感謝しなきゃね。
『わたしは生きていける』
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