| 2006年02月15日(水) |
『東電OL殺人事件』佐野 眞一★☆☆☆☆ |
 『東電OL殺人事件』 佐野 眞一 新潮社 (2000/05)
『グロテスク』(桐野 夏生作 泉鏡花賞受賞)『東電OL症候群(シンドローム)』を先に読んで、こっちも読みたいと思ってようやく読めた一冊。
うーむ。 よくわからなかった。
昼はエリートオフィスレディ。 夜は街娼。
そして何者かによって殺された一人の女性の心の闇と、おそらく無実であろう(が、ほめられた生活をしていたわけではない)一人のネパール人男性の冤罪の事実を説きあかす!
というテーマで進んでいくルポ。
被害者Wさん(筆者は興味本位の取材じゃない、という主張でがんがん名前を出しているけど、本人や家族にしたら堪え難いんじゃないかなぁと思うよ)の素顔もちっともわからないし、闇は闇でした、というオチみたいなんだけど、これで症候群というほどの反応が出たというのも理解不能。
親からいい子として育てられてきたけれど、実はそれは苦しくて、いい子じゃない自分になりたい時もある。
そんな気持ちに共感した、ということなのかなぁと思ったりもしたけれど、最後の家族機能研究所の斎藤学氏との対談でそのへんに結論づけておこうという意図が、なんだかあざとい印象。
『グロテスク』の方がすんなりきた。作り物は真実めいているからね。
結局Wさんの悩みや生きたかった生き方は、誰にも分からないままだけど、それでいいんじゃないかと思う。 いい子人生を送っていた同朋の立場からは、彼女が短い生の間に、少しでも幸せな思い出があったならいいな、と思うだけ。
現在再審請求を求め、横浜の刑務所で服役中のゴビンダさん。 私は無実だと思う(が女性を買う男性は好きじゃない)ので、裁判所の再審を強く願う。おそらく行きずりの客であろう犯人は捕まることはないだろうし(初動捜査のミスだろう)、手帳の件など、もーしかしたら、政界財界もまきこんだスキャンダルの一片なのかもしれないとも思う。
無実のゴビンダさんを支える会というのもあるらしく、リンク貼っておきます。
日本の司法が信頼たりえるものであることを祈ります。
『東電OL殺人事件』
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