活字中毒のワタシの日記

2006年03月27日(月) 大塚 敦子『モノとわかれる! 生き方の整理整頓』★★★★☆

モノとわかれる! 生き方の整理整頓
モノとわかれる! 生き方の整理整頓
大塚 敦子
岩波書店 (2005/05/12)

これまたふせんだらけに。

オーガナイザーという職業。
日本で言うところの「収納アドバイザー」みたいなものでありながら、物理的に捨てたり整理したり収納するのみならず、クライアントの生き方全般を見直す手伝いをする仕事。

私がやりたいなと思ってる某プロジェクトはそうそうこのオーガナイザー!ということに気づき、またやる気がわいてきた。

フォトジャーナリストの著者がアメリカで出会ったプロフェッショナル・オーガナイザーのテディとの出会いから、人生設計、「モノとの分かれ方」について考えたこと体験したことを教えてくれる。

心に残ったところ。

「『(略)私はほんとうにこれを必要としている?心から好きなの?と自分のうち鳴る声に耳を傾けるの。何を手放すか決めるというより、何を置いておきたいのかを考えるのよ。そうやっているうちに、自分にとってほんとうに大切なものは何なのかが見てくるから……』」(p26)

「だが、『いつか使うかもしれない』もののために、現在の生活スペースが狭くなって不自由な暮らしをするなら、それは『いま』を生きていないことになる、とテディは言う。」(p26)

「これを最後に着たのはいつか。
今度はいつ着るつもりか。」(p36)

「捨てるはめになった食品に共通していたのは、どれも『見えない場所』にあったということ。」(p55)

「なぜ、手紙は捨てられないのだろう。
(中略)
そのかわり、ほかのものを手放すことにした。もう使うことのなさそうなファイルをひとつ捨て、その分は手紙を保存するスペースにまわす。」(p70)

「自分自身に正直になること。もう読まない、とわかっているなら、捨てなさい」(p74)

「生活オーガナイザーと出会ったことで、自分がどんなことに喜びを感じる人間なのか、何を必要としているのか、自分にとっての優先順位が少しずつわかってくるようになった。」(p80)

「ものをあげるんじゃなくて、どうやって、ともに時間を過ごすか、どうやって何かをいっしょにする”かを考えないとね」(p109)

「ものを手放していく過程で、私は『これからもずっとこのままでいいのか、それとも変わりたいのか』という問いに向き合わざるをえなくなり、後者を選んだ。自分の生活に不必要なものを手放していくと、それまで自分を縛っていたものがだんだんほどけてきて、驚くほど気持ちが自由になっていくから不思議だ。」(p114)

私もさんざん読んでは決意して捨てて、また元通りでを繰り返してきているけれど、少しずつ分かって来た。
大切なことは、片付いていることもでも捨てることでもない。
自分がどう生きたいか。
それが明確に分かったら、片付く。捨てられる。
自分一人で向き合うのは大変だから、手助けを求めてもいいと思う。

生活オーガナイザーにクライアントに最初に投げかける問いを最後に。

「『あなたは1日を、どんなふうに過ごしたいですか?』」(p115)

私は?そしてあなたは?

モノとわかれる! 生き方の整理整頓



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2006年03月26日(日) リチャード カールソン『小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと』★★★★☆

小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと
リチャード カールソン Richard Carlson 小沢 瑞穂
サンマーク出版 (2000/06)

あたりまえなのに、忘れていること。

なかなかできないこと。

でも、心がけたいこと。

そんなささやかな、人生を気持ちよく生きる上での注意点を教えてくれる本。

ふせん、貼りまくってしまいました。

心に残ったこと。

「すべてをやりとげることにこだわるかぎり、心の平和は訪れない。」(p29)

「イライラするかわりにこう自問するーー『彼は何を教えようとしてるんだろう』。」(p38)

「週に一度は、心のこもった手紙を書こう」(P61)

「毎日、一人きりの静かな時間をもつ」(p73)

「待っていてもだめなのだ。どんなに愛しているか言葉にするのはいましかない。」(p103)

「すべては壊れると思っていれば、そうなったときも驚いたり失望しないですむ。」(p133)

「まず深呼吸して、いまもっているものをすべて思い出してみる。ほしいものではなくもっているものに意識を向けると、ほしいものは自然に向こうからやってくる。」(p161)

「与えることは与えられること。」(P177)

「ほんの一分でいいから、定期的に『いちばん大切なのはなにか?』と自問するようにすれば、自分が定めた目標と摩擦するような選択をしていると気づくだろう。」(p228)

「すべての仕事や責任をやりとげてから取りかかろうとすると、その時間はけっして取れない。」(p237)

その時々で、心にひっかかるメッセージが違うはず。
次回読む時は、「うわ〜わかっちゃいるけど」ではなく、「そうそう、そうなんだよね〜」とうなづきながら読みたい。

小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと



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2006年03月25日(土) 真保 裕一『ホワイトアウト』★★★★☆

ホワイトアウト
ホワイトアウト
真保 裕一
新潮社 (1995/09)

うわ〜。

今読み終えた。

泣きそう。

こりゃ映画にもなるかも(見てない)。

真保さん、すっごいっすよ〜。ええっもう3時!?目冴えちゃったよ…。
読まずに寝られるわけないでしょ後半まできたら…。

帯より。
「日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた----。
武装した犯人グループは、50億円を要求。
残された時間は24時間。
捕われた同僚と亡き友の婚約者を救うべく、
ダムに向かう主人公・富樫のもう一つの、
そして最大の敵は、
絶え間なく降りしきる雪、雪、雪……。
厳寒の雪山を舞台に、息詰まる死闘が始まった!」

そうそう、始まっちゃうのですよ。
悲劇的なプロローグから。

いきなり、いやな感じ。これって遭難?やだやだやだよう…とびびりながら読み始め、うわぁやっぱり。
読むペースが早いはずの私、怖くてなかなか先に進めない。
何度も後ろの方をちらちら見て、「ああ大丈夫まだ生きてる、きっと大丈夫!」と安心しながら、それでも不安と戦いながら進んだ。

そして爆発、凶弾、孤立する占拠されたダム、人質、絶望的な状況。

遭難者を助けようとして命を落としたダム運転員、吉岡。
友人の吉岡を助けられなかった主人公、ダムの運転員、富樫32歳。
婚約者だった吉岡のいた場所を見たいと訪れたのに人質になってしまう千晶。
爆破テロで妻子を奪われた一人の男。

その他、決して多くはない登場人物がそれぞれの立場で活躍するのだけど、ちょい役のたとえば案内運転手の岩崎、地元の警察の奥田なども味わい深く、印象深く描かれていてどっぷり世界に入ってしまった。

入った分、ドキドキと心臓には悪いわ(富樫と千晶それぞれの心配をしないといけないからもう怖いったらない)、自責の念に捕われる富樫の思いが切ないわ、絶体絶命のピンチの連続、そしてそれを切り抜け、さらに反撃までしてしまう「日本一の運転員」をめいっぱい応援しちゃうわ、雪山の描写は読んでても寒々しくて凍えてしまうし、ドキドキハラハラのアクションものとしても優れている上に!

エピローグが泣かせる…。

エピローグの前のページで最大の不安をあおっておいて…こうくる?きてくれた?
嬉しいけど、泣けるよ…。

小説としては、章の56。
P347での「え?」「もしかしてそれって…えー!!!」というどんでん返しというか真相にショックを受けたのだけど、まいった!です。
面白いけどそうきたー?
真保さんの小説は『乱歩賞作家 赤の謎』の中の『黒部の羆』で面白ーいと思って待望の一冊目なんだけど、それを読んだ時と同じ「へ?それって…えー!!!」ともう一度最初から読み直さないと!と思わされる面白さをこの作品でも感じた。

架空の人だと分かっていても、「吉岡」の冥福を祈りたい。
架空の人だと分かっていても、「富樫」にはあったかいお風呂に入ってもらいたい。

ドキドキしたくて、しかも泣きたい気持ちにさせられたい人におすすめ。

福井 晴敏 さんの『亡国のイージス』もたいがい面白ーいと思ったけれど、感情移入のしやすさと人物の魅力的な描き方と最後泣かすあたりで、『ホワイトアウト』がかなり上。
松岡圭祐さんも面白いけど、上がいた!と思った。

今月のベスト本かな。
気づいたら夜中3時とは。

ホワイトアウト



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