活字中毒のワタシの日記

2006年07月01日(土) ハリエット シェクター『いつか片づけようと思いながらなかなかできないあなたへ』★★★★☆

いつか片づけようと思いながらなかなかできないあなたへ
いつか片づけようと思いながらなかなかできないあなたへ
ハリエット シェクター Harriet Schechter 早野 依子
PHP研究所 (2002/12)

整理整頓収納捨てる片付け本オタクな私。
だいたいどの本も同じことを書いていたり、アプローチの方法が違ったりとオタクらしい読み方ができるようになってきた、つもりでいたら。

まぁこの本にふせん、はりまくり。
全然ダメじゃん…。

てなわけで、「いつか片づけようと思いながらなかなかできない」私へ、多数のヒントと励ましをくれた本でした。

この本が教えてくれるのは、以下ふたつ。
●生活を乱雑にしているあらゆる物を、無理なく捨てる方法。
●今後、物をためこまないようにすることで、乱雑な生活に戻らなくする方法

そして教えないことは、
●整理整頓の方法
これは、物の置き場を変えるだけだったり、あらたな収納道具を買ったりで解決につながらないから。

シンプルライフをめざす私、納得です。

思わずふせんをはったところ。

「要らないモノとは、その外観、状態、配置、量すべてがあなたのストレスの元になるものである。」(p54)

「要らないモノは、あなたを大切なものから遠ざける」(p54)

「ゴミの山をなくそうというやる気が湧いてこないのなら、まだ充分に苦痛をうけていないということである。」(p91)

「ただ、これだけは覚えておいてください。多くのモノを手放せば、メインテナンスの時間はそれだけ減るのです」(p102)

「あなたが便利だと考えないモノ、美しいと思わないモノは家の中に置いてはならない」(p145)

「迷ったときは、『私はこれなしで不自由なく生活できるか?」と自問してみましょう。迷いを吹き飛ばすには、『これは、大変な思いをして保管するほど、私にとって価値のあるモノか?』と自問してみるのもいいでしょう。」(p152)

「しまえる場所ではなく、便利な場所に置く」(p157)

「人は、大切なモノすべてをあらゆる危険から守ることはできません。できるのは、手元にあるときに精一杯大切にし、慈しむことだけです。宝物を、緊急のときに持って逃げられる量に留めておけば、それらの価値を満喫するためのスペースと時間が増えるでしょう。」(p204)

「自分が死んだ後、愛する物たちに何を残したいと思いますか?彼らに、あなたのゴミの山を全部整理して欲しいと思いますか?」(p206)

「一番捨てなくてはならないもの、それは『できない』という姿勢である。」(p240)

目の前の乱雑さは、実は心の乱雑さをそのまま表したもの。
だから、根本的な解決を求めるなら、こころの片付けが大切である。
それはわりと多くの本に書いてあること。
この本の著者は、心の乱雑さを助長するものをふたつ挙げている。

「覚えておくべきもの(用事、情報)」と「忘れるべきもの(心配事や不満)」。

これがひきおこすのは、
たとえば、ひとつのことに集中できなかったり、大事なものを思い出せなかったり、面倒くさくなってしまい何もできずに乱雑なままになったり、何か忘れているような気がして落ち着かない、など。

これを解決する方法の一つは、有効なリストを作ることと著者は言う。

で、私もよくやるような
「掃除をする、礼状を書く、書類の整理」みたいなのはダメだとも。
例が載っているのだが、カテゴリー分けされたメインリスト・フォームを作り、大きな用事を細かく分けて取りかかりやすくする(そして実行する)こと、所要時間も計算すること。

リストは作るようになったけれど、その方法がまだまだだったことに気づかされた。
教えられた通りに一度やってみよう。

いつも片付けなきゃ(でも無理)、という気持ちとさよならできるように。


目次

第1部 過去―なぜ、あの人は「いつか片づける」が口癖なのか(「いつか片づけよう」から「今すぐできる」人へ
捨てるべきモノを見分け、分類する方法)
第2部 現在―「今すぐできる」実践プログラム(「先延ばし癖」がなくなる簡単な習慣
紙の山をなくす
モノとスペースを征服する
思い出の品を捨て去る)
第3部 未来―ゴミの山をコントロールする(選択をする人間になる
あなたの心の乱雑さを整理する)

いつか片づけようと思いながらなかなかできないあなたへ



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2006年06月26日(月) 山本 ふみこ『親がしてやれることなんて、ほんの少し』★★★☆☆

親がしてやれることなんて、ほんの少し
親がしてやれることなんて、ほんの少し
山本 ふみこ
オレンジページ (2005/02/28)

自分の成長に無自覚で、からっぽになりかけていた母を、こどもは時折叱咤する。
それに促されながら親としてやってきた。
この本は、そんな著者が、「子どもたちにわたしがしてやれた(のではないかと思われる)『ほんの少し』の記録」。

心に響いたところ。

出産間際につけていた日記。

「そうだ。子どもに『大人になるのもわるくないな』と、そんなふうに思ってもらえるひとになろう。近くにいる大人が、たのしそうに生きていれば、子どももそう考えるようになるかもしれないし。」(p27)

「両親や、近しい大人たちがなにもかも一致して子どもにのしかかるというのは、しんどい。(略)
 なんだかちぐはぐに不揃いだが、ちょっとしたことがやけに一致している、というふうにいきたい。」(p44)

「たとえば割りこみ、たとえば恐い顔、ぽい捨て、理不尽な文句などといった傍若無人なふるまいの一切が、どこかのだれかさん、ことに子どもや若者を決定的に痛めつけることがあることを知らないといけない。」(p88)

「長くても短くても、ある時間を共有することができただけで、すごいや、と思えるようになった。挨拶程度の間柄?年賀状だけのつきあい?そこにだってかけがえのない相手は、存在する。」(p105)

「こざっぱりと片付いた部屋。ぴかぴかの窓。お茶に手作りのおやつ。美味しいごはん。ほどよく糊のきいたリネン類。」(p124)

「自分の悩みや痛みにおぼれないためには、骨は折れるが、やりがいがあるなにかに打ちこむことだ。力と時間があまると、ひとはつまらないことが気になったり、他人と自分を比べたり、ろくでもないところに足をとられやすい存在でもある。」(p152)

「なんでもない日々の営みが実はなんでもなくないことをわかって生きているひとには、趣味などあってもなくても同じなのかもしれない。」(p164)

「夢」の章で書かれた、「寺子屋 太陽の家」。
私も実は、やろうとしたことがある。
何か自分がやれることで、役に立てることで、ともに学び育つことができれば、と募集をし、少しだけ通ってくれた子もいた。
彼はどんな大人になっているだろうか。

同じ生きるなら。

どう生きるか。

どう生きたいか。

そんなことを考えさせられた。

親がしてやれることなんて、ほんの少し



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2006年06月24日(土) 加藤 廣『信長の棺』★★☆☆☆

信長の棺
信長の棺
加藤 廣
日本経済新聞社 (2005/05/25)

本能寺の変で倒された織田信長。

その遺骸はどこへ消えたのか。

部下であり記録係であった実在する人物、太田牛一が語る、お屋形さまの最期を追う歴史ミステリー。

というわけで、ちょっと前から歴史モノにすこしはまってる私(『関ヶ原』から、石田三成、そして島左近の大ファンに。光秀モノもどうかしらとこの本を手に取ってみました)

で…。

評判程ではなかったというのが感想です。

くどい、牛一。
信長賛美が気持ち悪い。
功績を讃えるのはいいが、ネガティブな虐殺の事実などに目をそむけるばかりなのはどうか。
三河狸の位置づけはなるほどだったし、三成部下との交流には(ああ、この人が帰った先には島左近がいる…)とわくわくしたし(全然この小説とは接点なし)、信長の遺体が見つからなかったとする謎を、思いもかけないところから解いた点は面白かった。

実在の人物と、彼が書いたとされる書物『信長公記』から想像を膨らませて、なのでぶっとびすぎる話にはできなかったと思うけど、それでもいまいち。
妻となる女性との関係もいまひとつ盛り上がらず。
ただ、僧清玉と弟子の権兵衛のエピソードの数々にはほろっときそうだった。
あの手の話には弱いので。

謎解きのひとつとしては面白かったけれど、このボリュームでこれだけかと思うと、他のを読んでみようかという気にはいまいちなれなかった。

…えっ著者75歳?
お達者!
そっか、しかも職業は物書きじゃなかったとすると…


いや。
それでも、このボリュームはなくてもよかったかなと。

信長の棺



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