活字中毒のワタシの日記

2006年12月26日(火) あさの あつこ『バッテリー〈2〉』★★★☆☆

バッテリー〈2〉
バッテリー〈2〉
あさの あつこ
角川書店

バッテリー』の続きです。

内容(「BOOK」データベースより)
「育ててもらわなくてもいい。誰の力を借りなくても、おれは最高のピッチャーになる。信じているのは自分の力だ―」中学生になり野球部に入部した巧と豪。二人を待っていたのは監督の徹底管理の下、流れ作業のように部活をこなす先輩部員達だった。監督に歯向かい絶対の自信を見せる巧に対し、豪はとまどい周囲は不満を募らせていく。そしてついに、ある事件が起きて…!各メディアが絶賛!大人も子どもも夢中になる大人気作品。

…というわけで、『バッテリー』が面白かったので読んでみました。

うーん。
親しみのわいたキャラクターが(素直な弟青波とか)活躍するのは楽しいけれど、匠のプライドが尋常じゃなく、イタイです。

ありえない。

ありえなくても面白かったらいいのだけど、どうも不愉快な方向にばかりいってるように感じます。
豪の寛容さに助けられているものの、それもかなり非現実的。
厳しいはずの顧問のへなちょこぶりも、なんだかなぁ、と。

不祥事をもみ消そうとする学校側の姿勢はとてもリアルに感じたけれど。

巧の成長物語を期待しちゃうとダメなのかもしれません。
それでもなにか、『バッテリー』であったような、キラリと光る気づきみないなのがあればいいのに、と思います。

次に期待して、『バッテリー 3』を読んでみたいと思います。

バッテリー〈2〉



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2006年12月20日(水) アレックス シアラー『青空のむこう』★★★☆☆

青空のむこう
青空のむこう
アレックス シアラー Alex Shearer 金原 瑞人
求龍堂

姉とつまらないケンカをして、捨て台詞を残して自転車ででかけた少年ハリー。

気づいたら、死者の国への受付に並んでいました。

どうやらトラックにはねられてしまったらしい。

まだやりたいことがあったのに。あんなこと本気で言ったんじゃないのに。

ハリーは、心残りがあると行けない「彼方の青い世界」へ向かう前に、同じように母親の姿を求めて150年さまよう少年アーサーとともに、下界へ降りていきます。
学校へ行き、級友に会い、話しかけ、気づいてもらえず、「敵」の追悼文を読んでショックを受ける。
町で死者に会う。出会えるはずのない再会を求めて動けない死者。
ひんやりした映画館。
そして家へ。

必ず直面する「死」に対して、ハリーも、自分自身も何も準備をしていないことに気づかされる。
あまりにも無防備。

死んでから気づくこと。
死んでからでは遅いこと。

ハリーは、やっとの思いで姉への思いを伝え、彼女の良心の呵責をラクにしてやれたけれど、彼女や両親の哀しみが癒えるわけではないのです。

死んでも、流れていく時間。
悲しみに沈む大切な人たち。
一方で忘れられていく自分。

自分が死後も残せるものがあるとしたら、それは何だろうか。
残すとしたら、何を。

そして、それを残せるのは、生きている「今」。
今から選ぶすべてのことが、自分が死後に残すものとなる。
考えなしに選んでちゃいけない気がする。

そんなことを考えました。

森絵都さんの『カラフル』と似てるといえば似てます。
どちらも、生きてることを、生きているうちに楽しもう、生きている時間は、楽しめる時間は、実はとても短い、というメッセージを伝えてくれます。

心に残ったところ。

「もう一度生きたい。ぼくは強く思った。言葉では言い表せないぐらい強く。生きたい。生きて、みんなの仲間に入りたい。いままでは当たり前だと思っていた普通のことがしたい。サッカーボールをけったり、ポテトリップスを一袋食べたり、そういうほんとに小さなことがしたくてたまらない。」(p178-179)

青空のむこう



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2006年12月17日(日) 京極 夏彦『狂骨の夢』★★☆☆☆

文庫版 狂骨の夢
文庫版 狂骨の夢
京極 夏彦
講談社

内容(「BOOK」データベースより)
夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?著者会心のシリーズ第三弾。

京極夏彦さんの分厚い文庫デビュー(私が読み始めたという意味で)一冊目です。

最初なのに、第三弾とか読んじゃってるし。
第一弾か第二弾で出てきたらしき登場人物のお葬式のシーンまで読んじゃったし。
でも、それなりに楽しめました。

鬱の関口のぐずぐずしてるところも、ものすごく共感できたし、これを読んだら『覘き小平次』の小平次にも共感の思いが募りました。
謎解きも見事でありました。

が、蘊蓄がつらかったです。
興味があったはずのフロイトユングなんたらかんたらもいい加減にして次いってくださいと,途中でイヤになりました。

京極ファンの相方なんかはこれがいい、というのかもしれないけれど。

しんどくはあったけど、読み応えはありましたので、次は第一弾、行ってみようと思います。

文庫版 狂骨の夢



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