| 2007年04月22日(日) |
伊坂 幸太郎 『ラッシュライフ』★★★☆☆ |
 『ラッシュライフ』 伊坂 幸太郎 新潮社 (2005/04)
伊坂幸太郎さんの群像劇ははずれなしの面白さ。
まだ『死神の精度』とこの作品しか読んでないけれど、他の作品も面白いに違いない!と思えました。 しかもこの作品に出て来たあの人は別の作品にちょろっと出てくるとか、あの人はあっちの作品で、とかそういうのってとても読みたくなるのは私だけ?
錯綜する、別々の人生を歩く(迷走する)人々。 拝金主義の画商と買われようとする新人画家。 40社の採用面接に落ち家族にも見捨てられた男。 愛人の妻の殺人計画を立てる精神科医。 淡々と仕事をこなす一匹狼の泥棒。 新興宗教の教祖に惹かれるデッサンがうまい男と「神を解体しよう」という指導者。
プラス、さらなる脇役が彩りを添えながら、それぞれに進んでいく物語が、からみあったりすれちがったり、先が読めそうで読めないところにドキドキさせられながら一気に終焉へ。 読み終えた時にそれぞれのストーリーがすとんと落ちるところへ落ち、リストラ男の豊田のかっこよさが際立つ爽快な読後感。
小憎い小道具もぴりりと効いていて、本当に飽きさせないストーリー。 小説はまだまだ面白い! 楽しい時間をありがとう。
『ラッシュライフ』
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