活字中毒のワタシの日記

2007年06月02日(土) 鍵山 秀三郎『掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる』★★★★☆

掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる
掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる
鍵山 秀三郎
PHP研究所 (2005/08/06)

本を閉じた後、ものすごく掃除がしたくなる本でした。

それも、「掃除をすれば開運!」とか「掃除で成功する!」とかいうご利益目的ではなく、もっと謙虚になりたい、今の自分では恥ずかしい、掃除でそれが可能になるならばありがたい、そんな気持ちになりました。

心に残ったところ。

「たとえ報われない努力であっても、決して諦めない、落胆しない。そんな精神を教わったのは両親からでした。同時に、これをやったらこういう得があるというような目先の利害・打算に惑わされない生き方ができるようになったのも両親から学んだことです。」(p19)

著者が教えてくれる掃除の基本。

「1.掃除道具をキチンと揃える。
2.掃除道具の置き場所を決める。
3.工夫しながら掃除をする。」(p34)

置き場所については、誰が見ても分かり、誰でも使える、そして戻せること。
家庭でも家族全員が、子どもも含めて気づいた人ができるように設置するのは大切なこと。

掃除を継続するためには工夫が必要で、それにより少しずつ能率効率がアップして楽しくできるようになること。

「何事もそうですが、流れるべきところが淀んでおりますと、さまざまな支障をきたすようになるものです。」(p50)

おうちの片づけも、やりかけのことも、ついとりあえず、で放置することでそこが滞る。淀む。ますます手をつけづらくなる、のマイナスのスパイラルに陥りがち。
些細なことをおろそかにしない、ということはかなり大事なこと。

著者がすすめるトイレ掃除。
これを徹底的にすることで変われることとして、以下紹介されています。
謙虚な人になれる、気づく人になれる、感動の心を生む、感謝の心が芽生える、心を磨く。

「何よりも嬉しいのは、謙虚な生き方をしていますと、後味のいい人生が送れるようになるということです。
幸せな人生を送るためには、後味のいい生き方をすることに限ります。」(p70)

この本の中で一番響いたのはこの言葉かもしれません。
掃除で開運成功系の本に感じている違和感は、きっとここ。
社会的な成功も嬉しいことだけど、もっと大切なのは納得いく、満足できる幸せな生き方ができるかどうか。
後味の悪いこと(礼状を書かなかったり)をたくさんしている自分にとっては、後味の悪くない人生というのはとても魅力的に感じられました。

著者いうところの欲と志。
ここが分かれ目かも。
志を持つ、そしてそれに向かって努力する、その過程が自分のためだけではなく社会のためになる、そういうものが志だと。
そして自分も周囲も感動をし続けることができるかどうか。
そこがポイントだなと思いました。

トイレ掃除で幸せになる、とおっしゃる著者の真意は、トイレ掃除を徹底的にすると気づく人になれるということ。
小さなことにも気づけるおかげで、今まで気づけなかった小さな幸せに気づけるようになる。たくさんの幸せに気づくことで、幸せな毎日、幸せな人生を送ることができるようになる、と。

まずは自分の身に起きることは必要があって起きたということ、それには必ず意味があるということ、そういう心構えが大事だと言います。

「大切なことは、決して特別なことをすることではない、誰にでもできることで、誰もができていないことを徹底して続けることだ」(p86)

著者の人生の指針『凡事徹底』、この必要条件。
「1.すべてに行き届いている。
2.その人の主義と行動が迷うことなく一貫している。
3.すべてのものを生かし尽くす。」(p128)

シンプルライフを送りたいと思っている私にガツンとくる項目でした。
全てのモノを把握する、一貫して選んだモノばかりである、すべて死蔵することなく生かしている。
ほんと大事だし理想だし、実現したいこと。

著者はレストランでの食事の後、片づけをする従業員が持っていきやすいようにまとめて片づけ通路側に寄せるとのこと。
私もウェイトレス歴があることもあって、ついついまとめてしまいます。
食べっ放しでそのまま席を立つのは、抵抗があります。(他人がするのは別に気にならない、癖みたいなもの)
そこが同じなのでちょっと嬉しくなりました。

「お金を払っているのだから、食べっ放しで後片づけなどしなくてもいい、というような考え方では幸せになれません。大切なことは、必ずしも自分がしなくてもいいことを少し多めにすることです。」(p224)

少し多め。
ちょっとのことだけど、長い目で見た時に効果、結果は全然違ってくる。
それを心に留めていたいと思いました。

中国で、汚物が山盛りになったトイレ掃除を学生たちに割当てた時のこと。
山盛りの糞尿を素手で便器に押込んだ著者。

「何事を始めるにも、人がもっとも嫌がることを、まず自分が引き受ける。このことが、人を動かしていく前提だということを改めて学ばせていただいた体験でした。」(p227)

トイレ掃除のような些末なことをしていては社会的な成功を収めることができないのではないか、という問いに対しての著者の回答が奮ってました。
(そこは是非著書を読んでください)

著者の行動に胸打たれた人たちが起こしていった「掃除に学ぶ会」。
この本を読んだ頃、別の会社経営者の集う会にまぎれこませていただく機会がありました。
彼らの真摯な学びの姿勢には敬服しましたが、なにか「向学心のある自分、挨拶ボランティアをしている自分はエラい」といった鼻につく感じがもったいないというか方向が違うんじゃないかな、「掃除に学ぶ会」みたいなのもあればこういうのもあるんだ、私は入れてもらえるなら「掃除に学ぶ会」の方だなぁとしみじみ思いました。

掃除をする。自分が変わる。家庭が変わる。会社が変わる。地域が変わる。社会が変わる。
それも夢ではないのだと、希望の持てる一冊でした。
継続ができてなくてとても掃除道のスタートにすらたててない現状ですが、知ったことで一歩一歩進んでいけたらな、と思います。

掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる



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2007年05月14日(月) 中山 庸子『幸せひろがる夢生活カレンダー―自分スタイルを見つける12か月』★★★☆☆

幸せひろがる夢生活カレンダー―自分スタイルを見つける12か月
幸せひろがる夢生活カレンダー―自分スタイルを見つける12か月
中山 庸子
PHP研究所 (2000/11)

心に残ったところ。

やることを小さなことでも手帳に書き出して、済んだらどんどんマーカーで消していくことをすすめるその理由。

「一日が計画的に暮らせるようになると、今日はこれだけのことをすればいい、と見通しがつき、かえってリラックスして生活することができるのです。」(p13)

「一見、ただの雑用のように思えますが、こういうことが後回しになればなるほど、もっと重要なことをしようと思ったときに、足を引っ張りかねないからです。」(p14)

上記のメモと同時に筆者が勧めるのは、「どんなときでも、自分が自分の味方であることをやめない」(p18)ということ。
そのために「自分が一番寛げる、お気に入りのコーナーを持とう」(p19)。

自己受容、「私は私でいい」と思えることはとても大切。
子どもの頃からずっと「ありのままの自分では受け入れてもらえない。愛されない。」と思ってきた私には、これは頭で受けいれることすら難しかったことでした。

今は、今なら、わかります。
過信じゃなくて、自信。
私は私以上にはなれないけど、私以下でもないのだから。
比べても無意味なことが世の中にはあって、これはそういうこと。

金子みすずさんの「みんなちがってみんないい」、きっと、そういうこと。

「買い物は実に魅力的です。
(略)
しかし、そろそろ『本当の豊かさ』や『幸せな気分』は、『ものを買って増やす』ことばかりから得られるものではないという手応えのようなものを実感したいと思うのです。」(p25)

「ない」ということが「豊か」だということは、目からウロコでした。
もっと前の自分なら、「ない」ことは「豊かではない」こととイコールでしかなかったと思います。
そして今、ない豊かさを少しずつ感じることができるようになってきた(これでも)ことが嬉しい。

手紙について。

「今、私はあなたのことを思い浮かべながら書いていますよ、というメッセージが伝われば、便りというのはもうほとんど目的を果たしたようなものだと言えるでしょう。」(p222)

気持ちを贈る。
そんな素敵なプレゼントを、さりげなくできる自分になりたいと思います。

月毎に12ヶ月分のアドバイスが載っているこの本、12月はジャンルごとに1年の思い出ベストテンをあげよう、と提案しています。

これって面白い!

ブログでやっている10大ニュースも似たようなモノだけど、夢をイメージすること、書くこと、というのは日々を生き生きと暮らすために必要なことのように思います。

「このように『楽しみたい』ジャンルを広げていくことで、ついつい『役割』や『義務』に縛られがちな日々の生活を風通しよくしてあげるのです。」(p242)

たとえば。

振り返って。
言われて嬉しかったことベストテン、おいしかったものベストテン、我が家のいいことベストテン。

まだこれからなら。
してみたいお稽古ベストテン、マスターしたい料理ベストテン、行ってみたい場所ベストテン、なりたい自分ベストテン。

小さなラッキーに気づく敏感なアンテナを持つこと。
小さなラッキーに感謝する謙虚さを持つこと。
上質のラッキーを見分ける力を身につけること。

楽しいことがいっぱいの毎日にするのは、自分。

楽しいことしかうつらない、小さないいことを見逃さない、そんな眼鏡をかけて、世の中を渡っていきたい。

幸せひろがる夢生活カレンダー―自分スタイルを見つける12か月
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2007年05月12日(土) 中山 庸子『「夢ノート」のつくりかた―あなたの願いが、きっとかなう』★★★☆☆

「夢ノート」のつくりかた―あなたの願いが、きっとかなう
「夢ノート」のつくりかた―あなたの願いが、きっとかなう
中山 庸子
PHP研究所 (1998/09)

心に残ったところ。

「できないことや苦手なことを克服することに、喜びを感じないわけではないけれど、不得意種目をすべて根こそぎなくそう、というのは楽天主義に反する。それでは好きなことを楽しんだり、得意なことをより磨いたりするエネルギーや時間がなくなってしまう。」(p78)

おうちピカピカ手作り料理、でもママ眉間に皺寄せてしかめっ面、とおうちぐちゃぐちゃ手抜き料理(だったり外食中食だったり)だけどママニコニコ、だったらば、後者の方がいいでしょ?と著者はいいます。

私が鬱になって何もできなくてイライラごろごろポロポロ(涙)するばかりだった生活から、医者に行こう、なんとか治そう、と思えたきっかけはこれでした。

母親だったから。
私の人生がめちゃくちゃになるのはいいとしても、目の前にいるこの子どもたちの人生までダメにする権利は私にはない、と。
鬱かもしれなくてたぶんそうだけどまぁ生きながらえてはいる、診断は受けてない、母親として何もできない笑顔も見せられない泣いてイライラしてばかりの母親よりも、薬飲んでニコニコしている病気の母親の方が、きっと子どもたちにはいいはず、そうしなきゃ、と思ったのでした。

「人のせいにしなくても、ものに八つ当たりしなくても、無理に我慢しなくても、うまくいく魔法が『とりあえず』。」(p79)

5分だけやってみる、とか20%だけやってみる、とかよく聞く腰を軽くするためのコツ。
「とりあえず」やらない、というのはよくないと思うけど、「とりあえず」やってみる、というのは有効かと思います。

とても共感できたのは、手紙に関する記述。

「手紙もある種のプレゼントだ。」(p128)

かつては相当の手紙魔だった著者がイラストレーターとして、また文章家としての仕事をしながら手紙を書くことは減っていったけれど、その仕事は「読んでくれている人たち」への手紙のようなものだったといいます。
そして著者の元へ届く、読者からの手紙。

「誰に向けて書いたのか定かではないものの、確かにあの時、私は手紙を書いたのだ。」(p129)

ブログやウェブサイトへ書いた自分の記事にコメントやメールをいただけるのと同じこと。私も感想を送ったり、いただいたり。

私も心がけたいこと。

「機会を作ってまた手紙を書くようにしよう。懐かしく、ひとりひとりの顔を思い浮かべながら書く手紙。(略)もちろん、返事はうれしいけれど、かつての私のように返事をやみくもに期待して書くのではなく、さりげなく『たった今、あなたのことを思っていますよ、元気ですか?』とそれさえ伝わればいい手紙。そんなふんわりとした香りのような手紙を書いてみたい。」(p130)

そうそう、これこれ。
便利なメールに比べて、書いてから届くまでに数日かかる手紙のよさは、数日前に私のことを思ってくれてた人がいた、という喜び。「関心」のプレゼント、といったらいいのか。
貰っても嬉しいものだけど、簡単にさしあげることができるプレゼントでもあります。もっと簡単に手軽にそれができるよう、手紙箱をもっと使いやすくしていきたい。

「本当に優しい人は、かまえずに相手を受け入れてくれる居心地の良さを感じさせる。そしてそれでも自分の色を失うことなく立っていられる強さも併せ持っているようだ。」(p157)

昔読んだ中島梓さんの本の一フレーズが今でも忘れられません。
「柔軟でかつ確固たる自分でいることは難しい」
この箇所にもドキッとさせられた自分はやっぱり今でも「頑なでいい加減な自分」。

エピローグで著者から贈られる最後の言葉。

「小さな行動の積み重ねが、あなたをつくる」(p208)

突然降ってくる幸運を期待するのではなく、種を蒔き水をやる。毎日全てをでなくても、できることから、ほんの少しの行動を積み重ねることが、遠くて届かなかったゴールへと運んでくれる。

具体的な夢ノートの作り方も載っています。
これを参考に、自分のやりやすい方法を試行錯誤しながら見つけて行動していけたら、きっと変われる。
私が始めてみた『夢を叶える10大ニュース』もきっと同じ。

夢の実現のために必要な小さなことを見つけ書き出しやってみる。

少しずつ、近づく夢。なりたい自分。

わくわくしながら、楽しみながら、少しずつ。
笑顔の自分でいられるように。

「夢ノート」のつくりかた―あなたの願いが、きっとかなう



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