活字中毒のワタシの日記

2007年08月30日(木) コリン・ターナー『人生の宝物はあなたの心を掃除したとき見つかる』★★★☆☆

人生の宝物はあなたの心を掃除したとき見つかる
人生の宝物はあなたの心を掃除したとき見つかる
コリン・ターナー 早野 依子
PHP研究所 (2003/10/02)

習慣をコントロールすること、いい習慣をつけること、の大切さとその効果を実感できる本でした。

が、原書では自然だったであろう登場人物の魚化には、邦訳では無理があったようで違和感を覚えました。難しいんでしょうね、英訳って。

心に残ったところ。

「真の安定は、たくさんの物を所有することからではなく、より少ない物を必要とすることで得られる。」(p87)

「今から五年後、自分の人生がどうなっていてほしいかを鮮明に思い描いてみよう。まず頭の中で、結末から始めるのだ。どんな旅でもそうではないだろうか。行き方を決める前には、まず行き先を決める。これから五年後、あなたは何をしているだろう。」(p94)

その行き先(暮らしている場所、仕事、日々の過ごし方、持ち物、友人などなど)と現在とが違っていたら、なぜかを考える。それでいいのか、も。

それを通して、自分が本当に大切に思っていること、大切にしたいことが見えてくると著者は言います。
日誌をつけることで、それが明確になってくると。

何かを得るためには何かを手放さなければならない。
その痛みに向き合えるかどうか、が問われる。
痛みを感じながらもした方がいいと思えることは何か。
そうしていろんなことに優先順位をつけ、選びとる、手放す。

そうして、理想の暮らしへ近づいていける。

5章の「家の中のものを捨てるほど、住みやすくなる」は捨てられない人は一読するといいかも。

いろいろと説得力のあるコメントが並んでいますが、ひとことでいえばこういうこと。

「ガラクタの山を何とかする前に、こうした『だって』をすべてなくす必要がある。」(p111)

だってまだ使える。
だって高かったから。
だっていつか必要になるかも。
だって直せば使えるから。
だっていつか価値がでるかもしれないから。

だってをまず捨てる。
捨てなくちゃ始まらない。

といっても一度には無理だから、少しずつ、一つずつ、「だって」を捨てていけばいいのかなと思います。
もしどうしても捨てられない「だって」があれば、きっとそれは捨てない方がいい。

大事なのは、自分が心地いい住みやすい家にすることだから。
その芯がぶれないこともきっと大事。

「一日の終わりには、十分間、時間を割いて机を整理しよう。」(p143-144)

「連絡先のデータというのは、もっとも価値のある財産の一つだ。(略)
ここで私が言いたいことは明白である。手紙をくれた人々に返事を書くことを面倒くさがってはならないということだ。」(p146)

「『全部できなかった症候群は、『やめる』ことの前触れである。」(p163)

完璧主義になっちゃいけない。
ちょっとでも、完璧じゃなくても、前進すればOK。昨日よりちょこっとでもましならOK。それを積み重ねていけば、必ず結果はついてくるから。
あきらめないこと、やめないこと、それが大事。

「単純なことだが、一度に一歩ずつ進んで行けば、あなたは必ず行きたい場所にたどり着ける。」(p179)

焦らず、欲張らず、あきらめず、感謝と楽しむことを忘れず、ぶれず、一歩ずつ。

テーマが定まっているようで定まってなくて、ちょっと読みづらい本でしたが、ヒントはあちこちにちりばめられてました。

人生の宝物はあなたの心を掃除したとき見つかる
コリン・ターナー 早野 依子



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2007年07月23日(月) 辰巳 渚『子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく』★★★★☆

子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく
子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく
辰巳 渚
岩崎書店 (2004/12)

がっくりきました。

以前もあったのだけど…こどものしつけ系の本を読んでたら、図書館の本なのに書き込みや端を折ってあったり。
この本もすごい勢いで同感しながらやったね、という線がいっぱいひかれていました。

物を大事にする、ってどういうことかわかってんのかな?

そのどこかの誰かが線を引き、私も同感だと思ったところ。

「『お片づけができる子にする』とは、『きれい好きの子にする』『収納上手な子にする』ということではなくて、『人として豊かに、幸せに生きる基礎を身につけた子にする』ことだと思うのです。」(p22)

さらに、他人の家が散らかっているのを見た時にいけないものを見たような気分になっちゃうのは、『人生の基礎』を身につけないでここまできちゃったからというのを感じるからでは、というあたりに○をつけてる何処かの誰か。

図書館の本に書き込みしないのは、基礎ですよ。

でもまぁそういう本を読んでるくらいな人だったら、今頃は変わっているのかもしれないですね。

それはさておき、この本についてはがっくりどころか、ふせんいっぱい入れてしまいました。もう毎日「片づけなさい!」を言ってる親御さんにはおすすめ。
私もこの本の通りできたら言わないですむ日がくる、と思えました。

お片づけとはどういうことか。
ただしまう、並べるということではなく、いるのかいらないのか、どこにどのようにしまうのか、取り出しやすく戻しやすいか、自分にとっての適量は。
それを考えつづけ、維持管理していくこと。

うーん、さらっと書いてしまうと簡単そうですが、これってものすごく重要。

私自身も課題だし、子どもにとっても課題だし、子どもへどう教えていくか、も課題。

で、その親へのアドバイスとして、親が導くべきこととして、あげられていること。

「1、定位置を決めておく
2、一定量を決めておく
3、片づけるタイミングを知らせる
4、取り出しやすく、戻しやすくする
5、原則を作る」(p42-52)

で、原則とは。
「1、パブリックスペースには個人の物は置かない
2、『上』には物を置かない」(p53-55)

「片づけないと捨てちゃうよ」を口先だけではなく、実行する。もしくは実行する覚悟で口にする。要は子どもが「あっほんとに捨てられる」と思えるかどうか、そして「ルールだから、ルールを破ったから捨てられても仕方がない」「捨てられたくないから戻す!」と思えるかどうか。

子どもに親は本気なんだ、と知らしめること。
これは片づけに限らずいつでも必要なこと。
親がブレない、そういうこと。

私も耳が痛いのだけど、「机の上、床の上に物を置かない」。
実行できると、ほんとにさっぱりすっきり、気持ちがいい。

それができないのは、著者によるとテクニックではなくタイミングの問題だそうです。

「つい、『あとで』『今度』と思っているうちに、出しっぱなしになってしまう。」(p92)

大人でさえタイミングを意識的に決めて実行するのは難しいこと。
だから、子どもが小さいうちは、親が『夜寝る前』だとか『帰ってきたらすぐ』とか知らせ習慣づけることがいい、と。
そして机の上、床の上は何もないのが普通の状態、あると逆に気になる、落ち着かないくらいまでいけたら上々。

もちろん、まずは親、ですね。はい…。

「基本的には『言われたらすぐやる』のが大切です。『すぐやれる子』に育てる義務が、親にはあります。」(p99)

と、ある芸人がそれができずに破門された話を紹介しつつ、それが礼儀でありあらゆることへの姿勢を表す、とも。
確かに人への信頼って、そういう早さ、確実さとともに高まるように思います。

ただ何でもかんでもすぐにしろ、というのではなく、子どもなりの時間の流れにいる時、たとえば物語を読んで集中している時などは、その没頭を優先させる、そんなことも提案されています。

「見て見ぬふりをしないで、ひょいと拾う癖をつけましょう。」(p141)

「今日は掃除だ!」とがんばらないでもいつでもきれい、を維持するためにはそういう行為が必要で、そのために親は落ちたのを教えたり、食べ終わった時に探させたりするといい、と。
汚した後を子どもに始末させる、そんなことを習慣づけていくのも大事なこと。

先日こどもにトイレ掃除を教えてから、たまにやってくれるようになりました。
私の掃除の頻度も減って嬉しいのもあるけれど、皆で使うものだから、皆できれいにする、それが当たり前になってくれたら嬉しいなと思います。

それが基本となって、社会に出て行っても公共のものを大事にする、きれいにする人になれるのだと思います。

ああ、偉そうに言える立場じゃないけれど、上から目線、下から目線と忙しくなってしまう本でした。

「そして、どんな出来事に遭遇するか、ではなく、遭遇した出来事にいかに対処するか、によって、さらに人生を豊かにするか否かが変わってくるのではないでしょうか。
そのためにこそ、さまざまな出来事には動じることなく、大げさに考えず、自分を失わない、そんな人であってほしい、と思います。もう少し言い添えれば、そして、どんなときでも楽しそうな様子の人であってほしい、と。」(p199)

親の私が問われてる。

私は今日一日、楽しそうな様子だったかな。

子どもを伸ばすお片づけ―できる子とできない子とではぐんぐん差がつく



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2007年07月22日(日) 渡辺 葉『ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活』★★☆☆☆

ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活
ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活
渡辺 葉
青春出版社 (2002/10)

心に残ったところ。

「いちばん大事なのは、その道具や食器に対する私たちの気持ちかもしれない。キッチン道具や食器って、『食べる』という毎日必ずする行為に直接関わるものたちだ。だからこそ、心から『好きだ!』って思える連中とつきあいたい。」(p24)

ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活



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