| 2007年09月22日(土) |
『イギリス式暮らしのシンプル整理術―心とお部屋のおかたづけ』★★★☆☆ |
 『イギリス式暮らしのシンプル整理術―心とお部屋のおかたづけ』 ドンナ ウォルター マーク フランクス Dawna Walter Mark Franks 奥野 節子 ダイヤモンド社 (2003/11)
物の乱雑さと、心の乱雑さは同じ。
レイキマスターでもある著者の一人がおっしゃることは、風水マスターのカレンさん(『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)』)ととてもよく似ていました。 つまるところ、言いたいところはひとつ、なのでしょう。
物に執着することなく、大切なものに囲まれたシンプルで心豊かな、今を生きる暮らし。 やっとその芯みたいなのが私も見えてきた気がします。
心に残ったところ。
「物がたまり始めたのがいつからなのかを、思い出すことが大切です。そのとき、あなたの人生に何が起きていたのかを考えてみてください。さらにその数年前には何が起きたのかを考えてみましょう。(略)私たちの心というのは、風変わりな方法で不幸な出来事を処理することがあるものなのです。」(p29)
私がぐちゃぐちゃの部屋で暮らして、ゴミを溜め込んでいたことにも、理由があったから。 捨てられなかったのはモノではなく、見栄だったり世間体だったり、あきらめだったり、頑なだったり、過去にとらわれて未来を必要以上に恐れて、今を生きようとしない自分。
やっとそれに気づいて、でもどこから手をつけていいかわからない時は。
「いつもいちばん簡単な問題を最初に解決してください。それによって大きな変化がもたらされることが実感できれば、もっと難しい感情的な問題にも取り組んでいく勇気がわくでしょう。」(p45)
この本では不用品やガラクタを「ジャンク」と表現していますが、読んでいるうちにいまだ捨てられずに大事に(いや、ただ見ないように)しまいこんでいるあれこれがだんだん「ジャンク」に思われてきて、処分したい気持ちが高まってきます。
「もはや時間を作ることが難しくなったり、楽しめなくなったレジャー用品や趣味の道具はすべて処分してください。 (略) なぜ、いらなくなった物を持ち続けるかを理解することで、あなたの現在のライフスタイルに合った趣味を楽しめるようになるでしょう。」(p79)
「心の中の本当のあなたが何を言おうとしているのかに気づいてください。」(p80)
ガレージにある80ccの草レース用バイク、乗りたい? レースに出る? 押入れの奥のろくろ、土も買って手びねりで何か作る? 焼いてもらいに行く? アホみたいに集めたポストカード、全部自分で出せると思う? キモノもあんなにあって、着る?
あああ、ジャンクがいっぱい………。
これらの処分をしながら、繰り返さないようにするためのアドバイス。
「何かを習慣づけるためには、繰り返し努力をすることが必要です。自分自身が向上するために何かを習慣づけたい場合、それを毎日の活動に組み込まなければなりません。現実的に実践していきましょう。そして、実際に自分ができそうなペースで日常の活動を決めることです。」(p85)
いい習慣の奴隷になりたい、その習慣から外れると居心地が悪くなる、そんな風になりたい、と思います。 床に物が置かないのが習慣になり、何かあると落ち着かない。 いまだに例外(家族のは気になるのに自分のは平気。さ、サイテー。)があったり、まだまだけど、少しずつ。
といって無理してもいけないのでさらに陥りがちな「だけどできないもん!」に対して。
「その活動を楽しんでいるのか、それとも仕事のように感じているのかを考えてみるのです。 もし楽しんでいないなら、やめてください。つい実行することを忘れてしまうようなら、なぜなのか理由を考えて、必要な解決方法を実行してください。」(p85)
無理は続かないから。
3章「かたづかないのはどこですか」では本や新聞、バスルーム、洋服、思い出の品と片づかないモノ別にアドバイス。
「もし、あなたが過去の出来事によってがんじがらめになり、身動きがとれないと感じているなら、その思い出が詰まった品物をじっくり見てください。その出来事と正面から向き合うことによって、辛かった気持ちを消し去り、今という時間を生きることができるようになります。」(p104-105)
ぜひとっておきたい思い出の品物リストを作ることも提案されていて、なぜとっておきたいか考えて、手入れもされずすぐに楽しめるような場所に置いてないのならば捨てよう、と。 このリスト作りはやってみる価値がありそうです。
「何か状況に変化が起きたら、すぐに対処することを学ぶのが大切です。何かが壊れたら、すぐに修理してください。」(p149)
すぐやる今やる、という習慣はとても大事だし生活をがらっと変えるし、人生も変わる、とつくづく思うようになりました。 何より、その方がラクだと。 紙類を積もらせてあとでまとめて処理、なんて考えただけでもうんざりだけど、手にしたその時にすべて処理してしまえば、物理的にも精神的にもスッキリ!
これもまだ自分のものにしきれていないので、これからの課題。
4章「心にもおかたづけを」。 シンプルで心地よい毎日を送るために、大事なのはモノが少ないだけではなくて、心のガラクタ、ジャンクも片づいていることが大事。 しかもそれを当人が心からそう望んで初めて変わることができるのだろうな、と思います。
昔、いっそ災害にでもあったり、とにかく全てを捨ててしまえば一からスタートですっきりできるのに、と思ったことがありますが、私自身が変わらなければ、きっとまた溜め込んで同じことになっていたと思います。
片づかないのは物が多いからではない。
「問題の根源を調べない限り、同じ状況が何度も繰り返し現れてくるでしょう。」(p160)
そのために気をつけること。
「状況を客観的に観察し、現在起きていることだけに取り組んでください。(略)現在の瞬間に生きるためには練習が必要です。」(p172)
今を生きる。
最近このメッセージがひっかかるようになりました。 今(present)が贈り物(present)。
今という贈り物を大事にする。 意識していないと大切な今を過去へだらだら送り込んでしまうことになるのでしょう。
「今、ここ」今日一日だけ、というのはレイキの原則やアルコール中毒更正会で使っているプログラムでも重視されているそうです。
目標を高く掲げるのはいいことだけれど、一度にそこへ行くことはできない。 そこへ行きつくための、今できる一つを意識してやってみる。 一つできたらもう一つ。 そしてそれを習慣にする。
大切なのは意志。 前向きな気持ちになれる一冊でした。
「自分が望むものは何でも達成できるということを思い出してください。そのためには今日から取りかかってください。一度に一歩だけでよいのですから。」(p198)
『イギリス式暮らしのシンプル整理術―心とお部屋のおかたづけ』 ドンナ ウォルター マーク フランクス
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