2009年09月20日(日) |
国分 康孝『「なりたい自分」になる心理学』★★★★☆ |
 『「なりたい自分」になる心理学』 国分 康孝 三笠書房
心に残ったところ。
よくない自己イメージをポジティブに変える三つの方法。
「まず第一は、自分が自分をきらいになった原因を粉砕すること、とり除くことである。」(p38) 「ダメ人間だという原因が除去できないときに、ほかの方法でのりこえることを、間接補償という。これが第二の方法である。」(p42) 「自分の価値観を変えることである。」(p43)
自己を開くための原則。
「自分の感情を語る」(p62) 「自分の考えを語る」(p62-63) 「実際に行動をおこす」(p63)
「人生で大事なことは、完全かどうかよりも生きている瞬間、瞬間を楽しみながら生きているかどうか、つまり、マイ・ベストを尽くして生きているかどうかであって、ザ・ベストを求める必要はない、と考え方を変えた方がいい」(p70)
つい他人と比較してしまって、劣っていることに落ち込んだりふてくされたりするのではなく、自分のベストを尽くし、かつ楽しんでいられる人が最強、と思えると生きるのも楽になるように思う。
役割を身につける方法として、筆者は模倣と、試行錯誤、気づきを挙げる。
率直に自分に物をいってくれる人を持っていること、誤った時、行き過ぎた時に指摘し気づかせてくれる人がいることは大切だと。
模倣の対象は、考え方、行動のしかた、態度。
態度の中でも誠実さは模倣すべき大事な項目であるが、生まれつき誠実な人はいない。
「誠実な人を模倣するから誠実になるのである。」(p152)
親は、子を誠実な人になってほしいと思うのであれば、自ら誠実であろうとする必要がある。
我慢ができる人であることも大切だが、どういう人が我慢強いかというと。
「世の中は自分のためのものではないことをよく知っている人である。」(p174)
常に人生は思うようにはならないもので、フラストレーションがたまるのは当たり前、と思える人。それが大人。
感謝の気持ちも大切。
「ありがたいと思う気持ち、感謝の気持ちがあるということは、満たされた気持ちがあるということであり、満たされた気持ちがあるということは不満がない、恨みがない、恐怖感がない、罪意識がない、ということである。」(p181)
感謝はする側もされる側も幸福な気持ち、生きる力の源となる。 逆にそれがないと、生き甲斐がないということにもなる。
自分一人では生きられず、「おかげさま」を常に意識できるかどうかで、生きる姿勢は変わってくる。
ギブ・アンド・テイクに気づき、感謝できるかどうか。 してもらったことは、きちんと返していける人になること。
感謝の気持ちは伝えなければ伝わらない。
最終章で、著者は言う。
「人生で一番大切なのは、自分の生きたいように生き、やりたいことをやる、ということである。」(p212)
どうしたらそれができるのか、について章は続く。
自己確立ができていることが必要で、そのために必要な段階は次のとおり。
「1 目的地をはっきり定める 2 その目的地に達するための方法をきちんと把握する」(p215)
wantとshould、これにきちんと気づくこと。
また、自己イメージをポジティブに持ち続けられることも必要。 その自己イメージは、過去にとらわれずに作り上げること。
あとがきの「Being is choosing」が心に響いた。
選ぶこと(捨てること)がよりよく生きるために、忘れてはいけないこと。
『「なりたい自分」になる心理学 (知的生きかた文庫)』
|