2011年03月01日(火) |
山田規畝子『それでも脳は学習する』★★★☆☆ |
 山田規畝子『それでも脳は学習する』
高次脳機能障害とともに暮らす著者。
メモ。
「左半身不全片麻痺、左側に神経が行き渡らない半側空間無視、思い通りに言葉が発音できない言語障害、注意が行き渡らない注意障害」(p21)
「一度だけの、私の人生。それ自体を自分が気に入っていたいじゃないですか。」(p33)
「最近になって、注意障害である自分を、毎日、あっちやこっちから眺め回し、人間が何か行動をするときには、まず注意のスイッチをオンに入れなければならぬということを、実感として知りました。」(p57)
「こういう、『必ずうまくいく』という自己暗示のかかった言葉をつぶやくと意識がしゃっきりするということが、科学的メカニズムで説明できるんだ、とその本で知り、とても嬉しく、面白く読んだ次第です。」(p73)
これは「集中脳をつくる30の方法」という本にあった、と。
「自分が障害者になってみると、どうでもいいこととそうでないことの価値観が、健常者のときと違ってきているのがわかります。」(p110)
右脳にダメージを受けた方にとって、ユニバーサルデザインの図案のみでの案内は不親切、わかりにくいこと。確かにそうだと思います。 すごいヒントをいただきました。
「医者もそうですが、ヘルパーさんの心の根っこは『この人のために何かしてあげなくっちゃ』という衝動があるのだと思います。当事者に『何をしてほしいか』と聞くまでもなく、『この人のために今、私には何ができるか』を考えるのが、プロの仕事です。」(p141)
よい本でした。ありがとうございました。
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