2011年04月25日(月) |
黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』★★★★☆ |
 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』
子どもの頃に読んで以来の、再読。 今読むと親の立場と自分が子どもの頃の立場と両方理解できて、トットちゃんの深さに恐れ入りました。 息子が小学校に入学してしばらく、問題児として扱われたこと。 私自身も問題児として扱われたこと。 その頃にこれ読んでおきたかったなぁと思いました。
「もどしとけよ」の章。 トイレに財布を落としたので自分でひしゃくですくって見つけようとするトットちゃん。
「なにしてんだい?」 「お財布、落としたの」 「そうかい」
「あったかい?」 「終わったら、みんな、もどしとけよ」
P69-70のこのやりとり!!! 学校教育に望みたいです。戦争で失われたことが残念です。
「トモエの生徒は一回も、『一列にお行儀よく並んで歩くこと!』とか『電車の中は静かに!』とか『たべものの、かすを捨ててはいけません』とか、学校で教わったことはなかった。ただ、自分より小さい人や弱い人を押しのけることや、乱暴をするのは、恥ずかしいことだ、ということや、散らかっているところを見たら、自分で勝手に掃除をする、とか、人の迷惑になることは、なるべくしないように、というようなことが、毎日の生活の中で、いつの間にか、体の中に入っていた。」(p112)
「それで、それは面白いの?」 ママの質問に、トットちゃんは、びっくりした様な顔で、ママを見て、いった。 「ママだって、やってみれば?絶対に面白いから。でさ、ママだって、パンツ破けちゃうと思うんだ!?」(P132)
子どもをわかるために。 人生のどこかで読むといい本だと思います。
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