■ゲロッチャ !!■
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2007年03月05日(月) |
読書メモ:重松清「送り火」 |
重松清の短編集「送り火」を読みました。 お父さんお母さん世代にはジワァっと涙腺が潤う物語だと思います。 潤うどころか滝のように泣いたけど!わたしは!
この小説のいくつかにはオカルトめいた話もあるんですが 重松さんが書く幽霊は皆、もと人間なので怖くはなくて大概 切ないんです。 現世に残した未練を抱えて幽霊は主人公に接触してきます。 で、幽霊の未練を聞いた主人公は「自分は未練の無いように暮らそう」と なる。 自分の持っている幸せをあらためて再確認するっていう展開が好きです。
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もう既に私も中年なんだなぁーと気づかされてしまいました。この本に。 若い頃の「自由な日々」の思い出はキラキラ輝いていて懐かしく、 甘酸っぱかったり苦かったりドラマティックだったりします。それなりに。 あの頃は、選択肢が幾つも分かれた道を全力疾走してました。 全力で走ることが楽しかったんですよねー。 曲がり角、曲がり角で右へ行くか左へ行くか真っ直ぐかを決断しながら 全力で走る。 スリリングで躍動感溢れてて面白かったなぁー。 あんまり早く走るもんだから、地に足がついてませんでした。 浮かれていた10代20代の日々。
今は 両手いっぱいに宝物を抱えて、大事なものをこぼさないように ソロソロと摺り足で歩いている感じ。 時折、体に触れてる重いものを全部振り落として、 ギャー!走りたーい!スキップしたーい!と思うときもあって そんな衝動に襲われた時にはプルプル震えながら自分の欲求を抑えて 腕の中に居る大事な子供たちの笑顔とか寝顔とか温もりとか そーいった一部分に神経を集中させています。
重松さんは、30代40代の親世代の「我慢」とか「憂鬱」とかを描きながら 親子の情とか、平凡な幸せとか、 一番大切な部分を見せてくれるから好きです。
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今は真保裕一の「ダイスをころがせ!」を読んでます!! 衆議院に立候補する幼馴染を補佐する男の物語です! ちょっとしか読んでないけど今のところ面白い〜〜v 父の実家が選挙事務所だった頃を思い出す〜〜村の議員だったけど(笑)
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