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2002年05月30日(木) 残響。。

今日は、サイラス・チェスナット・トリオと、マッコイ・タイナー・トリオの
コンサートが札幌kitaraであった。
今年はピアノ関連のコンサートでは、小曽根真さんのソロコンサートに行ったが、(ゲストにVo.伊藤君子)、ピアノトリオは去年以来である。

小曽根真さんはYAMAHAを使用していたが、本日のピアノはスタインウェイ。
サイラス・チェスナットも、マッコイも左手を結構駆使するタイプで、
低音の重厚なスタインウェイは、彼らのplayに合っていたように思う。

それにしても、札幌kitara大ホールはよく響く。
ここは音の残響時間が、長いことで有名なホールである。
歌の合間の喋りが巧いと言われている、日本のある女性VOCALのコンサートでは、
言葉の残響時間が長すぎて、モニターの場所によっては
「何を話しているのか全くわからない」という、クレームがついた。
そんなホールである。

今日、サイラスのピアノは鳴っていた。
トリオでやってる途中で、一人でバッハを弾き始めた。
ピアノをやる人なら、一度は必ず弾くバッハのインベンション。
バッハにインスパイアされて、曲は飛躍し、インプロヴィゼイションされていく。
随分前のこと。ケニー・ドリューが来日の際に、TVの音楽番組のゲストで出た。
彼は「一番お好きな曲は?」と訊かれて、「こんな感じ。」と言って、
ショパンのプレリュードを弾いた。なんだか泣けた。
ジャズのピアニストだって、一度はクラシックをやっているんである。

残響音の長い、ジャズにはちょっと不向きと思われるこのクラシカルなホールで、
サイラスのバッハを聴けたことは、なんだか非常に感慨深いものがあった。







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izumi [HOMEPAGE]

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