TWILIGHT DIARY
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真夏と硝子は出会い物である。
今日も暑いので、夕食後、娘に水点前をしてもらった。 所謂、水で点てた薄茶である。 蒸し暑い時には、すっきりした飲み口で何服でもいけるお茶である。 そのお茶を、牛皮饅頭で頂いた。
その時に、水点前用のガラスの茶器が欲しいと言われたので、 仕事の途中に探したら、茶器は無かったがちょうど良い形のガラス器を見つけた。
井戸茶碗のような、逆三角形型の薄いガラス器で、 まるで透明な氷を削って作ったような、涼しげな器である。 大きさも大中小と三種あったので、三つとも買い求めた。
こんなガラスを何処かで見たなと思って、よくよく記憶をたどってみたら、 何のことは無い、小樽の青山別邸の窓硝子だった。
あそこの窓に使われているのは、手作りのギヤマンで、 工場などで大量生産されているのと違い、歪つである。 その窓硝子を通して見る、外界の風景は何だか少し違って感じる。 不思議な硝子である。 その窓硝子にこのガラス器はちょっと似ている。
さて、仕事から戻って、試しにそのガラス器で水点てをしてみた。 室温のアルカリイオン水を使ったら、思ったようにうまく点てる事が出来た。 水が冷たすぎると、お抹茶はよく点たない。
透明な薄いガラス器に、新茶のお薄の緑が映える。 買い置きの冷やした葛饅頭と共に頂く。 この真夏の深夜のお茶の時間で、一日の仕事の疲れも飛んで行く。
お茶が、戦国時代の武将によく愛されていたのも、何だかちょっぴりわかるような気がした。
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