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2002年12月03日(火) 心中天網島に思う。。

今日は、wakaさんと共に中村嘉人さんがおみえになった。

中村氏は「時代小説百番勝負」の共著や、
「池波正太郎。男の世界」の著作がある方で、
私が今、受講している「時代小説の世界」の講師でもある。
僅かな時間ではあったが、少しでもお話する事が出来て、嬉しい限りである。
時間さえ許すなら、もう少しお話したかった。

さて、帰宅してBSをつけたら、古い白黒の日本映画をやっていた。
夜の暗い墓場で、吉右衛門と岩下志麻がなにかを言い合っている。
どこか不思議な雰囲気のある画面で、あれ、と思ったら、
傍らの黒子がおもむろに剣を差し出した。

何の映画だろうと思ったら、「心中天網島」であった。

「心中天網島」は以前、人形浄瑠璃でやっているのをTVで見た。
物語全体に渡る主人公二人の、暗くて深い思いや心情、
人の命の儚さが記憶にずっと残るお話である。

お能などは象徴的であるが、物語に重要なのは時間や時代ではなくて、
生者や死者を問わず、人の「思い」や「心情」だったりする。

四次元の世界のように、舞台の上では様々な人の思いや心情が行き交い、
たとえそれが何百年も前の景色であっても、哀しい物語はあくまでも生々しく、
時を超越して、見ている人の心を打つのである。


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izumi [HOMEPAGE]

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