目を開けて飛び込んでくる惨状を一瞥して 口まで出かかった言葉を、吐き出せずに、飲み込んだ
―其れは唯、朝日が射し込む私の部屋だった
嗚呼、現実を悲劇と呼ばず喜劇と呼ばず ただ日常の繰り返す場所だと捉えられたのなら
生きるでもなく死ぬでもなくどちらも選べず選びたがらず 私がそういう人間であれたなら
私はどれだけ幸せだっただろうか
夢を見れば現実を見れず 不幸に落ちれば幸せを思えず 死を前に、生を思えず
−此れは唯、朝日が射し込む私の部屋だった
現実のような夢なのか 或いは、現実のような、現実なのか 閉じても開けても変わらない瞳を私は閉じる
生きていることが怖いのだ もう、何も無いというのに 生かされていることが、怖いのだ
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