まる*の日記ときどき絵日記
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2002年12月24日(火) 学生時代(回想)

夫の学位論文に関する研究がついに終わったらしい。
足掛け5年の長丁場だった。
研究には大量のマウスを使ったらしい。
殆どは亡くなってしまったらしいが、まだ数匹生き残っている。
夫は毎週、生き残りのマウスの世話をしに大学に通っている。

まる*も学生時代、実習でマウスを使った。
他にラット(大きいネズミ)やカエル(これも両手にあまる程大きい)、モルモットも使った。
実験動物にもお値段があり、マウスとカエルはひとり一匹だったがマウスは二人で一匹、モルモットは使い廻しであった。

たがが学生の実習でも何匹ものマウスを殺してしまう。
そのマウスは生まれた時から、実験用として死ぬ運命にある。
実習の最後にはマウスの安楽死のさせ方を教わった。
当時、処理される大量の死骸を見ながら複雑な心境だった。
人間の命を救うための研究の影に犠牲になっていく何匹もの命たち。
真の研究者の犠牲なら、いざ知らず、学生のためにこんなに殺していいものか?と今だに疑問である。
たしかに、教科書で勉強するより”百聞は一見にしかず”であるが、動物たちの命と引き換えにする程、役に立っているかと言われればかなり怪しいものである。

毎年、動物のための慰霊祭があった。
体育館で盛大に行われた。
その時に配られるお饅頭が、すごくおいしくて貧乏学生だったまる*にはありがたかった事を覚えている。

薬学部では小動物で済むが、農学部、獣医学部に行けば牛、馬、羊、医学部においてはヒトである。

母が亡くなった時、献体に出した。
剖検には学生さんも立ち会ったはず。
なにか、実りがあったら良いのだが・・・・・。

『とっとこハム太郎』(アニメ)を見ていたりこちゃん(6才)が、ハムスターが欲しいと言ったことがあった。
動物の世話は、たとえハムスター一匹でも大変だゾ!
パパが言った。
「白くて小さいネズミならいっぱいいるぞ〜」
案の定、ネズミは嫌っ!!と拒否された。(アタシだって嫌よ!)

実験用マウスは清潔だし白くて小さくて、顔だけ見てるぶんにはそれなりに可愛いのだが、あの尻尾は良く無い。
マウスの頭には触れるが尻尾には触れないっ!
毛が生えてない・・・・
たった、それだけでネズミは疎まれるのである。

毎週の世話が面倒になってきたのか、夫は先週 マウスのゲージにはり紙をして来たそうだ。
「使う方にあげます。」
元が9000円近くもする無菌マウスである。
実験の生き残りとて需要はあるらしい。
貰われた先で、過酷な実験の末に死ぬのだろうか?
最後まで看取ってやれと言ってやったが、先は長く無いはないしもう一回くらい役に立つなら、その方がいいだろうと返された。
実験動物として生まれたマウスは、一生のうちにどれだけ役に立つかが生きた証なのだろうか?

『どれだけ役に立つ』か.....
アタシなんかマウス以下じゃん。
命について考えると、たとえ動物の事でもナーバスになってしまうな。
人間は、そんなに偉くないってとか思ってしまいます。


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