私の家と、祖父母の家は、隣同士。 私の余りの荒れっぷりに、最大限の譲歩か、姉はその日から祖父母の家で寝起きするようになった。 接触する機会は減った。 でも、落ち着かない。 姉はいつでも自由に行き来できる距離にいる。
繰り返し訴える。 姉を入院させて。
返ってくる苦笑い。 火曜日まで待って。
繰り返し。 皿を割る。
苦笑い。 苦笑い。
割れた皿が床に落ちている状態の時に、姉が来た。
姉が、来たんだ。
一気に押し黙る私。 口を開けばきっと酷い言葉しか出ないと分かってる。
姉は床に落ちている皿の破片を見て言った。
「こんなんしてもお母さんを困らせるだけやで。」
カッとなった。
私の心を乱しているのはアンタの存在だ。 アンタさえいなければ私はこんなことしない。
口を開けば酷い言葉しか出ないと分かっている、だからそう思っても黙ってた。
そんな私に姉は言葉を続けてきた。
「こんなんしても無意味やで。 なにしてんの?」
正論だね。 ああ、正論だ。
だけどアンタにこそ言われたくないんだ。
口を、開いてしまった。
「…は、アンタにだけは言われたくないわ、気違い。」
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