あたろーの日記
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   旧暦6月6日。 近所のお寺の前を通りかかったら、境内に子猫がぽつん、と佇んでいるのに気づく。携帯電話のカメラを向けながら声を掛けて気を引く。まだほんの子猫だから、あんまり警戒心がなく、とぼとぼと近づいてくる。でも、なんだか寂しそう。母猫か兄弟を捜しているのかな。 小唄のお稽古に行く。 来週土曜の演奏会に着る着物を合わせてもらう。私は着物を持っていないので、沢山持っている姉弟子さんから借ります。しかも、自分で着ることが出来ないので、棒立ち案山子状態で、着せてもらう(笑)なあんにも出来ない自分。情けない。素敵で涼しげな柄の着物を借ります。パンツ以外は全部借り物だぁ。。。髪はショートなのですが、襟足が伸びてきたので、土曜までに美容院に行ってもうちょっとすっきりしたいなあ。行く時間あるかなあ。。 この前、家元さん(もうお亡くなりに)の演奏が入っているカセットテープを、他のお弟子さんがCDに起こしてくれたので、それをiPodに入れた。そういうわけで、iPodにはお家元の小唄も入っているわけです。今、今度の土曜に自分が唄う曲をリピートで聴いていて、時々歩きながら口ずさんでいる。昔、自転車乗りながら長唄唄うおじさんとか見ると苦笑していた自分。今同じことをやっています。人は歳を取るものですな。 お稽古を終えて、モバイル用のノートPCを携えて、コーヒーショップに入る。モバイル用、というと格好良さげだけど、実はあんまり使ってあげていない、購入してもう4年位になるシャープのムラマサ君でありました。もっと可愛がってあげないと。さて、それで、実は、明日日曜に、みんなで集まって同人誌の編集をするので、とっくに原稿の締め切りは過ぎているのですが、書けずにきた私もここで少しは何か書いて誌面に載せてもらおう、とまだあがいているわけです。なのに、困ったことに、頭が固まって完全スランプ状態。スランプと言っても多分に自分に対する甘えが入っていることは否めない。小説でも随筆でも詩でも、ともかく少しでも何か書いて、明日持っていこう・・・と。 苦しんだ末に何も書けずに店を出て、頭を切り換えてリラックスしながら構想を練るべ、と、近所の居酒屋に久しぶりに入る。ちょっとだけ呑む。新聞を読んだり、ほげーっとしたりして、掌編小説の粗筋が浮かんでくるのを待つ。・・・が、他にお客さんがいなくて、お店のおばさんと、いつの間にか捕鯨の話になった。ほげーっとしていたら捕鯨の話に。なんでそうなったかというと、鰺のたたきを私が注文したからだ。鰺から鯨の話に。 日本は捕鯨国で、今国際社会から非難を浴びているけど、鯨肉を食べた記憶があんまりない私としてはぴんとこない。子供の頃、近所の家でたまたま夕ご飯を食べさせてもらったとき、味噌汁に鯨肉が入っていてびっくりした。鯨って食べるもんなんだーと思って、実家では1度も食卓に上ったことがなかったので、心底驚いたわけです。そんな話を店のおばさんにしたら、もうかれこれ四十数年前、おばさんが若い頃は、鯨肉は普通に食べていたし、しかも、マルハ漁業があるとき上空からヘリコプターで鯨肉のサービス券みたいなものをばらまいて、地上でそれを拾った人達が、サービス券に書かれている量に応じた鯨肉を、お店に行って無料で引き替えてもらう、というなんとも太っ腹なプレゼントをやったそうだ。ひえーっ、凄いな。そんなことしてたんだ。空から肉の引換券が降ってきて、それを拾って近くの肉屋さんに行って本物の肉と交換してもらう、なんて、現代じゃとうてい考えられない。肉の引換券じゃなくてもありえない。今は空から何か降ってこようものなら大騒ぎだ。四十数年前も大騒ぎだったろうけど、大騒ぎの中身が違う。現代じゃあテロ騒ぎになってしまいそうですね。時代は変わったなあ。 捕鯨の善し悪しはともかくとして、空からプレゼントが降ってくる、そういう夢のある昭和レトロな光景を思い描きながら、酒場のカウンターで鰺のたたきをつついていました。 で、書けたのかっていうと、書けてません。これからもういちどあがいて、明日の夕方には原稿持って編集やってるみんなのところに辿り着きたい・・・と。日記だとすらすら書けちゃうのになあ。。。
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