あたろーの日記
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2006年10月22日(日) 金曜は四谷で中華。土曜はさん喬師匠の落語会。

 旧暦9月1日。
 あっという間の週末。
 駆け足でざざっと書いちゃいます。
 
 金曜の夜は、友人と2人で、四谷にある「こうや」というラーメン屋さんに行った。この界隈は時々チャリンコで通ったり、数えるほどしかないが飲み食いしたこともあるのですが、この店にはまったく気がつかなかったです。しかし、昔この辺りで働いていた友人が足繁く通った店だそうで、職場が変わって久しく行ってないので久しぶりに懐かしい味を食したくなったとのこと。ラーメン屋さんなんだけど、中華居酒屋という趣で(金曜の夜だから特に?)、どうやらこの辺りで働く常連さん達で、すでに店内満席。しばらく待ってカウンター席にようやく座れた。2人で瓶ビール1本頼み(ほとんど私が飲んだ)、友人お勧め中心に、皿ワンタン、青菜の炒め、トンポーロー、支那そばなどを戴き、満腹になって2人合わせて5000円ちょっとでした。支那そば美味しかったです。豚骨と鶏ガラのダシなのかな?塩味で、あんまりこてこてしてないのですがコクがあってスープに飽きが来ない。この味に近いラーメンをもう1軒知っているのですが、そこは完全居酒屋のため、ラーメンのみのお客はお断りらしい(最近職場の人がそう言っていた)ので、こんど職場のラーメン好きに教えてあげようと思います。ラーメン以外も、どれも美味しくって、何度も通いたくなる店でした。また行こう!

 翌日の土曜は、実は前夜一緒に食事した友人と、下の名前が同じ友達と。珍しい名前ではないのですが、そうそうある名前でもない、2人とも長い付き合いの友人なのですが、彼女たち同士は面識ないのですが、私は2日続けて同じ名前の友人と出歩く。なんだか不思議。

 さて、それで、お昼に上野で待ち合わせて、韻松亭というお店へ行った。金曜も土曜も、それぞれ友人が案内してくれた店。美味しいものについてアンテナが鋭い友人というのは有難い。私は、焼き鳥とか、気に入った店情報のストックがとっても限られている&女友達を気軽に案内できない店を知らない(汗)。こちらのお店も混んでいた。さすが、女性グループ多し。上野公園自体人出が多いのですが、博物館美術館の帰りに寄りましょう、という感じで。
 座敷に上がり、畳でゆったり食事。友人は花籠膳雪1,890円、私は茶つぼ三段弁当1,680円を。食べてしまうのが勿体ないほどの綺麗な盛りつけ。勿論美味しくて、湯葉などが好きな私は満足でした。ご飯お代わりできるというのでしてしまった(笑)。

 上野、御徒町を少しぶらぶらした後で、恒例の、「さん喬を聴く会」(江戸深川資料館)へ。今回もまた満員で、早めに会場に整理券を貰いにいったのですが、すでに100番と101番。。。前売り券を前回の会の時に購入してあったので確実に入れることは入れるので問題はないですが、整理券番号があんまり後ろになると、自由席のため、席の確保がちょっと大変かなー。でも、落語会が盛況なのは嬉しいなあ。
 18時開演、前座に小きちさんの「堀の内」、それから来年真打ちになることが決まった喬之助さん「堪忍袋」、いよいよ、さん喬師匠「木乃伊取り」、仲入り後に伊藤夢葉さんの奇術、トリはさん喬師匠の「たちきり」。
 喬之助さんの「堪忍袋」は、勢いがあって、所々に自分をネタにしたアレンジが効いていて、場内大爆笑だった。夢葉さんの奇術は、すごーい、というものではない(失礼)のですが、わざとそう見せておいて、話術で観客を引き込んでいく。うん、手品より話術のほうが凄い。面白かったです。
 さん喬師匠の「木乃伊取り」。店の若旦那が吉原へ上がったっきり帰らない。父親である店の主に連れ戻してくるよう言われた番頭も、知り合いの強面の頭も、木乃伊取りが木乃伊になってしまい、3人とも戻ってくる気配はなし。仕方なく、ものは試しにとあまり期待していなかった店の飯炊きを行かせると、頑固実直が功を奏して一時は3人を連れ戻せそうかという状況にまで持っていくが、実はこの男、無類の酒好きでしかも大酒飲み。若旦那がうまくけしかけてちょっとだけだと言って酒を無理矢理呑ませたのが運の尽き。次第に酒も進み、酔いも回って・・・。
 実は私、「試し酒」とか「親子酒」といった、酒を飲み始めるとどんどん進んで、地が出てきちゃう酔っぱらいの噺が結構好きです(笑)さん喬師匠の、クシュン、っていうくしゃみ演技も面白かった。
 「たちきり」。こちらも道楽者の若旦那が絡んでいますが、ぐっと趣が変わって、最後は泣かせてくれてしまう噺。茶屋の小糸という娘と恋仲になって頻繁に茶屋通いする若旦那を、親戚番頭一同が考えた末、100日間の蔵住まいをさせることに。しかしそうとは知らない小糸は、姿を見せなくなった若旦那宛の手紙を毎日毎日店に届けさせるも、番頭はそれを若旦那に見せず、隠しておく。100日が明けて若旦那が蔵から出て、ようやく小糸の手紙は若旦那の元へ。それを読んで慌てた若旦那は、小糸に会うために茶屋へ急ぐが、恋いこがれた若旦那に見捨てられたと思い込んだ彼女は、もうこの世の人間ではなかった。位牌を前にお線香をあげた若旦那の耳に、今では形見となってしまった小糸の三味線(生前若旦那が作らせたもの)の音色が響いてくる。その音に耳を傾けて小糸を偲んでいると、ふっつりと音が消える。もっと聴かせてくれ、と言うと、茶屋のおかみが、線香が終わってしまったのでそれはもう無理だ、と言い返す(線香は男女の語らいの時間を計るための商売道具でもあった)。
 この「たちきり」、シリアスな人情噺のようでいて、クライマックスに泣かせておいて、最後はブラックジョークに近い落としがちょっときつくて、いつ聴いても、どうも納得いかない気がしているのですが(^^;)でも、なんだかんだ言っても恵まれて苦労知らずの若旦那に対する、小糸や茶屋のおかみの、精一杯の気持ち、なのかなあ。好きで好きでしかたがない気持ちには変わりないけれど、死んでしまった側の小糸にしてみれば、若旦那に不満や皮肉のひとつは言いたいだろうっていう。。。
 それにしても、あまりにも可哀相な茶屋の娘の運命だ。
 ・・・長いようであっという間に終わった感のある3時間。いつもと同じ、21時に会はお開きになって、さん喬師匠の味わい深い語り口の余韻を抱えながら、好きな噺家さんの噺を直接聴くことができる幸せに浸りながら、家路につきました。
 あっと、私は今回で、この会に行くのが8回目になったので、毎回もらえるスタンプがまたたまって、さん喬師匠の似顔絵イラスト入りのTシャツを戴きました。わーい♪


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