陽だまりのうた
muchan



 かあらげぼんぼの咲く頃に

かあらげぼんぼの花咲く庭先に
目を細めて
眺めている
祖母がいます

決して
艶やかではない
派手ではない
薄紫のつぼみと白の真っ直ぐに伸びた綿毛

少しうなだれて
静かに
ひっそりと咲くその花は
祖母の姿そのまんまでありました

「これはね
かあらげぼんぼ
昔は里に
いっぱい咲いていたんだよ」

明日もきっと
祖母と
かあらげぼんぼの
無言の語らいは続いていることでしょう

そして
陽だまりは
いつまでも時空を超えて
祖母の人生をひっそりと映し続けてゆくのでしょう

2002年04月28日(日)
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