元・白血病患者の日記
 

2003年09月19日(金) イルカなんだかサメなんだか

 結局、遠出しているというのに眠ることが出来ず、朝方にウトウトしただけでいつもと同じような目覚めとなる。海岸近くにいるので散歩でもと思ったが、せっかく24時間OKの大浴場があるので朝から風呂に。朝も早いので貸切状態かと思ったが、同じような考えをする人はいるもんで、それなりに混雑していた。

 7時に食事ということだが、風呂になど入ってしまったので待ち遠しいったらありゃしない。嫁さんと子供も朝風呂に入ったので、同じ気持ちなんだと思う。で、時間近くになったので食堂に行ってみたら、もうワンサと年寄りが集まっていた。歳をとると小食になるというのはウソだな。少しでも先に入場したいのか、何度か押しのけられた。…たかが朝食で現代人はこんなである、災害の時とかの配給は無事に済むのだろうかとフト思う。

 他のみなさんは車なので好きな時間にチェックアウトできるのだが、バス頼みの身分としては時刻表に従うしかない。水族館に早く行きたかったが、丁度良い時間のバスに間に合わせようとすると飯抜きになるので次のバスまで無駄な時間を過ごし、下田に到着。ここから再度バスに乗ることになるのだが、また時間が中途半端。あまり時間が経過すると『イルカとの触れあい』の申し込みがいっぱいになるというので(近いから)タクシーで水族館へ。小学校の団体がいて混雑する受付で申し込みの場所を聞き(入場券は旅館でセットになっていた。…いくら時期外れとはいえ盛りだくさんで安いツアーである。嫁さんに感謝)、急ぎ登録。浜を見れば親子連れがのどかに海でイルカと遊んでる(ように見えた)。

 荷物になるとは思いつつ、子供と自分の水着を持ってきてよかった。前日ほどの陽気ではないものの、水に入れない気温ではない。さぁ、イルカと触れ合うぞと勇んでいると日本人を含む外国人が多数、申し込みにやってきた。人数に制限があると思ったが、いきなり多人数になってしまう。…早いバスでなかったことが悔やまれる。

 時間になり浜に集合。嫁さんは胸元まであるカッパ?で腰のあたりまで入水。係員から「危険ですので、お子さんは必ず抱えてください」と注意をうけているので、抱きかかえて海に入る。水着なんだからいいじゃんかよ、この子は(多少)泳げるんだしと思ったが後々、その意味を知ることになる。

 外国人(と日本人)の団体は、いい感じの歳でありながら無理にハイテンション。われ先に押し進む。そりゃ同じ金を払っているのだから平等だとは思うが、こっちは子供連れなのだから少しは譲るというワビサビが欲しいものだ。見れば先ほどの親子連れ(子供は小さい)も再度、参加しているではないか。安い料金ではいのだが、そんなに楽しいものなのか? イルカとの触れあい(これも後で意味を知る)。

 飼育してるとはいえ、人工的な建造物で囲ってるわけではなく、自然の入り江で生活をさせているイルカである。人間さまが決めた時間の通りに入り江に来るわけもなく、しばらくイルカの接近を待つことになる。…なかなか来ない。このまま(規定の時間が)終ってしまうのではないかと思っていると、係員がボールを海面にたたき付けはじめた。音に敏感なイルカは、この振動で遊びに来てくれるのだとか。

 …しばらく待っていると、遠くに背びれが見えた。やっとご対面かと思ったが、なかなか接近してきてくれない。パンフレットには楽しげにイルカに触れている画像があったのだが…まぁ、相手は生き物であるから仕方ないのかも。などと思っていると、係員が「サーフが来ました。気をつけてください」と叫ぶ。その途端、横にいた外国人グループの姉ちゃんが倒され、ビヤ樽みたいな体の白人が(足の間にイルカが入り込んで)持ち上げられる。次いで防水服の姉ちゃんが悲鳴をあげながら倒れる。我々は一匹のイルカによって一瞬にしてパニックになってしまった。

 まだ若いイルカは遊びのつもりで、かなり乱暴なちょっかいを出してくるんだとか。向こうは軽い気持ちでも、噛んでくることもあるらしい。…しかも後ろから。間近で見られるのにカメラを持参できないのは、撮影に夢中になった人が後ろからの接近に気がつかず、ガブリとやられたことがあるからだという。また二回目の参加をしてる親子連れは、子供が小さいのでハシャギ、水面を叩くので必要以上にイルカが接近し加えて人数が少ないと注意の対象が多いので、うちらと一緒の参加になったという。

 などという話を後で聞くのだが、とにかく悪戯者のおかげでイルカがサメに思えてきた。もう小脇に抱えている子供は水から出たがっている。まぁ、イルカの動きに注意をしていれば大丈夫…って、色が黒いからわからない。しかも浅瀬に逃げれば大丈夫とかいってた割りに平気でくるぞ! で、危なく後ろからガブリとやられるところだった。背びれを見せないで泳ぐな! 確信犯だなコイツ。

 近づいたイルカの歯の鋭いこと。しかも想像よりも大きく口が開くので、ジョーズよジョーズ。とてもじゃないが、パンフレットみたいな和やかなイベントではなかった。我が家では、イルカが恐怖の対象になってしまったことは間違いない。


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