眺めてた、空に舞う風船を。ゆっくりと空に舞いながら、誰の手にも届かない所へ。誰かの手を離れて。雲の隙間を抜けて、ただ悠然と舞っていく風船を。太陽の光に透けて色そのモノが分からなくなって、風船の丸みだけが際だっている。少し、淋しかった。誰かの泣き声が聞こえそうな気がしたから。