2003年03月20日(木) |
止みそうにない雨の日 |
雨を見ていた、二人で。 雨を聴いていた、二人で。 道路にぶつかって奏でる音を。 空を見るとまだまだ止みそうになく不機嫌そうな色は、 青いペンキを僕1人が頑張って塗ってみようとした所でどうにもなりそうにない。 隣に座っている君の顔はカーテンに吊してあるテルテル坊主のような笑顔ではなく、やっぱり曇り気味だった。 雨が上がればいいのに・・・と心の中で呟いた。 きっと君も同じコトを思っているに違いない。言葉に出さないだけだ。 こんな雨の日には会話など無くても雨が会話をしてくれる。何時間でも相手をしてくれる。 と都合の良いことを言っているけど、本当は雨の日の君の機嫌といえば最悪なのだ。だから敢えて無理に会話はしない。 いつもの、雨の日と同じように今日も一日中、無口な君なんだろう。 それはそれでいい。雨が色んな音を奏でてくれる。BGM代わりには丁度イイ音量なのだ。 明日晴れたなら今日の分もおしゃべりをすればいいのだから。今日はゆっくりしておこう。 『喉が乾いたな』と言って立ち上がった瞬間、それを制して僕の腕を掴み君は唇を僕の頬に当てた。 笑顔だった。嬉しそうに。子供の顔をして。 それから二人の唇を絡めた。 雨を聴いていた、二人で。止みそうにない雨を。
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