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やさしく吹く風 - 2005年06月24日(金) ぼくの田舎は北海道で、ぼくがまだ小学生だったころ、祖父のお墓参りに祖母と一緒に行きました。その時は真冬で、沢山の雪が降り積もった丘をのぼった所にあるお墓までたどり着くためには、とても大変な道のりでした。なおかつ祖母は足が弱っていて、非常に大変そうだったので、幼いながらにもぼくは、祖母を心配して、先に進んでいって、深く降り積もった雪をサクサクと踏み固めて、そして祖母の手をつなぎながら、ゆっくりと歩いていきました。 小さな頃のほんのちょっとした出来事だったので、それだけでは、あまり印象には残らなかったと思うのですが、それからのこと、北海道に住む祖母に会いに行くたたびに(年に一度会えるか会えないかという感じでした)、「あなたは小さな頃からほんとうにやさしい子でね」と、お話してくれた後に、その雪の日のお墓参りのお話を丁寧にしてくれるのでした。 とても寛大なこころを持っていて、だれにでもやさしくて、 そして、ほんとうにしっかりとしたおばあちゃん。 北海道に住んでいるので、ごくごくたまにしか会えないのですが、 それでも、そんなおばあちゃんが、 ぼくに与えてくれたやさしさや深い愛情は、 ふとした瞬間に、すーっと、こころに沸き上がってくるのです。 ぼくは、今、北海道に来ています。 大好きで素敵なおばあちゃんが心不全で亡くなって、 今日が告別式でした。 お別れすることはとてもつらいことですが、 おばあちゃんがぼくに与えてくれた大切なものを、 いつまでも、大事に大事にこころの中においておきたいと、 そんな気持ちでいます。 北海道の大草原にやさしく吹く風は、 とても穏やかで、心地よいです。 -
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