![]() |
CDの贈り物 - 2005年08月12日(金) itunes music storeの日本上陸で、 音楽配信というスタイルに注目がいくなか、 これからの音楽の聴かれ方について考えています。 この先々、いつかは、CDという形でのリリースは無くなっていく。 それとは逆に、音楽配信というスタイルには断固反対する。 そういった極端な考え方には、どれも、僕にはピンとこないのですが、 だからといって、なにか明確な意見を言えるわけでもなくて。 でもですね、ここでは、ごくごく個人的な思いを書きたいと思います。 今までに、ぼくは、大切な人へのプレゼントとして、何度か、 僕のお気に入りのCDをプレゼントしたことがあります。 プレゼントとしてあげるからには、 CDの音楽的な面ではもちろんのこと、 ジャケや手にした時の感覚も素敵なものである必要があります。 そうした特別なCDに出会える機会は貴重ですし、 そんなCDをプレゼントしたいなぁ、と思う人と出会える機会も貴重です。 そうした、さまざまな条件が揃った上での、 「贈り物としてのCD」という存在は、 ぼくにとってかけがえのないものなのです。 そしてそれとは逆に、大切な人からCDを プレゼントしてもらったことも何度かあります。 例えば、3年前の僕の誕生日(euphoriaのライヴのあった日でした)に、 しょうたときのしたにプレゼントとしてもらった、 素敵な紙ジャケ仕様のアントニオ・カルロス・ジョビンの”WAVE"のCD、 今でもそのCDを手に取って、丁寧にCDデッキに入れて聴いているのですが、 それは、僕にとって、とてもとても大切な贈り物でした。 ちょっと前の時代、レコード主流の時にCDが開発された当初、 きっと僕と同じような考えの人は、 「あんな小さなプラスチックのケースに入っていて、 レコードみたいな重みもなくて…」 というような思いで、こんなもの贈り物にできるものか、 なんて思っていたのかもしれません。 でも、あっという間に、CDが主流の時代になりました。 そして、もし、今のこの状況も、 あっという間に、音楽配信の時代になっていくとしたら、 それは、レコードからCDに移り変わるのとは異なる次元の問題です。 音楽を「もの」として扱う感覚がなくなってしまうということなのかな。 うーーん、そう考えると、なんだか、せつないなぁ。 itunes music storeのプリペイドカードをプレゼントとして、 「あの音楽をきみに贈ります」、 なんていうことになるのかなぁ。 うーーん。 今、僕の目の前には、アントニオ・カルロス・ジョビンのジャケがあり、 コンポからは、そのCDが、しみじみ流れています。 -
|
![]() |
![]() |