white pattern - 2007年01月18日(木) マスタリング当日も直前までアルバム制作作業は続き、 なんとかすべての曲が完成して、 それらのデータを小さなハードディスクに入れて、 南青山のマスタリングスタジオに駆け足で向かう。 こんな小さな箱(ハードディスク)に、 この1年以上もの制作時間、そして沢山の想いが詰め込まれていると思うと、 大げさではなく、本当に抱きかかえるようにして、その小さな箱を運ぶ。 マスタリングスタジオ、オレンジに到着、 素晴らしい耳と技術をお持ちの、 マスタリングエンジニア、小泉由香さんにより、 作業はスムーズに進んでいく。 そして、ひととおりの作業がまとまると、 最後に、アルバムを始めから終わりまで通して、聴かせてもらう。 その時、2つのスピーカーの間には、 はっきりと、ドラムを叩くきのしたと、ベースを弾くしょうた、 ギターを弾く自分の姿が浮かび上がってくる。 そう感じることが出来たのは、今回の作品のテーマのひとつであった、 3人だけで成立する楽曲を作るために、音数を少なくシンプルにしていくことで、 3人が演奏している情景が自然と浮かび上がってくるような音の世界観が、 しっかりと表現できていたということで、思わず、にっこりしてしまう(笑)。 そして、もう少し聴き込んでいくうちに、そのスピーカーの間に登場してきた、 素晴らしいドラムを叩くきのしたとベースを弾くしょうたに対する、 感謝の気持ちに始まり、レーベルのスタッフをはじめ制作に関わってくれた、 すべて方に対する感謝の気持ち、家族への感謝の気持ち、 そして、制作に苦労している時にこころ暖かい、 励ましの声やメールをくれた方々への感謝の気持ち、 そして、このアルバムを楽しみに待っていてくれた方々への感謝の気持ち、 そして、ここまで書いてしまうと煙たくなるかもですが(笑)、 自分が生きていられることへの感謝の気持ち、 そんな沢山の「ありがとう」が湧き上がってきたのです。 1年以上もの長い間、常に正面から向き合いながら制作してきた作品なので、 当分の間は、冷静に聴くことはできないですし、 この作品がどんなアルバムなのかは、すぐには分からないものですが、 これほどまでに、感謝の気持ちにつつまれることが出来たのだから、 きっと、間違いなく、euphoriaにとって、最高の作品に仕上がったのだと思います。 真っ白な背景にある真っ白な模様(white pattern)は目には見えないけれど、 そこに模様があることを感じて、想像力を持つことで、 それまでに見えなかった模様が浮かび上がってくる。 情報にあふれかえり、慌ただしいこの世の中で、 そんな真っ白な模様を感じることは難しいことですし、 たとえその存在がなくても、特に困ることはないのかもしれません。 でも、例えば、その真っ白な模様の存在によって、 ぼくたちの日常が少しでも豊かで素敵なものになっていくのだとしたら、 ぼくは、真っ白な背景にうっすらと優しい色彩を加えて、 真っ白な模様がほんのりと浮かび上がってくるような、 そんな音楽をつくり奏でたいと思っています。 そして、今回感じることのできた、「ありがとう」の気持ちも、 きっと”white pattern”のひとつかな。 -
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