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食欲と性欲 2001年12月22日(土) | 食べる所作というのは、よく性的なイメージを喚起すると言う。美食家の友人は、男性を見る時に「美味しそうかどうか」という基準が恋愛照準だと言っていた。これは両方とも、自分が選ぶ側に立った時の考えである。 では自分で自分を美味しそうに演出して、「選ばれる」ためにはどうしたら良いのか・・・というと、これは非常に難しい。選んでほしい相手が決まっている場合は、相手の好みの食を知らなければならないし、それを熟知したとて、その味に自分を近付けても、「まあ美味しいけど、他の所でも食べられる味かな。」で終わってしまいかねない。 格別の味が、格別の存在であり、それが相手の性の衝動を起こさせるとすると、結局はレシピなどあり得ないのかもしれない。「香菜」とか「くさや」とかそういう個性の強いタイプの味だと、一般受けはしないけれど、「この味でなきゃ!」という離れられない魅力を持つ事になるだろう。 しかし、そのクセだけで相手を惹き付けるというのは非常に稀だし、いつか鼻についてしまう。やはり普段の何気ない食卓のようなホッとした部分もあり、たまに自分にしか出せない味の部分もあり、という緩やかで穏やかな駆け引き。そこから始まる恋愛は、色んなバリエーションを産み、相手を毎日ほっとさせたり、ひやひやさせたりしながら、欲をくすぐるのが一番効果的。 その秘伝のレシピは、自分と恋人だけの密やかな愉しみでもある。 |