ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




マリカ2
2002年01月07日(月)
たまたま本屋で文庫のコーナーをざっと見ていたら「マリカのソファー」という吉本ばななの本を見つけた。確か昔読んだ事があるけど、タイトルは「マリカの永い夜」だったハズ。続編なのだろうか?と思ってパラパラめくっていると、そうでもないらしい。主人公のジュンコ先生(もちろんマリカも主役だ)は主治医ではなく近所の女の人、という事になっているし、なんだか少しずつ変わってしまっているのだ。
気になったので、とりあえず買ってみて家で読んでみる事にした。
あとがきを読むと、新書版の「マリカの永い夜」の設定に無理があり、著者自身どうしても気になったので、文庫版を出す際に、中身も書き直し、タイトルも変え、全改訂したという事らしい。なるほど。
設定云々よりも、すごく煌々しいような、眩しいようなバリの空気と神様、多重人格者のマリカの人格統合の瞬間、そういうもののエッセンスがちゃんと改訂後の話にも残っていたので、安心した。
でも、やっぱり「永い夜」の方が設定が変でも抽象的でも、もっとバリ密度が濃かったような気がしてしまう。著者自身がバリへ取材に行った熱気のようなもの、何か神がかり的なもの、そういうものが含まれたのだろうか。
この本と「アムリタ」(これも吉本ばなな著)という本を読んで以来、ずっとバリに憧れている。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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