ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




シツレン。
2002年12月04日(水)
古くからの友達の久々のコイバナ。
なかなか会えなくて、メイルで色々と話を聞かせてもらっていたのだけど、相手のヒトがどんな人か、よく掴めないウチに、彼女の恋は終わってしまいました。

イマドキの男の子って優しいから。
告白される前に先回りして言わせないようにしたり。女の子を傷つけないように優しく振ったり。「恰好良いフリ方」に、すっごく長けてる。
「重たい」事嫌いなんだろうな。「重たい」事は「アブナイ」事と同義だもんね、今の世の中。
まだ携帯もメールも普通じゃなかった頃、私たちの恋愛は、もっともっと身体張ってて、重たくて嫌らしくてドロドロしてたんだ。そんなの今じゃ、ただのヤバい奴。
今や「距離感」が恋愛には必須アイテムだ。
距離感の読めない人間はバカを見る。

昔の話。親友Yちゃんの成人式のちょっと前。
夜中にYちゃんの彼氏から電話があった。「Yの気持ちが重たい。俺じゃ応えられない・・・別れたい。」っていう内容だった。私が彼にYちゃんを紹介した経緯があり、相当に申し訳なく、思いつめている様子だった。「Yちゃんは大事な親友だし、私は絶対にYちゃんの味方だから」って突き放す私に対して、彼はぼつぼつと心情を吐露した。「Yはもうすぐ成人式だし、そんなイベントの前だからとても言えない・・・。」
・・・本当のところ、彼から電話が来る直前まで私はYちゃんと話してた。Yちゃんは「彼の様子や行動が優しくない・・・」という事に気づいてしまっていた。彼は不器用過ぎるほどに「男の子」で「正直」で。うまく自分に嘘をつけるはずもなく。Yちゃんの事を「重い」と言った彼ではあるが、決して「遊び」などといった軽い気持ちはなかったと断言できる。
私は彼を責めた。同情なんて出来なかった。彼は、電話口で長い事泣いた。「ほんま、ごめん・・・」って何度も言いながら嗚咽していた。苦しんでいた。
自分自身の失恋の内幕は、相手の心情は相手のみぞ知る。だから、見えない。だが、たまたまこの件があったので、失恋の両側を見てしまった。2人とも、純粋過ぎるほど真剣で、どちらにも非があるとは思えなかった。

Yちゃんは、そのシツレンで深く深く傷ついた。
それでも、当時の事をYちゃんと今でも話す。Yちゃんも私も、どうしても彼を憎めない。「ほんと、バカ!がつくくらい正直過ぎ!」「いい人だったね」そんなふうに笑って話せるシツレンなんて、きっと珍しい。
それは、きっと、そんな「恰好悪い」フリ方をした彼のキャラクターによるものだろう。









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