熱いシャワーが浴びたくて、疲れた体を温めたくて、深い眠りにおちるために雪の街から逃げ出した。
夜景の見えるラウンジで、ウォッカトニックに酔わされて、小さく見える街並みは、いとしいほどに儚くて。
春を告げるこの街は、人の流れが速すぎて、ささやく声が聴こえない。
いつしか笑顔もなくなって、潤んだ瞳が問いかける。
「あなたの瞳は誰を見ているの?」
答えの出ない問いかけを、ただ、何度も繰り返す。
どんな試練にも私は耐えられる。
強いものは決して倒れたりしない。
でも、あなたのいない夜は心が涙にくもる。
生きることはこんなにも苦しい。
せつないこの痛み。
だから あなたにくちづけを。
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