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2005年02月22日(火) 題名が全てを語る…?

蜷川幸雄さん演出、清水邦夫さん脚本の舞台

『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』

を観に行って参りました。

主な出演者は堤真一さん、段田安則さん、中嶋朋子さん、木村桂乃さん、高橋洋さんでした。


オープニングから迫力ある演出!
舞台一面が炎に包まれているように赤々とライトで燃え立ち
客席に出現した女達があちこちから叫ぶ。

次の場面では舞台一面が階段。
正面は大階段。
両脇も階段。
役者さん達は正面の階段を下りてくるか
舞台の天井から下がっている梯子を使って登場。

堤さんは逃げ落ちる途中、頭を大怪我してから自分を将門の敵だと思い込む将門を。
コミカルでやけに明るいのに、その明るさ、無邪気さが逆に怖い。
狂気に満ちた将門から正気に戻る瞬間も何だか急に口調も表情も一変して
凄かった。

段田さんは将門の参謀者である三郎を。
どんなに狂っていてもずっと忠実に将門に仕える。
劇中で真面目な部分と遊びの部分とあるのだけど、そのバランスが絶妙。
とりあえず未だに私の中では朝ドラ「ふたりっこ」の“お父ちゃん”のイメージであっただけに
舞台役者さんなんだな、と認識して、その上手さを実感させられました。

木村さんは凛とした冷たい雰囲気を持つ将門の恋人、桔梗を。
背筋がピンとして堂々たる姿に「オオー!」と。
普段のイメージとは、とにかく全然違うと思う。

高橋さんは将門の影武者の一人であり、三郎の弟である五郎を。
狂った将門はいないものとして五郎を本物の将門にしてしまおうとする桔梗に誘惑されてしまう。
自分でも本物の将門になりきってくるあたり、何だか悪い奴っぽくもあるのだけど
何とも可哀想な人でした。

中嶋さんは三郎&五郎の妹であり戦場で男に体を売る歩き女、ゆき女を。
とにかく、存在感が凄い!
私の中では舞台で一番輝いていたと思います。

でも主な役者さんは勿論脇役の方達まで、皆凄い迫力があった。
蜷川さんの演出は物凄く厳しいと言われるだけあって
今回のも今まで観たものも、どれも凄いな、とか改めてビックラでした。

帰り道は舞台の余韻に浸りつつ、ボォーッと帰りました。


今年は「NINAGAWA VS COCOON」とかいう企画で
蜷川さんの舞台をあと三つくらいコクーンでやるらしいので
出来たら全部行きたいなぁ…。


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