f_の日記
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胸に刺さった
幾つもの透明の棘

誰もが血を滲ませながら

掻きむしっても
抜けやしないよ

それは自分の手では
けしてとれないのに

誰もが自らの指を傷つけながら

それは誰かに
引き抜いてもらわないと

けしてとれないのに

誰かの棘を観る度に
それを引き抜こうとする彼

それが自分の胸に
突き刺さることも少なくないのに

指を傷つけるだけでなく
棘を深く突き刺してしまうことも

少なくないのに

自分を疑いながら
時を呪いながら

血に染まって

独り
凍えていけばいい

身の程を知って

独り
朽ち果ててゆけばいい

自分に刺さった棘を
どうすることも出来ない儘

2005年01月30日(日)
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